JR東日本全線パスを使用した今回の旅行。
1日目は青森県に行った後、6時ごろの『はやて』に乗り、9時前には大宮、そして10時までに自宅に着いた。
夜間の走行のため外の景色は見えないが、時速300キロ近いスピードはそれなりの爽快感があり、また揺れも少ないので、すぐに寝てしまうことが多い。
大宮までの時間はそう長いとは感じない。
さて二日目は今度は途中の仙台へ行くことにした。
仙台までは大宮からわずか1時間10分。
通勤ができそうなところである。
自宅からでも2時間以下で行ける。
仙台は好きな町である。
駅前は近代化され、雑多感のないすっきりとしたビル群。
また郊外には低い丘陵地帯に立つ新しい住宅群。
どこか西洋的な風景を見出す。
ところで今回の仙台での目的の第一は『そばの神田』。
これも最近のケンミンSHOWで紹介されたのだ。
そばと仙台とを直接結び付ける伝統的なはないが、大都市なのでそばチェーンの一つや二つはあるだろう。
ただここが大人気だということなので、今回行ってみたかった。
実は今年の3月に車で行ったときに『そばの神田 多賀城店』にチャレンジしている。
しかしその時、ここの駐車場で後ろポケットに入れていた財布ばないことに気が付き、ここはおろか旅全体をあきらめ、その日のうちに東北自動車道を飛ばして、自宅まで帰り着いたことがあった。
財布は翌日明るくなったところで探したら、車の中の座席の下から出てきた。
ここはそういう因縁の場所である。
仙台駅前のコンコースから地上に降りたら何とすぐのところに『そばの神田』の店があった。
普通の立ち食いそば店だ。
自分は普段はよく秋葉原のヨドバシカメラの入り口の真向かいにある『箱根そば』店によく行く、ここのかき揚げそばをいつも注文している。
甘いたれとかき揚げがが好きだからである。
近くに『富士そば』もあるがここは出汁が濃くてあまり好まない。
ケンミンSHOWによればそばの神田は仙台では大人気だということである。
値段も安そうだ。
ここが九州枕崎産のかつお節を使っていることを第一の宣伝文句にあげていることは分かる。
仙台から枕崎は遠く離れ、多分だいぶ異質の地だろう。
遠方の手の届かないところのものには、なぜか憧れとロマンを感じ自分の心に中でそのイメージを勝手に盛ってしまう。
本州の人間が食品に北海道とつけば、何やらおいしそうだと感じてしまう。
それと同じだ。
ここでは塩釜産や石巻産かつお節とするよりよほど効果的である。
客の数も多いせいか、従業員はてきぱきと働いている。
注文したメニューはもちろんかき揚げそば。
自分でもこれは定番だ。
どこでもそうだ。
かき揚げはそのまま崩して食べても、つゆに使って柔らかくして食べてもどちらもおいしい。
でもこれは全体を一目見ただけでも、それぞれの控えめな色合いの色調に何となく統一感があって、若干高級そうなイメージを感じる。
このまま崩してもよいものだろうかと思う。
拡大されたそばの麺の中には何やら黒い粉が練りこまれている。
これが看板にも書いてあったくるみを潰したものだろうか。
埼玉県秩父地方の地蕎麦にもクルミが練りこまれており、これは非常においしかった。
クルミの煉りこみは多分信州そばにもあるだろう。
しかしこれでどこがどうよくなるかは分からない。
でも感じの良いそばであることには間違いない。
汁は甘く、のど越しが良い。
色が薄く、醤油感があまりなく、出汁感が出ているのが良い。
正直今まで自分が食べた立ち食いそばの中では一番おいしいと思った。
仙台で人気があるのも納得できる。
もう一杯別のものを行こう。だがこれはやめておいた方が良い。
食べ放題を同じで、食べすぎには食感はすでに破壊され、膨満感と後悔の念しか残らない。
ここにはいつでも行けるので次の機会にしようと思った。







