7/8、ウクライナの首都キエフにロシアのミサイル攻撃があり、日本も含めた西側メディアはその時にロシアのミサイルのうちの1発が近くの小児病院を直撃したと非難しています。

 

その後、国連安保理でこの件についてブリーフィングが行われ、国連は「ミサイル攻撃の背後にはロシア政府がいる可能性が高い」と発表したとのことです。

しかし、これには大きな疑問があり、今回はその小児病院に当たったミサイルは 本当にロシアのミサイルだったのか ということについて西側大手メディアが報道していない反対側の意見をご紹介したいと思います。

 

まず、国連の「ミサイル攻撃の背後にはロシア政府がいる可能性が高い」と発表の仕方も実に曖昧ですが、ロシア軍のキエフへのミサイル攻撃はたしかに行われており、

小児病院の2キロ先の兵器工場にミサイルが何発も直撃しています。

 

そもそも大都市を兵器工場にする ということ自体が ウクライナ軍が今までやってきた民間人の施設を兵器の設置場所や保管場所、兵士の基地として活用するという違法な行為ですが、ロシアのミサイルは非常に正確で、軍の施設や兵器工場、兵器保管場所を正確に打撃してきたので、間違って2キロも離れた先の小児病院を打撃する ということはありそうにないです。

 

「間違って当たった」可能性が否定されるとなると、今度は「意図的に狙った」と西側は言いたいでしょうし、そのように非難していますが、ロシア軍は民間人の施設を意図的に攻撃の目標にしたことは今までにありません。

もちろん、軍事施設、あるいは軍事施設、兵器の保管施設として利用されていた民間施設(ショッピングセンター等)の近くにたまたまいた民間人が巻き添えになったことはあるでしょう。

 

西側メディアが言うような、もしも意図的に小児病院を狙ったのでしたら、死者2名程度ではすまない、その建物にいた人ほとんど全員が死亡または重体、重症という状況になるはずです。

 

今回 国連安保理でロシアの国連大使が行ったブリーフィングをご紹介します。

西側メディアは ウクライナのキエフ政権の言うことだけが真実かのようにいつも報道して、都合の悪いことは無視しています。

 

UN SECURITY COUNCIL BRIEFING ON UKRAINE, JULY 9, 2024 : RUSSIAN STANCE

 

(和訳開始)

 

2024年7月9日 国連安保理でのウクライナについてのブリーフィング:ロシアの立場

 

(上の写真:国連安保理でブリーフィングを行うロシアの国連大使)

 

主な声明

まず、この会議を主催してくださったフランスとエクアドルに感謝を申し上げたいと思います。

西側諸国の同僚たちの発言(ちなみに、非常に簡潔)から明らかなように、今日議論しているロシアによる小児病院への攻撃という話題は、彼らにとって決して喜ばしいものではない。

 

彼らは、何が起こったかを示す多数の写真やビデオを見ただろうし、そこから、病院を攻撃したのはウクライナの防空ミサイルだったことは明らかだ。したがって、安全保障理事会の西側諸国のメンバーは、あらゆる手段を使ってキエフ政権を擁護しようと、言葉遊びの魔法を披露しているのだ。

 

しかし、私たちにとって、この会議は実際に何が起こったのか真実を語る絶好の機会です。

しかしながら、私たち皆が知っているように、真実は西側の同僚たちの興味を引かず、ブチャの挑発や今日言及したマリウポリ病院の際の最良の伝統に従い、彼らはロシア軍による小児医療施設に対する意図的な攻撃とされる行為を非難することで希望的観測に陥ろうとした。(注:「ブチャの虐殺」「マリウポリの産科病院へのロシア軍の攻撃」はいずれもウクライナ側が仕込んでロシアのせいにした事件です。)

 

このような戦術の不誠実さは肉眼で見ることができ、ウクライナ人自身もすぐにそれに気づいた。攻撃のビデオがインターネット上に急速に現れ、キエフと西側のプロパガンダの努力をすべて否定したからだ。

 

最も完全な出版物への参照はここにある。このQRコード↓を使用してください。

 

(上の写真:QRコードを示すロシアの国連大使。コードはTelegramのビデオへのリンクとなっており、小児病院にウクライナの防空ミサイルが当たった瞬間を映している。注:Telegramをインストールされていない方はビデオは見れません。)

 

