東北も、熊本も、大阪も、まだまだ復興なかばというのに、西日本豪雨災害ではさらに産地を直撃。多くの友人が大変な状況になっている。

なかでも、愛媛県宇和島でブラッドオレンジを栽培していた農家さんたちは、苦労の末、やっと日本産のブラッドオレンジが認知されてきたところでの今回の災害。土砂崩れや浸水、道路が使えなくなったために物資供給もできない。
まず、飲み水。生活用水。汚泥の清掃。
たぶんまだ畑のことまで手がまわらないと思う。
聞くところでは、みかんの栽培は10年かかるというが、宇和島のみかん農家さんたちは大変な決断を迫られている。

たとえば、まだ20代であれば、10年たっても30代。まだまだチャレンジできる。
でも、いま60歳なら、10年後は70歳になる。
同じ10年でも、重みが違う。

都会の根無し草的生活者と違い、地域に根ざした生き方をしている生産者の方々は、そうやすやすと故郷を離れるわけにはいかないだろう。

そうした状況のなか、友達のひとりとしてできる支援は微々たるものであり、また私のように全国各地を飛び回る仕事をしていると、友達の隅々まで、私個人が支援のしようもない。

昨日は愛媛ブランドのあるメーカーさんの都内オフィスを訪問した。
同じ愛媛でもその会社の被害は少なかったそうだが、社員には宇和島や大洲の出身もいるという。

そこではこんな話があった。

「個人の支援はありがたいけれど、個々ではたいして役にたたない」ということ。

たとえば、その企業が新商品のために機材を新しく導入しようとすると、数千万円かかる。

そこでできた商品を買ってもらうだけでは、すぐには数千万円回収はできない。

先行投資とはそういうもので、先行投資ができなければ大きなビジネスもできない。

だから、被災地が立ち上がるためには、小さなお金を集めて大きくすることが重要で、それにはクラウドファンディングがひとつの手段であるということ。

クラウドファンディングと寄付や募金の違いは、「投資」であり「リターン」があるということ。

もちろん、こんなときに見返りを期待して寄付をする人はいないだろう。
でも、単なる寄付をされるよりは「利子をつけて返す」という責務があるほうが経営者は一生懸命働くことができるというのだ。

私自身は、クラウドファンディングで資金集めをする知人たちに「助けてください」と迫られる、あまりハートのこもった感じのしない無心メールにややも悩ましい思いがあったが、言われてみればなるほどとも思う。

三重県にある浅井農園は、辻精油株式会社と三井物産の出資を受け、攻めの農業に取り組んでいる。
バイオマス、製油プラント、トマトのハウス栽培の連携、展開が素晴らしい「儲かる農業」の先駆者となっている。
社長の浅井さんはまだ37歳。未来は長い。永遠といってもいいくらいの未来がある。

宇和島のブラッドオレンジに話が戻るが、
基本は、現地の人たちが、どうしたいかが一番重要なことだ。
「続けたい」と言うなら、長期の支援体制を作ろう。出資者も募ろう。10年計画の図面を描こう。

そうして、大きな資金を集め、
結果的に、魅力ある農業、魅力ある町の再生になることだ。

宇和島にはお殿様がいる。(伊達の城主で、現在も末裔の方がいらっしゃる)
成功して活躍している人たちもたくさんいるはずだ。
なので、部外者が必要以上に首をつっこむことはいかがなものかとも思うけれど、他者の目となって「宇和島」という地域づくりを応援できたらと思う。