「ラウンドアバウト(roundabout)」ってご存じですか?

「環状交差点」のことです。(画像参照)

19世紀の後半、馬車先進国のイギリスやフランスで始まり、現代では欧米ではかなり普及しているそうです。

日本での歴史はまだ浅く、本格導入は2014年が最初で、2023年3月末現在で40都道府県155カ所に設置されているそうです。都心部ではあまり見かけませんね。

一般的な十字路と違い、交差点部分が円形(環状)になっていて、直進はできない構造です。何が一番のメリットかというと交通事故、特に悲惨な正面衝突事故が減少するというところでしょう。ご存じの通り、交差点での事故で一番多いのは直進車とその進路を横切る対向車線の右折車の衝突事故です。環状交差点では左折・カーブと直進のみで全方向に移動できるので対向車との衝突の可能性は極小化します。ラウンドアバウトの導入で約30%事故が減少したという結果もあるそうです。交通量が多くない交差点なら信号も不要で、車の流れもスムーズでドライバーの心理的負担も軽減するそうです。

デメリットは、必要な土地がより広いということ、直進車の交通量が多い場所ではかえって流れが悪化するということでしょうか。

交差する道路の交通量がほぼ同じで全体として多すぎない場所の交差点に一番適した方式と言えるように思います。交差点という危険ポイントをより安心安全な仕合わせやすい場所に変えるラウンドアバウト、日本でももっと増えて欲しいですね。

余談ですが、筆者が「ラウンドアバウト」という言葉を最初に知ったのは中学生の時。英国出身のロックバンド「イエス」のヒット曲の一つとしてでした。

同名の楽曲の冒頭の歌詞が『I ‘ll be the roundabout The words will make you out’n out…』

『僕は環状交差点になる。そして言葉を失う…。』??どういう意味かずっと分からずにいました。

それから55年余りの今年の6月に英国旅行を愉しみましたが、小さめの観光バスでロンドンから郊外の観光名所の湖水地方に向かう際に実際に幾つかの本場のラウンドアバウトを体験して分かったのです。

今では高速道路のインターチェンジのカーブで体験できるあの感覚です。

右折する時に大きくゆったり旋回する時の感覚。

ぐぐーっと重力から解放されるような感覚と共に何も考えなくなる瞬間があるように思います。

そんな境地を歌った曲だったんじゃないかなと今では思います。

今日も仕合わせる一言をお読みいただき、ありがとうございます。

<ライター:沢☆一休>(鎌倉愛好家)