天童から仙台までの国道48号線は県境の関山峠を過ぎると下り坂に入り、すぐの所に仙台の奥座敷である作並温泉がある。
しかし今回の目的地はもう一つの奥座敷である秋保温泉にあるスーパー『さいち』。
ここには2年前にも行ったことがある。
そこで買ったのはこの『さいち』の自社製おはぎ。
秋保のおはぎとして地元仙台では有名だ。
この時は閉店前の夕方だったせいか、おはぎが売れ残り一掃として半濁で売られており、非常にラッキーだった。
しかしもう一つの名物である『さいち』自社製の惣菜は売り切られており、このコーナーの棚は空っぽであった。
この日は6月9日土曜日の午前10時。
スーパーへの買い物客にとっては絶好に時間であるはずだ。
おはぎも惣菜も思うように買える。
前回の惣菜リベンジも果たしたい。
秋保温泉の温泉街のど真ん中にこのスーパーはある。
主婦の店は昔のダイエー、生協を思い起こさせる。
クラシックなスーパーの始まった昭和30年代の雰囲気である。
対面売りではなく、セルフで籠に入れていくという方式が始まった時代だ。
店の入り口には駐車のための誘導員も何人か見かける。
車を駐車位置に誘導するとはよほど盛況なのだろう。
古い作りの建物と入り口の軒下に雑然と置かれた商品。
また軒を支えるつっかい棒など時代を感じさせる。
イオンやイトーヨーカ堂などのショッピングモールとは全く違う懐古趣味にあふれている。
目的のおはぎがやはり第一のおすすめ商品らしい。
それにこの垂れ幕から醸し出されるものは、すでに老舗ブランドだ。
野菜コーナーには客の姿は見えない。
だがその裏隣りにはおはぎコーナーがある。
ここはさすがにごった返していた。
朝早かったせいかおはぎのパックも整然と並んでいる。
客がどんどんと取っていく中で、店員が作られたばかりのおはぎを次々と並べている。
おはぎは店舗の裏の作業場で作られているようだ。
おはぎは2個入りで216円。
ということは1個100円だ。
スーパーでの普通の価格である。
その中で地元名物のずんだ餅も見かけた。
しかしこれはよく見ると製造会社が違うので、ここの自家製ではないようだ。
ここのおはぎにはゴマ入りだとかそのほかに数種類あるが、やはりあんこが一番おいしかったので、実際にはそれしか買わなかった。
2個入りと3個入り。2個入りの一つをさっそく駐車場の車の中で食べた。
この日の朝食である。
このおはぎの特色は何と言っても小豆の餡の部分が厚いということである。
中の餅の部分は意外と小さい。
小豆餡を惜しげもなく使っている。
そのためおはぎを食べているというより甘い小豆を食べているというような感じになり、何か得をしたような気がする。
埼玉県の大手スーパー『ヤオコー』もここから技術導入したおはぎを店頭に並べているが、本物の方が小豆部分が少し多いのではないかと思う。