それは日本近海の海底にたくさん存在すると言われているシャーベット状に氷ったメタンハイドレートです。


「燃える氷」とも呼ばれるメタンハイドレートは、天然ガスの主成分のメタンガスと水から構成される物質で燃やすと水だけが残ります。


日本近海の埋蔵量は、2009年の調査によると、特に渥美半島、志摩半島、紀伊半島の周辺に集中していてその埋蔵量は12.6m3と推定され、これは我が国年間天然ガス消費量の約100年分に相当するそうです。

 


液化天然ガスを海上輸送で輸入している我が国にとって、メタンハイドレートは大変魅力的なエネルギー資源です。


しかし、シャーベット状のメタンハイドレートを海底で回収し、陸上まで移送することは現在の技術では非常に難しいそうです。


また、メタンハイドレートからメタンを分離して回収する方法でも莫大な費用がかかるようです。海洋における石油の採掘コストは1バレルあたり10ドルほどに対し、メタンハイドレートのメタンガス化の採掘コストは200ドル以上となり、約20倍らしいのです。

 


2017年に資源エネルギー庁資源・燃料部から「メタンハイドレートの商業化に向けたロードマップを示し、次期海洋基本計画に反映させていく」というようなことが検討されたようですが、適切な回収方法がない現時点では商業化への道筋を具体化することは困難のようです。


ブレイクスルーの新技術が開発されるまでは開店休業でしょうね。

 


なお、メタンハイドレートの採掘は技術的な困難さやコストの問題に加えて、採掘に伴って大気中に漏れ出るメタンガスが地球温暖化を加速させるリスクも考慮する必要があります。


メタンガスを漏れなく回収するためにも莫大な費用がかかりそうですね。