灼熱☆バケーション【後編】

〈第二十六章〉 目覚め

 

 

翔が氷をビニール袋に入れて戻ってきた。

鎮痛剤も貰ってきている。

 

ひろこは、自分の使っていた

バスローブに彼女を着替えさせながら

彼女の汗を拭き、翔が氷をタオルに包んで

カナの脇の下を冷やした。

 

少し落ち着いたようだ。

 

カナの目がゆっくりと開いた。

「ひろこ先輩・・・・。」

か細い声で言うと、

「ごめんなさい・・・・。」と、泣き出した。

 

ひろこは、カナの背中をさすりながら

「気にしないで、大丈夫よ。」と言った。

「お水飲める?」

と聞くと、カナが頷いた。

翔がペットボトルを渡すが、上手く持てない。

 

「貸して、俺が飲ませるから。」

と、彼はカナの手からボトルを受け取ると

ひろこと場所を代わった。

 

ボトルの水を自分の口に含み、

カナに口移しで飲ませる。

 

やけにその光景がエロティックだった。

 

カナが水を飲むと、

翔がホッとした顔をした。

 

カナの顔色が

少し落ち着いてくる。

 

“よかった。”

と、ひろこは安心した。

 

「もう大丈夫だよね。私は部屋に戻るから。」

 

「ありがとう。助かった。」

カナを抱いたまま、翔が言う。

 

ひろこはタカヒトの眠る部屋に戻った。

 

 

 

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