ショパンワルシャワ空港へはほぼ定刻に着いた。
次は同じポーランド航空でプラハ行の便への乗り換えとなる。
しかし問題なのは乗継までの時間が1時間もないことである。
正直、こんなに短くて大丈夫なのかとチケットを買う前に思っていた。
普通の場合、飛行機を降りた時に乗客の行く経路は二つに分かれる。それは入国かtransfer(乗り換え)である。
目的地はプラハだなので、今回はtransferである。
さて考えた。審査の並ぶ列が違うのである。
今回の場合どちらだろう。
というのもポーランドもチェコも国民の自由往来を謳うシェンゲン協定加盟国である。
ここでは入国なのか或いは単純な乗り換えかどちらだろう。
ゲートの所で困っている個人客も多いようであった。
その中の誰かが、行く国が違うので、ここではtransferだと言った。
自信ありげだったので私もそう思って、transferの方に並んだ。
そうしたら近くにいたポーランド人が日本語であなた方はここで入国だと言った。
日本に住んでいる人らしく、これは確信に近い言い方だった。
私はこれをtransferに並んでいる人々にここではないようですよと告げた。
そして念ため空港職員の制服を着た人に列はどちらかということと、乗り換えに時間がありませんと言った所、私についてきなさいということで列の最先頭での割り込みを許可してくれた。
世界の大空港ではこうした人たちのための特別なゲートを備えている所もあるが、ここでは割り込みだった。
日本人パスポート保持者のシェンゲン協定加盟国への入国はすぐに終わる。
10秒くらいしかかからなかった。
やはりここで入国手続きで、プラハ行の便は国内便の扱いを受けるようだ。
この間は30分くらいで普通に間に合った。
プラハまでの便は小型機のブラジル製エンブラエル機であった。
エアバス320やボーイング737よりさらに小さい乗客定数100人以下機である。
この分野では他にカナダのボンバルディア社がある。
今、三菱航空機がMRJを持ってここに割りこもうとしており、機体の初飛行には成功したが、セールスでは苦戦を強いられているようだ。
定刻でワルシャワ空港を離陸して、プラハまでは約1時間である。
遠くにはワルシャワの中心部が見える。
ヨーロッパの都市には樹木で覆われた公園のような所が多い。
プラハまではどこでも同じような景色の田園地帯の上を飛ぶ。
フラップを下げているから、もうすぐに着陸だろう。
チェコもポーランドもあるいはドイツ、フランスも少し郊外に出るとこうした緑の多い田園地帯となる。
ここの緑はさしずめボヘミアの森だろう。