そして、ウクライナ当局によって検閲されていないウクライナ人にとって唯一の情報源であり続けているウクライナのテレグラムチャンネルによってすぐに公開された内容は次のとおりです。「大統領府は、すべての人に、オフマトデット小児科クリニックに関する情報のみを公開および配布するよう指示しました。その理由は次のとおりです。

 

a) 周辺に非常に興味深い場所があるため、他の問題から注意をそらすことができ、人々は政府に対して、なぜ軍事施設が住宅地や病院のすぐ近くにあるのかと質問する可能性がある。

 

b) 敵に対する憎しみを抱かせることで軍隊と国民の士気を高めようとする。

そのため、ロケットを撃ち落すのを誤ったのは明らかであるにもかかわらず、敵が意図的に子供を標的にしたと主張する。

 

c) 当局の絶え間ない無法、汚職、関税の上昇、物価の上昇、幻滅感の増大などから大衆の注意をそらす。

 

d) ウクライナ軍の絶え間ない撤退から注意をそらす。

 

e) ゼレンスキーの名の下に継続的な徴兵を正当化する別の理由を挙げてください。

 

f) NATOサミットの直前に西側メディアで大騒ぎを起こす

 

あるいは、別の証言もある。「オフマトデット病院への攻撃についてはすべてが明らかだ。ウクライナの防空NASAMSミサイルがコースを外れ、小児病院近くの建物に命中したのだ。」

 

西側諸国の防空システムも、標的を外すことが多々ある。ミサイルが空中で標的を見失い、病院からの熱信号を捉えて標的を誤認した可能性が高い。ウクライナの防空システムがポーランドでトラクターを撃ち、ポーランド人を殺害したのも、このケースに当てはまる。

 

もし(ロシアの)X-101ミサイルだったら、被害はもっと大きかっただろう。

ウクライナの防空ミサイルは頻繁に標的を外すと、私たちはいつも書いている。

私たちはすでにそのような悲劇を何度も目撃しており、ゼレンスキー大統領府は、ロシア軍が意図的に住宅を攻撃していると国民に嘘をつき続けている。大統領府は、このような「人為的な悲劇」によって、ウクライナ国民の憎悪を絶えず煽り、戦争の継続を正当化しなければならない。

 

そして軍自身も、こうした悲劇の多くが防空システムの不適切な運用によって発生したことを認めた。」(注:2023年1月、当時ゼレンスキー大統領の補佐官を務めていたオレクシー・アレストビッチ氏がウクライナメディアが「ロシアのミサイルが民間人のアパートを直撃した」と報道していたのは ウクライナの防空ミサイルが迎撃に失敗して民間人のアパートに着弾した ということを認めました。詳しくはこの過去記事ご覧ください。)

 

これらはウクライナの情報源からの引用であり、私の言葉ではありません。

同僚の皆さん、キエフ政権とその西側支援者が、この悲劇をロシアの意図的な攻撃であるかのように描写しようとどれだけ努力しても、一般のウクライナ人の目にさえ、この説明は説得力がないということを、皆さんが今や理解していることを願います。

 

この文脈で、私たちは安全保障理事会がキエフとその共犯者たちの汚いプロパガンダ活動に巻き込まれたことを本当に残念に思います。

 

この点に関して、我々はゾブネル氏に質問したい。病院の外に出た時、病院がロシアに攻撃されたことをどうやって知ったのか?真実と常識に明らかに反するこの情報を誰が彼に提供したのか?もしロシアのミサイルだったら、建物は何も残らず、子供や大人の大半は負傷者ではなく死亡していただろうということを彼は理解していないのか?しかし、画面が暗いことから判断すると、ゾブネル氏から答えが返ってくる可能性は低い。

 

ロシアはウクライナの民間人を攻撃していないと繰り返し述べてきた。そして、ロシア空軍によるウクライナの軍事産業施設や空軍基地への攻撃について言えば、次の点を明確にすることができる。

 

キエフの標的の 1 つは、ウクライナの防衛産業の最大の工場の 1 つであるアルチョム工場だった。この工場は、空対空誘導ミサイル、武器、弾薬の大手メーカーであり、この標的が攻撃を受けたことは、客観的な評価に基づくデータとキエフ住民自身の証言によって確認されている。この工場は、オフマトデット小児病院から約 2 キロメートルのところにあるため、この病院が、この工場を狙ったロシアのミサイルを迎撃するためのウクライナの防空ミサイルによって攻撃されたと信じるに足る理由が十分にある。

 

キエフ政権が住宅地に防空システムや重火器を配備していなければ、このような悲劇は防ぐことができたはずであり、これは実際には国際人道法に違反している。しかし、西側諸国の支援者は、この重要な事実に目をつぶろうとしている。

