でも本心では松本の人は長野県という県名を言いたくはないだろう。
この町ほど日本の内陸部で美しい風景を楽しむことができるところはないだろう。
ここは一目見た瞬間おやっと思わせる。
それは日本人が普段見慣れている木々の緑に覆われた、低い山並みの景色と比べ明らかに違うのだ。
西側には山頂付近に白い雪を残し、連綿と続く北アルプスの山並み、東側には高原地帯の美ヶ原。
その間に南北に長く緑が多く、しばしの安らぎの空間であるかのような盆地。
信州とか信濃路という言葉で表現される地名は多分松本のことを指しているのではないかという気がする。
さて松本地方の地産品は何か。
一番に挙げられるのはワインだろう。
南部塩尻市周辺にはブドウの果樹園が多く、国内でも有数のワイン生産地帯となって入る。
井筒ワイン、アルプスワイン、五一ワインなどのメーカーがこれにあたる。
これらは東京でも広く売られているので、そんなに珍しいというわけではない。
私は特にアルプスワインのマスカット白ワインが好みでよく買って飲んでいる。
今回はワイン以外のものを探してみた。
いろいろと沢山あるが、やはり全国的にも有名なものは安曇野わさび。
わさびは非常に珍しいが、数多くの香辛料の中でも日本原産のものだ。
最近は寿司に使われているので、外国人は多少慣れてきたかとは思うが、本来外国では使われていないものである。
スーパーにも当然のごとく地元産わさびは置いてある。
普段よく使うハウスやヱスビー製のものは地元産の材料とは限らないので、買うときにはっはっきりと安曇野産と明記されているものを買わなければいけない。
松本で売っているからといっても地元の材料とは限らない。
輸入品などの場合もある。
いつも言っているが、国内の地産品は高級品の部類に入る。
従って値段は高い。
大手メーカー製の物に比べて2,3倍はする。
また様々なわさびを使用した関連商品もある。
地元のものは絶対に安曇野と書いてある。
何故ならそれがブランドだからである。
しかし両者ともまだ食べてはいない。
わさびを使うような料理をあまりしないからだ。
しかし安曇野の大王わさび農園で試食した生わさびはこれがほんとうにわさびなのかと思うほど、マイルドであの特有な鼻を衝く刺激的な口当たりがなく甘さもあり、まるでスイーツではないかと思うほどおいしかった。
でも生わさびは買って帰っても使いようがないので買わなかった。
今回スーパーの自家製総菜売り場でおやっと思ったもの。
何かのから揚げだが、中身がわからなかった。
揚げっぱなしで仕上げ的な整形などもなく、グロテスクな外観。
からの中身は何だろう。
まずは松本なので魚のはずはない。
大型の青物魚をあげるとこんな形になることがある。
野菜にしては中身からにじみ出るボリューム感、質感を感じこれも違うのではないか。
豚肉なら整った形になるはず。
よくわからないまま買って食べたら、中身は鶏肉だった。
要するに鶏のから揚げ。
これは後で行った別のスーパーで撮ったものだが、『山賊焼き』と書いてあり、松本、塩尻地方の名物のようだ。
ロースとんかつや普通のから揚げと同じようなスペースで置いてあった。
地元でかなり食べられているのだろう。
専用のたれもあった。
いかにもB級グルメ選手権やケンミンショウに出そうなものである。
この種のたれやソースは今までだいぶたまった。
ストックを見てみるとJA富良野厳選野菜ソース、駒ケ根カツ丼ソース、会津カツ丼ソース、オタフク広島焼きソース、大阪大黒屋激辛ソース、大阪オリバータコ焼きソース、その他各地の焼きそばソース多数。
たれも北海道十勝豚丼のタレ、ベル食品焼肉のたれ、同じくザンギ名人、山形芋煮のたれ、津山ホルモンうどんのたれ、大阪金龍焼肉のたれ、青森スタミナ源などこれもその他多数ある。
タイのカオマンガイのたれまである。
醤油やだし汁も同じようにある。
地方の名物グルメグランプリ出場料理には必ずそのタレやソース、味付け材料が地元スーパーには売っている。
一応買わないことには収まりがつかないので1本だけ買うが、普段そんなに使うものではない。
本数だけが増えていく。






