灼熱☆バケーション【後編】
〈第三十二章〉 終わりよければ全てよし その2
羽田からはタクシーで帰る。
ここでも四人は一緒だった。
「次にこの四人が顔を合わせるのは、
どっちかの結婚式かな?」
と、翔は言う。
カナはその日が待ち遠しいと思っていた。
翔がひろこ先輩を
凄く好きだった事は分かったし
ジェラシーもあるけれど。
だけどそれでも、カナはひろこのことが好きだった。
タカヒトの夢は熱が見せた幻だろうけど
ちょっとドキドキしたし、
決して現実にはならないだろうから、
思い出として取って置こうと思っていた。
まあ、夢の中でも悪い気はしなかったし・・・・。
と思って、カナはふふふと笑いながら、
タカヒトを見た。
目が合うと、逸らされる。
「・・・・?」
どうしたんだろう?
まあ、気にしないことにした。