エンジェル投資家の年間投資総額は
米国では3兆円、日本では200億円

 

ベンチャー企業がIPOを目指すとき、どんなところから資金調達しているかというと、会社を創業したときには自己資金が大半です。

少しアイデアがまとまってきた
「シーズステージ」と言われる創業期では、自己資金や「ファミリー&フレンズ・ラウンド」と呼ばれる友人知人による資金調達が行われ、会社が成長して企業価値が10億から30億円のミドルステージではベンチャー・キャピタルやM&Aを検討することになります。
しかし、それ以前でのアーリーステージでは、リスクマネーの供給としてエンジェル投資家がよくあるパターンです。

 

有限責任中間法人日本エンジェルス・フォーラムによると、平成20年時点でのエンジェル投資家は日本で約1万人。1件あたりの投資額は100-300万円。年間投資総額は200億円。米国では234千人のエンジェル投資家が1件あたり年間5000万円、総額で3兆円の投資を行っているというデータがあります。

ベンチャーキャピタルまで行かないレベルで、例えば「プロトタイプを創りたいけれど、1000万円資金が必要」というベンチャー企業を支えてくれるのは、エンジェル投資家といえます。



 

 

■投資家と起業家が出会う場所が必要

 

エンジェル投資家は個人投資家です。

それはどんな人かというと、たとえば、一旦上場して自分で株を売却して、100億とか200億とか個人資産ができたというIPOした経験のある経営者です。彼らは後輩を育てたいということでお金を出し、そうして育った人がまた投資をして新しいアイデアが育つというサイクルが起こります。

 

日本はアメリカより10年くらい遅れていますが、楽天などベンチャーとして大きく成長している会社が次の投資をして、新しいベンチャーが生まれています。

とはいえ、新しい企業が必要なファイナンスや法律のサポートなどができるところがないと、いいアイデアがあっても、「誰に言ったらいいのだろう」と迷うかもしれません。

今後IPOする会社が増えていくなかで、彼らがまた、次のエンジェル投資家になっていくサイクルができることが望ましいのですが、そうした投資家が、いいアイデアを持った人たちと出会う場所が必要です。

 

そうした点では、私も「社長の時間をつくる株式会社」はクラウド型サービスなので、加速的に成長させたいと思っています。

この段階で誰に投資してもらおうかとうとベンチャーキャピタルにはまだ早い。そうすると知り合いで誰か、という話になってくるのですが、エンジェルス・インクさんというのはまさしく、そうしたネットワークを作ろうとしているのだと思います。

 

(お話:社長の時間をつくる株式会社 代表取締役 普川真如様)

この文章は2016年にエンジェルスインクが開催した「女性起業家セミナー」のレポートです。