ここしばらく良い天気が続いています。

 来週からは寒くなり天候もよろしくないとのことで、慌ててやり残した大掃除または衣替え的な洗濯をやっているものの、追いつかない…。

 陽の力がね。

 やはり10月とは違うのですよね。

 昼間でもどこかじんわりとした日差しで、三時くらいにはもう力がなくなってしまう。

 だからこそ紅葉も進むのでしょうけれど、何やら寂しさを感じます。

 それでも今月のはじめに最寄りの神社で花の写真を撮っていたら蚊に襲われたのですけどね。

 秋ってこんなんだったかな?と、首をかしげるけれど、そもそも私の脳みそのキャパは猫の額より小さい。

 

 ともあれ、せっかくの秋です。

 満喫しないと…。

 

 と、いうわけで恒例の紅玉の甘煮。

 

 

 皮ごと大雑把に刻んでレモン汁と砂糖で煮るだけなので、これだけは欠かせない。

 

 我が家はデザート代わりに夜ヨーグルトを食べるので、甘味としてちょっと載せます。

 ちなみに、キウィ、レーズン、かぼちゃの種、プレーンヨーグルト、黄な粉、なにかジャム的なものを全部ちょっとずつ合わせて小さな器で頂きますが、その器ギリギリ限界まで挑戦してしまうのはなぜなのだろう…。

 

 話がそれましたが、紅玉は皮を一緒に煮るとこうやって桜貝色に着色します。

 今回はちょっと色味薄目。

 この色を愛でたくて、いつからかわざと皮ごと煮ることになりました。

 私がきちんと検証しないので理由はわかりませんが、もっと濃く色づくときとこの程度の時と、毎回作るたび違います。

 砂糖の量なのか、レモン汁なのか。

 本当に適当で、途中で味を見て砂糖を足すという禁じ手で作るので・・・。

 

 そういえば紅玉りんごそのものも色が桜の紅葉を連想させられて、好きな点の一つです。

 秋らしい色ですよね。

 

 

 子どものころ、和裁を得意とした祖母が一時期呉服屋で働いていたことがあり、その縁で色々着物をあつらえてもらっていました。

 ちょうど従妹たちが三人いることもあり、私を含めた孫四人で着まわすためもありましたが、紅葉を見ると秋の着物をよく思い出します。

 ウール素材で橙色の紅葉を象った着物と、緑のもみじ柄の絹の着物。

 ようは七五三のためだったのでしょうね。

 一番下の従妹と四つ離れていたので、私が七歳従妹が三歳の時に一緒に護国神社で着物を着つけてもらって七五三をした写真が記憶にあります。

 子ども用の着物って、長く着られるように袖とお腹が折り曲げて縫い付けてあり、そこがまたアクセントになってかわいいのですよね。

 ところで祖母は二十歳前に母たちを産んだため、よくよく考えたらおそらく五十歳にならないのに孫たちの着物を縫っていたのだなと最近になってようやく気付きました。

 幼かった私にとっては「おばあちゃん」でしたが、今ならそう呼ばれる歳でもなかったですね。

 孫たちの中で一番近くに住んでいたのだから、もっと会いに行けばよかった、もっと話を聞けばよかったと、紅葉を見るたびに思います。

 お茶もお花も書道も。

 祖母は認知症を患っていてもそれら感覚だけは不思議なことに確かだった。

 思い出すたびに、後悔の念がひたりひたりと深まります。

 

 

 怠け者の私と違って、時間を大切に使っていた祖母。

 仕事をして、家事をして、誰かのために常にこまごまと働いていた姿ばかり思い浮かぶ。

 彼女を見習って、明日こそは…。

 明日こそは、茶の一服くらい点ててみようかと…思います。

 

 しかし正直なところ、ずっとご無沙汰なので盆手前すらもうわからない。

 足の運び方ももうおぼろげかな。

 いや、そもそも畳で正座できるのか私。

 

 ああ、わが灰色の脳細胞よ。

 そして、怠惰な筋肉よ。