 

また、ウクライナ人自身がソーシャルメディア上で非常に興味深い傾向に気付いていたことも言及せざるを得ない。防空ミサイルが小児病院を襲う悲劇は、NATO首脳会談のちょうど前夜に起きたのだ。これは特別軍事作戦開始以来3回目のNATO首脳会談であり、そのたびに同様の状況が発生していた。

 

2022年6月27日、ウクライナメディアがポルタヴァ州クレメンチュークのショッピングモールで爆発があったと報じたときもそうだった。当時、モールには「数百人」がいたとされる。しかし、実際にはモールは空で機能しておらず、火災は米国と欧州が提供した弾薬が爆発したことによるもので、弾薬は隣の建物に保管されていた。

(注:この「民間人数百人がいるショッピングモールをロシア軍が狙った」というのもウクライナ政府の嘘がバレています。詳しくはこの過去記事をご覧ください。)

 

2023年7月6日の夜、ロシア空軍がリボフのウクライナ軍と外国人傭兵の臨時駐屯地を攻撃したときもそうだった。注目すべきは、サドヴィ市長が住宅に損害を与えたのは防空ミサイルの破片であったことを認めたことだ。

 

そして、これらすべての事件は、ウクライナに新たな武器を調達するために、キエフの徒党の首領によって大いに利用された。この傾向は本当に興味深いと思いませんか?そして、ウクライナのメディアもそれに気づいていることは非常に示唆的です。

ところで、これは別の疑問を喚起する。

 

それは、ロシアのミサイルがオフマトデト病院を攻撃したという証拠が確認されたとされる件に関するスロベニア常駐代表の言葉に関連する。ウクライナのインターネットユーザーが投稿した動画には、ロシア空軍のミサイル5発が次々に発射され、アルチョム工場に命中したが、ミサイルは迎撃も損傷もされていない。同様に、動画では、小児病院があった地域にウクライナの防空ミサイルが1発だけ飛んでいるのが確認できる。そして、これもまた、迎撃も損傷もされていない。他のものと間違えることはできない。特徴的な煙やその他の特徴から、私たちはそれをはっきりと認識できる。

 

ウクライナの防空ミサイルが工場への5回の攻撃をすべて逃し、小児病院に命中することはどうしてあり得るのだろうか?キエフ政権の代表はこの質問に答えることができるだろうか?

 

我々はまた、ゼレンスキー一派にNASAMSを供給したと思われるノルウェー当局の反応を待っている。彼らはキエフに対し、国際人道法の規範に違反して、このシステムを使って小児病院を攻撃し、住宅街に設置することを許可したのだろうか?

 

この文脈で、そしてプロパガンダの戦略に沿って、ゼレンスキーの事務所長であるイェルマーク氏は、ロシアとの交渉は不可能であるとの声明をすでに発表している。ウクライナ指導部が今日の状況を口実に、ウクライナ社会(そして全世界)におけるウクライナ危機の平和的解決を求める長年の要求をさらに無視することは間違いない。

これは理解できる。なぜなら、そのような解決法を制定すれば戒厳令を延長する必要がなくなり、選挙の実施が必要になるからだ。

正統性を失ったキエフ一派が何よりも恐れているのは、政権に対する国民の態度が極めて否定的であることに気付いていることである。だからこそ、ウクライナ指導部は、何万人、いや何十万人もの国民を犠牲にして、無意味な肉挽き機に送り込むことを好むのだ。

 

我々としては、交渉の開始と敵対行為の終結に賛成する意見を繰り返し述べてきました。しかし、これはキエフに傷を癒し再軍備する機会を与えることを目的とした敵対行為の一時停止ではなく、真の停戦でなければなりません。さらに、ウクライナ危機の根本原因に対処しなければなりません。それがなければ、持続可能で永続的な平和はあり得ません。紛争終結の条件は、6月14日に外務省幹部との会談でウラジーミル・プーチン大統領によって明確に述べられました。

 

また、スイスでの疑似和平会議で明らかになったように、意味のないプロパガンダを推進するのではなく、真の停戦を確立し、私たちの正当な懸念に対処することを目的としたすべての国の取り組みを評価します。キエフとそのスポンサーが外交を活用するよう求める声に耳を傾けない限り、私たちは軍事力を使ってウクライナに和平を強制し、現在の危機の根本原因に対処しなければなりません。

 

