LITERAより
2015.12.07

「カロリーゼロ」「糖質オフ」は余計に太る? 人工甘味料が大量に! 
食品「ゼロ」表示に隠された罠

 

 ここ数年、急激に増えている“ゼロ”食品や飲料。とくにテレビCMを打っている食品や飲料のほとんどが、「糖類ゼロ」や「カロリーゼロ」(または「オフ」「カット」「フリー」)などを強調していることがほとんどだ。

 

 たとえばアルコール飲料。
長瀬智也と水川あさみがCM出演する「アサヒスタイルフリー」(アサヒビール)は、糖質ゼロでカロリーは100mlあたり24kcal。
三村マサカズと桐谷美玲がイメージキャラを務める「極ZERO」(サッポロ)は、糖質ゼロ、プリン体ゼロ、人工甘味料ゼロ。
サントリー「おいしいZERO」は糖質とプリン体ゼロを売りにしている。その他、カクテルやノンアルコールも同様に「ゼロ」だらけ。

 

 菓子類に目を向けると、チョコレートからはその名も「ZERO」(ロッテ)が登場。糖類ゼロが売りで、公式サイトには「健康を意識されている方に食べてもらいたい」との文言が並ぶ。
そしてアイスや和菓子、クッキーにも“ゼロ”は波及している。

 

 マヨネーズ界からは、ノンコレステロールを謳う「キユーピーゼロ」(キユーピー)が登場。通常のマヨネーズが100kcalのところ、こちらは50kcalと見事に半分カット。ドレッシングは「ノンオイル」と書かれた商品が売れている。

 

 バターやマーガリンを見ると、バターが“ゼロ”とするのは「無塩バター」程度の一方、マーガリンの“ゼロ”は幅広い。

 

 コレステロール0の「ネオソフトハーフ」(雪印メグミルク)は、通常のマーガリンに比べると、カロリーが半分だという。
他にも、「ラーマ プロ・アクティブ」(J-オイルミルズ)、「明治なめらかソフト」(明治)、「明治コーンソフトハーフ」(同)などが、塩分や脂肪分をカットしている。

 

 さて、これら“ゼロ商品”に対して警告をならすのが、『体を壊す食品「ゼロ」表示の罠』(SB新書)だ。
著者は、医学博士で日本ダイエットスペシャリスト協会理事長の永田孝行氏。

 

 “健康”や“低カロリーゆえのダイエット効果”を期待させるこれら商品について、永田氏は〈本当に私たちを病気から守り、健康を増進してくれるのでしょうか。
あるいは、ダイエットを成功に導いてくれるのでしょうか
〉と疑問を投げかけ、まず“カロリーゼロ”系の商品をこう解説する。

 

〈カロリーを減らす、食べる量を減らすダイエットの場合、体重は一時的に落ちたとしても(中略)カロリー制限によって必要なエネルギーが十分にまかなわれない〉
〈そんな状況が続くと、体脂肪だけでなく、体に不可欠な筋肉組織も落ちてしまいます。(中略)体に不可欠な栄養素が不足するため、体内の生命活動が低下する羽目に〉

 

 体重だけでなく本来の体力まで落ちてしまうということか。
さらにそれだけではなく、“カロリーゼロ”は逆に太りやすい体に仕上げてしまうという。
どういうことかというと、
〈体は想定外の体重減少を危機反応として捉え(中略)摂取エネルギーが少なくても対応できる「省エネモード」〉になるという。

 

 そんな体の状態で食事をすると、〈体脂肪をできるだけ備えて体重を「セットポイント」(※自分のベスト体重)へ戻そうとします。
つまり、ダイエットと称してカロリー制限を続けるうちに、体脂肪が増えて代謝が低下〉するのだ。
そして結果、〈太りやすく痩せにくい体質〉となってしまうというのだ。

 

 “糖類ゼロ”“糖類ゼロ”もけっしてダイエットにつながるとは言えないらしい。
糖類ゼロは、オリゴ糖、デキストリン、グリコーゲン、セルロース、ペクチンなどの多糖類、ソルビトールやキシリトール、エリスリトール、マンニトール、パラチニットなどの糖アルコールが使用されているケースが多いし、糖質ゼロでも人工甘味料が使われているからだ。

 

 砂糖だろうが“ゼロ”の合成甘味料だろうが、大量摂取してしまっては意味がない。
永田氏はこう警鐘を鳴らす。

 

〈カロリーゼロだからと安心して食べたり飲んだりしすぎると、より甘いものを欲しやすくなるので、トータルすると間食が増えたり、(中略)肥満や糖尿病のリスクが高まります〉
〈甘いものに関して依存症があるのは人工甘味料も砂糖も同じ。(中略)甘みがあるかぎり、減量向き食品として安心するのは間違い〉

 

 しかも、こうした人工甘味料には体を蝕む可能性のあるものも少なくない
たとえば、合成甘味料には、アスパルテームサッカリンなどがあるが、サッカリンは発がん性の疑いがあるという説が根強く、〈一時期は危険性が疑われ禁止されていたこともあ〉るという。

 

 また、世界一の普及率を誇るというアスパルテームも、〈一時期は生殖機能を衰えさせるという理由でNG〉とされていた。
しかし、後に、マウス投与実験で〈人間が摂る30倍の量をマウスに与えて〉いたとして、〈人体にはそういった悪影響は及ぼさないと判断がひっくり返り、結局のところ、現在でも大量に使われて〉いるそうだ。

 

 甘味料の研究はそういった例が他にもあり、〈エリスリトールが一番安心だとする見解も一部でありますが、それを覆す説もあり、まだまだ評価は定かではありません〉という、いまだ発展途上の領域であることがうかがえる。

 

 極めつけは、“ゼロ”にしたことにより、本末転倒になってしまった商品もあるという。
それが、人工甘味料を使うことによって「カロリーオフ」「ゼロカロリー」「糖質ゼロ」を実現している、スポーツドリンクである。
そもそも、〈糖分や塩分などが入っていて初めて〉機能が果たせるのがスポーツドリンク。

〈ナトリウムイオンと共にブドウ糖が含まれていれば、腸管から水分を素早く吸収できるのですが、人工甘味料では、こうした働きも期待できません〉

 

 その結果、〈もともとスポーツドリンクが目的としていた、運動時の疲労回復に効果は望めません〉ということになる。
だとすると、それはただの甘い飲み物であり、同書も〈「スポーツドリンクもどき」の商品を、スポーツドリンクの名前で販売している〉本末転倒の商品であると一刀両断している。

 

「ゼロ」「オフ」「カット」「フリー」など、耳障りのいい言葉だけを便りに手を伸ばして健康になった気&痩せた気になってしまう前に、一旦立ち止まって、その商品がゼロである理由と意義を考えたほうが良さそうだ。
(羽屋川ふみ)

 

 

 


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