毎年恒例のさいたまスーパーアリーナで過ごす大晦日。
青木真也にサインしてもらった家宝のTシャツに着替え、
チケット片手に向かういつもの大晦日であるはずだった。
今年の格闘技情勢は御存知の通り、DREAMはただの一度も開催することはなく、
大黒柱出会った青木真也選手はDREAMから離脱し、ONE.FCの所属に移った。
誰の目からも明らかなように、
日本格闘技は既に沈み終わった。
幸運なことに、本年は大晦日に限りオランダよりGLORYの資本が投入され
(興行面から、単独開催の集客が困難であるGLORYとの利害が一致したことから)、
大晦日の興行に漕ぎ着けることが可能となった。
マッチメークは困難を極め、物語不在の中で単なる試合を享受せざるを得ない環境にあった。
私は、青木真也、日本最終試合という目線でしか見ることは出来なかった。
興行自体は、やはり資本力があり派手な演出は好印象だった。
一部ゴングが鳴らない等、GLORYの運営能力の低さが露呈される場面はあったが、
概ね好印象だった。が、恐らく今後成功するのは厳しいであろう。劣化版K-1に他ならない。
青木真也の語った「水と場がなかった。」
DREAMと共闘関係にあり、半ば家族関係にあった青木の切実な発言に自分を重ね合わせる。
「水と場がなかった。」のである。
十分夢を見させてもらった。
・カルバン、つまり英雄と誇りの代理戦争。
・続く、永田、宇野戦での未知の寝技。後に海外でアオキスイパノと呼ばれる。
・階級を超えたトーナメント参戦。
(ここでの敗戦のレコードが大きく彼の価値観を変えることになる。)
・ハンセンとのタイトルマッチ、そして奪取。彼は強かった。
・廣田戦で見せた狂気、格闘技とは何だったかを思い返す。
・ナッシュビルの頂上決戦。日本格闘技全てを否定された。
・川尻とのライバル対決。結婚、そして出産。父親は強かった。
・長島自演乙とのピープルズチャンピオン戦。彼をここまで駆り立てた裏事情が許せなかった。
・そして、エディ・アルバレスとの再戦。ここでの負けが決定的だった。
彼が日本を離れたのは寂しいが、正解だ。
水を求め、これからも世界での素晴らしい活躍を祈願する。
DREAMから離れただけで嫌いになると割り切るには、多くの時間を過ごしすぎた。
自分の数多くの青春と、彼の戦いを重ね合わせすぎた。
彼を否定することは、自分の青春を否定することに他ならない。
旅立つ彼に幸運を。