お能で、主に演じる人を「シテ」といいます。

これは漢字で書くと「仕手」もしくは「為手」です。

つまり「仕る(つかまつる)人」、「演ずる人」。

(『能・狂言なんでも質問箱』檜書店 P59より)

 

“仕”の字そのものの意味は、字訓 白川静著によりますと、

『“士”は小さな鉞(まさかり)を、刀を下にして置いた形で、戦士階級の身分を示す儀礼用の器である。

士は戦士階級として王に「つかえる」者をいう。のちすべての人に「つかえる」ことを仕という』

 

面白いのは、「仕舞う」です。

手元にある広辞苑第三版によれば、『なし終えること、片付ける、始末する』という意味があります。

こちらもお能を引き合いに出しますが、お能でいう「仕舞」は、シテ(仕手)がお面をつけずに舞うことです。

一説によれば、舞台の最後に「仕舞」を舞ったことに由来して、物事を終える、という意味に使われるようになったとのこと。

 

「仕」の意味からすれば、「仕合わせる」は、「合わせることにつかえる」となりましょうか。

「調和へのサーバントリーダー」とも言えるかもしれません。

物事何でも、始まりがあれば終わりがありますが、調和と共に終えることは意外と難しいものです。

最近、一つの終わりを経験したものとして、きれいに舞って仕舞うことの大切さを、しみじみ感じます。

しっかり仕合わせて、仕舞う。

そのためには、仕合わせる、仕合わせない、を日々選ぶことで、仕合わせ筋力を鍛えておくことが大事かな、と改めて思った次第です。

 

昨日は急に涼しくなったかと思えば、今日はまた気温が上がるそうですね。

どうぞ皆さま、お健やかにお過ごしください。

 

〈ライター:斉藤知江子