岩手県三陸海岸沿い地域の名物である磯ラーメンは昨年の4月に宮古市の北にあり吉里吉里共和国の地である山田町で食べたことがある。
国道沿いに急に見かけた中華食堂『くいしん坊』であった。
なおケンミンSHOWには2018年に一回出ているそうである。
これの何がよかったかというとトッピングされた新鮮な魚介であった。
ラーメンの汁の温度で少し茹でたような状態になっている地元産の魚介類は絶品であった。
ラーメン自体は普通の塩味ラーメン。
岩手県に来たのならもう一度これを食べたいのだが、盛岡より三陸海岸地帯まで行かなければならない。
これはいくらフリーパスを持っていたとしても、時間的に無理だ。ぴょんぴょん舎で盛岡冷麺を食べた後、盛岡駅の駅舎内にどんな店があるのかと探していたら、レストラン街の和食店で急に子の磯ラーメンのメニューを見かけた。
数ある和食の中に磯ラーメンがあった。
今回盛岡に行く前にガイドブックで調べていたら磯ラーメンは居酒屋などで出されているということを知った。
ラーメン店にはない。
多分ラーメンそのものと磯物のトッピングとではジャンルが違うからではないかと思う。
ラーメン店や中華店が新鮮な磯物を仕入れるのは大変だが、和食店や居酒屋がラーメンを作るのはたやすい。
でも盛岡でも人気はあるようだ。
店の中のメニューには三陸海鮮冷麺といういいとこどりの創作品もあるようだ。
出てきた磯ラーメンは昨年の山田町のものとほぼ同じ。
磯ラーメンは商標権を得ているという話なので、ある程度の定義的なものはあるのかもしれない。
ホタテにあさり(はまぐり)、エビ、かに、イカなどいわゆる海の幸だ。
其れに海草がある。
ワカメが中心だが、赤いものはふのりか。
トッピングの魚介類は相変わらず新鮮でコリコリとしていた。
しかしラーメンそのものはここはラーメン店ではないので、特に変わった印象はない。
だが食べ進んでいくうちにスープがだんだんとぬるぬるとしてきた。
それは多分ふのりから出される粘性の分泌物のせいだ。
この地方の人が好むあかもく(ぎばさ)までは入ってなかったと思うが、少しのふのりから抽出される粘性物の効力はたいしたものだ。
新潟県ではこれを蕎麦に刷り込んでへぎそばとしている。
新幹線に乗る前にこの磯ラーメンの店を見つけたことはラッキーであった。
前にも書いたが、県庁所在地の駅内のレストランにはその県の名物料理の店がたいていそろっている。
規模の大きい札幌駅、仙台駅、名古屋駅、博多駅にはおそらく全部ある。





