灼熱☆バケーション【後編】
〈第三十章〉 甘い朝
朝、翔が目覚めると
天気は穏やかになっていた。
カナの熱も下がっているようだ。
足はまだ腫れているが、
昨日よりは良さそうだと、少し安心していた。
ベッドでまどろむカナは、
幼い少女のようで
本当に自分の手で女になったのかが
疑わしいほどだった。
だが、昨日のタカヒトの目線は正直だった。
『他の男がほっとかないだろうな。』
そう思うと、早く公式に自分のものにしたくなる。
「翔、どこ?」
カナが寝ぼけて言う。
「ここだよ。」
彼は彼女の元へと戻った。
カナが、翔に両腕を回してキスをする。
「また、朝からずいぶん大胆だな。もう調子はいいの?」
からかうように翔が言った。
「うん、だいぶいい。」
カナが目を潤ませながら、彼を見つめた。
「だから、ね?」
彼女が翔にキスをする。
舌を絡ませるキスも、上達していた。
「おねがい。」
男を煽るのも、お手の物だ。
まんまと欲望に火をつけられた翔は、
カナの上に覆いかぶさった。