「世の中ってェもんはね、あんまり突き詰めちゃぁつまらないもんだ。
粋に暮らさなくちゃあいけません。“世の中すいすい、お茶漬けさくさく”ってェくらいのもんでね」
 
これは、「この世は落語」中野翠著(ちくま文庫)からの引用で、落語『刀屋』(おせつ徳三郎)に出てくる刀屋のあるじのセリフです。
詳しくは本を読んでいただきたいのですが、かなり切羽詰まった場面で、あるじがおだやかにそのセリフを若い男に語りかける。
なんだか心に沁みるなぁと思いながら読み進めると、
「粋」について、中野翠さんは次のように書いています。
 
「必要以上に物事を重くしないこと」
 
ついうっかり必要以上に物事を重くしがちな筆者には、この言葉が“どすっ”と響いてきたのでした。
いかんいかん、また“どすっ”と重く受け止めとる、とまずは身体をゆるめて、
“すいすい さくさく”を合言葉に、諸事に仕合わせていこうかな、と思った次第です。
 
今日もお読みいただきありがとうございます。
 
〈ライター:斉藤知江子