「つむじを押すと下痢になる」は本当か!?

話の前提が微妙にずれているので
言葉通りに受け取れば嘘となるが

「つむじ」という表現が「脳天」を抽象的に表していたとしたら本当の話。

脳天には​百会(ひゃくえ)というツボがあります。
位置は、両耳を真直ぐ上がった線と、顔の中心を真直ぐ上がった線が交差するところです。押すと少しへこみます。

百は「たくさん」という意味で、会は「あつまる」という意味。
つまり「気がたくさんあつまる」という意味になります。

気の基本的な話として
この百会から気が入ってきて、全身を駆け巡って、足裏の涌泉というツボから抜けていく、という概念があります。

この百会の入口に不具合が生じて閉じてしまうと、良い気が入ってこなくなり、気の流れが滞る。
すると悪い気=邪気が体内に溜まったままになる。
そんな状態の時に百会を押すと気の流れが活性化して、一気に溜まった邪気を流そうとする。

その反応の一つが下痢というもの。
同じように尿意が近くなるというのもあります。

ちなみに百会だけでなく、滞っていた気がめぐり邪気を排出しようとする行為全てに同じ作用が起きるので、当然ツボを刺激する全身の指圧でも起きます。


たまたま自分自身で押せる簡単なツボだから取り上げられているに過ぎなくて、たまたま目印となるところに「つむじ」があったりしたので、たまたま「つむじを押すと下痢になる」という言い伝えになったものとおもわれます。

ここでせっかく百会の正しい場所を知ったのですから「百会を押すと下痢になる」と覚えましょう。
なお、気が滞ってなく、邪気の溜まってない人には下痢は起こらないのであしからず。

【これも知っておくと通な豆知識】
仏教では土用の丑の日に〔ほうろく〕という素焼きの皿にもぐさをのせ、その皿を頭にのせて経をとなえ無病息災を祈る【ほうろく灸】という儀式があります。お寺で頭から煙を出している映像をどこかで見たことないかな?