特急ひたちは日立駅で後続の特級に乗り換えた後、そのまま常磐線で仙台まで行った。
仙台名物の第一位は牛タンだろう。
牛タン定食を初めて食べたのは今から30年位前で、その頃から勃興しそうになっていた、どこなのチェーン店の支店だろう。
確か仙台駅前に近いところだった。
変わった食感だと思ったが、それ以上は何も思わなかった。
実は牛タンにはその後不幸な時代があった。2003年ごろアメリカで見つかったBSEすなわち狂牛病である。仙台の牛タンはほとんどをアメリカから輸入している。
同じく牛丼の吉野家もピンチになり、牛丼を豚丼に切り替えたりしていた。
この騒動がおさまった後、仙台の牛タン定食は一つレベルを上げたように思えた。
肉の厚さが目立つようになり、味付けもよくなった。
仙台へ行ったときの締めは、どこかの牛タン屋に行かないと締めが付かないような気持であった。
今回仙台の駅の中には牛タン店がたくさんあり、その一つには行ってみた。
ここは有名なチェーン店である。
まず驚いたのは値段が高くなっていた。
以前は普通の定食で1500円くらいだったような気がする。
一人前で2000円以上とはこれは高い。
確かに一般のスーパーでのアメリカからの輸入牛肉は少しは上がっているが、それほどではない。
自分は穀物飼育のアンガス赤身肉などが脂っぽくて大好きである。
牛タンも同じ牛の舌なので、元の材料がそんなに上がっているとは思えない。
この値段はこの有名店の店だけではなく、仙台駅中のどこの店でも同じだった。
牛タン定食に2000円は高すぎる。
一回食べれば経験としてもういいやという感じである。
牛タン定食の見かけは依然と全く同じである。
牛テールスープも同じようについている。
この牛テールもスーパー(メガドンキホーテ、ジャパンミートなど)の焼き肉材料売り場に売っているがこれも非常に値段が高い。
先日業務スーパーでたまたま牛骨が売っていて、これはかなり安かったので、買ってスープ(牛骨スープ)にしたがこれは非常に良かった。
これで鳥取牛骨ラーメンや中国の蘭州牛肉麺ができる。
以前といったのはこの間コロナ禍を経ている。
この耐乏の3年間はどの飲食店も同じである。
これを見れば牛タン定食も復活を遂げたのが分かる。
しかし気が付いたことは、仙台牛タンといえば肉厚なのが有名であった。
東京の牛タンとは比べ物にならないほど肉厚であり、食感もしっかりとしていた。
だがこれは少し薄い。
他の店がどうなのかはわからないが、大体こうした郷土料理的なものはどの店も同じようなものが出されることが多い。
業界で意図してそうしているのか、素材が限定されているものはいつの間にか同じようなものに収斂していくのかはそれはわからない。
以前感じた厚いが、何となくそうでもないと感じた。
ただここで感じたのは仙台の牛タンはもういいやということであった。
そして問題はやはり値段である。
前のように1300円、1400円くらいならそうは思わないだろう。