「岩田さん」とは、世界的ゲームメーカ任天堂の元代表取締役社長の岩田聡さんのことです。
 
この本は、岩田さんが語られた言葉や、近くにいた人が岩田さんを語るインタビューをまとめた本で、リーダー論としても、仕合わせる力の参考本としても、おススメです。
 
帯に書かれているように、「世界中のゲームファンとゲームクリエイターに愛された人」だった岩田さん。
この本を読むと、岩田さんという人がどんな風に人と関わり、どういう信念のもと、どういう願いのもと、若くして任された会社を立て直して発展させたか、
ゲーム文化を世界中に広めていったかを知ることができます。
 
そしてさらに岩田さんは、とっても“仕合わせる力”を発揮されていた方だったのです。
本のそこここに仕合わせる知恵のヒントがあって、読みながら心が躍りました。
一部ご紹介します。
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明らかに自分と意見の違う人がいる。
それは、理不尽にさえ思えるかもしれない。
でも、その人にはその人の理屈と理由と事情と価値観があるはずなんです。
そしてその人たちは、自分ができないことをできたり、自分の知らないことを知っていたりする。
だから、すべてを受け入れろとは言いませんけど、自分にはないものをその人が持っていて、
自分にはできないことをやっているということに対して、敬意を持つこと。
この敬意が持てるかどうかで、働くことに対するたのしさやおもしろみが、大きくが変わってくるような気がするんです。
(「岩田さん」P61より)
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私自身はゲームはやりませんし、子どもが小さい頃は、長時間ゲームに没頭する子どもを心配して、いかに“やめさせるか”を工夫していたものでした。
テレビゲーム、ましてや持ち歩けるゲーム機を開発した人たちは、子どもたちへの悪影響をどう考えているのか!と、勝手に迷惑に思っていた時もあったくらいです。
 
しかし岩田さんは、そんな子どもを心配するお母さんたちの目線にもなって、
どうすればお母さんが安心できるか、子どもたちに楽しさと健全さの両方があるゲーム環境を届けられるか、
真剣に考えてくださっていたのだ、ということを、この本によって知りました。
2015年、55歳の時に病気により急逝された岩田さん。
直接(講演などで)お話を伺うことはできませんが、この方の知恵を自分なりに受け取って、人生に活かしたい、と思います。
 
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
相変わらず暑い毎日ですが、どうぞ皆さまお健やかにお過ごしください。
 
〈ライター:斉藤知江子〉