灼熱☆バケーション【後編】

〈第十八章〉 ワルイ夢 その2

 

 

そんなカナが、夢とはいえ

腕の中にいるのである。

なんとも言えない優越感だった。

 

「うーん。」

寝返りを打つカナは、

幼い少女のように可憐だった。

 

が、よく見ると全裸である。

 

ずいぶん刺激的な夢だ。

 

水着のあとがくっきりと白く抜けており、

胸元のコントラストに、そそられる。

 

まばゆかった。

 

そっと布団をめくって、じっくりと観察する。

細身だが、程よく筋肉の付いた健康的な身体だった。

 

小振りだが、形の良いバストを見ていたら

触りたくなる。

なかなかリアルなさわり心地だった。

 

固くなってきた先端に触れると、

カナが目を覚ました。

 

「イヤ!ちょっと、何してるのよ。」

声までリアルだ。

 

ずっと触っていたら怒るのかな?

と思いながら

手を止めずにいると

カナの顔が紅潮してきた。

 

「感じてるの?」

「やめてよ。」

言うほど、嫌がってはいなかった。

 

少し調子に乗って触り続けていると

彼女の目が潤んできた。

 

夢の中のカナは、大胆にもタカヒトの背中に

腕を回してキスをすると、

彼に身体を押し付けてきた。

扇情的な表情である。

 

「ずいぶん大胆だね。翔さんに仕込まれたの?」

聞くと、

「バカッ!」

と突き飛ばそうとした。

その手をぐっと掴んで引き寄せる。

 

「ねえ、翔さんが”初めての人“だったんでしょ?」

囁くと、カナが真っ赤になった。

 

「どうだったの?良かった?」

 

“良かった”のなんて、カナの顔を見ていたら

一目瞭然だったが

タカヒトはしつこく聞いた。

 

「良かったわよ。」

彼女がさらに目を潤ませながら、

恥ずかしそうに言う。

 

目を伏せたその表情が、色っぽかった。

 

「ねえ、この夢の中だけなら

何をしても良いよね?」

 

タカヒトは、ぐっとカナを抱き寄せた。

カナの目に怯えたような影が見える。

 

彼はカナを捕まえて、キスをした。

 

昔したような、触れるだけのキスじゃない

濃くて深くて、いやらしいキスだった。

 

逃げようと身をよじるカナの

耳元に息を吹きかける。

彼女の身体がビクンと跳ねた。

 

全身をゆっくりと撫でると

呼吸が荒くなる。

 

涙目になったカナを見て、

『なんて色っぽいんだ。』

とタカヒトは思っていた。

 

 

もっと欲しい。

もっと乱れさせたい。

 

夢の中とはいえ、珍しく彼の脳裏に

ひろこの事は浮かばなかった。

 

 

 

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