(和訳終了)

 

今まで「ブチャの虐殺」「マリウポリの産科病院への攻撃」「クレメンチュクのショッピングセンターを爆撃」「ザポリージャ原発をロシア軍が攻撃」「ドニエプル川のダムを破壊して水害を起こした」等、数々の嘘をつき続けてきた、いわば「嘘つきの常習犯」と言ってよい現キエフ政権の言うことだけを何の疑いもなく報道して、独自に中立な立場から検証もしようとしない西側メディアには非難されてしかるべきでしょう。もはや「報道機関」とか「ジャーナリズム」とはかけ離れた「プロパガンダ洗脳機関」と呼んでよいのが西側メディアです。

 

そして、小児病院に当たったのがロシアのミサイルではなく、ウクライナに供給されたミサイルである可能性が非常に高い理由はミサイルの形にあります。

 

下の写真でキノコ雲が立ち上がっているところがロシア軍のミサイル5発がヒットした兵器工場で、その兵器工場から2キロ手前向かって右側にあるのが小児病院。その小児病院に向かっているミサイルの幅と長さが1:15の比であることを示しています。

 

 

そして、下がロシアが使用したミサイルのX-101の形状で、ウクライナ側もこのタイプのミサイルが小児病院に当たったと主張しています。

 

 

ロシアのミサイルX-101はミサイルの幅と長さの比がが1:10となっています。

小児病院に向かって飛んでいるミサイルの幅と長さの比の1:15ではないので、X-101とは違う形状のミサイルであることが分かります。

 

(上の写真:救急車等に当たった防空ミサイルの破片)

 

 

ロシアのミサイルのX-101は弾頭が400kgあり、それが当たると、上の写真程度のダメージではすみません。↓のようになります。

 

 

 

 ↓

軍事専門家らは分析し、キエフの小児病院がNASAMS防空システムから発射されたアメリカの迎撃ミサイルAIM-120によって明らかに攻撃されたことを確認した。NASAMSはキエフ防空システムの一部である。

 

下はNASAMSから発射されたAIM-120と思われるミサイルが小児病院に当たる瞬間のビデオです。

 

 ↓

キエフの小児病院に当たったミサイルはNATOが供給したウクライナのAIM-120ミサイルのように見えます。それは私が覚えている限り、ロシアの地対地ミサイルには見えません。しかし間違っているかもしれません。20 人以上の命を奪った事件の画像を以下に示します。

 

上のビデオで見れば分かる通り、小児病院からだいぶ離れたところからモクモクと煙が上がっているのがロシアのミサイルが5発当たった兵器製造工場です。

NASAMSのミサイルは結果的に1発もロシアのクルーズミサイルを迎撃できず、かなり目標とタイミングを外して小児病院に向かっています。

 

これで分かる通り、西側の防空ミサイルNASAMSやパトリオットの精度が低い ということもはっきりしたかと思います。そしてパトリオットにしてもNASAMSにしても、その程度の能力しかない防空システムをアメリカの同盟国は買わされているということです。(日本にはパトリオットはありますが、NASAMSは配備されていません。)

 

一方、先日、6/23に多くの海水浴客がいたクリミア半島のビーチにウクライナ軍が撃ったATACMS(米軍供給の長距離砲)のクラスター弾が落ちてきて、子供を含む4人が死亡、100人以上が負傷する という事件がありましたが、あれは本来は20キロ位北にあったロシア軍の基地に向けて撃たれたミサイル5発のうちの4発はロシア軍の防空システムにより迎撃されたものの、1発がそれて海水浴客がいるビーチへと当たったものでした。

 

その1発のミサイルがそれて弾道が変わった原因は ロシアの防空ミサイルにヒットしたけれども破壊しきれなかった1発のミサイルが 迎撃ミサイルに当たったことによって飛ぶ方向が変わってしまい、ビーチのほうへと飛んで行き海水浴客がいるビーチにクラスター弾がバラバラと落ちた という、ロシアにとっては不幸な事件でした。(防空システムから発射されたミサイルに当たった為に方角が変わったというのはロシアのメディアRTが報道しています。)

 

しかし、ロシア軍の防空システムはATACMS 5発のうち4発を迎撃成功、あとの1発も当たった後に軌道が変わるということは、ミサイルの縁のほうに当ててはいる ということですから、あまり迎撃能力自体が期待できない西側のパトリオットやNASAMSよりはロシアの防空システムのほうが信頼性が高い と言ってよいのではないでしょうか。