2024年早春の館山1日目:「永遠の図書室」
今回は友達と3人で、宿泊先「夕日海岸 昇鶴」を予約しただけで、温泉に入って富士山と夕日を見る以外はノープランで出かけました。
一日目はあいにくの雨で、急遽レンタカーで動くことに。
ランチはお寿司を食べそこね、冨浦の道の駅「枇杷倶楽部」で枇杷カレーを食べ、先ずは、館山市立博物館へ。
見学者は他にいないと高を括っていたのか、いつもの大きな声が響いたのか、
見学者に「静かに!」と制されて、小さくなって、そこそこと博物館を退散。
雨も降っているから宿に入ろうと走っていたら、「永遠の図書室」なる看板を発見。
時間もあるので、引き返して見せていただきました。
「永遠の図書室」は、近代史や戦争関連の図書や史料などの収集・保管・公開を行う民営の戦争関連図書館で,
現在のスタッフさんが出迎えてくれました。
この3階建ての建物、元は薬局だったそうです。
故人がなくなり、現在の所有者が建物を購入し、当初はコワーキングスペースにする予定だったとのこと。
ところが、故人所有の膨大な数の戦争・近代史関連の書籍や生の声が記された手記、資料など3000ほど発見され、「これは処分するのではなく広く公開すべき」となり、整理して1階を一般公開したのだそうです。
故人は陸軍士官学校卒の方で、とても几帳面でメモ魔だったと推察されます。故人の所蔵はもとより
そのうち、いろいろな方が持ち込むようになり、博物館のような体裁の場所も。
本人の手記の一部。
陸軍に限らず海軍の資料なども充実して、現在は4000冊ほどの所蔵があるそうです。
この場所が開館されたときから常連という若い方が、手を接触せずに空間中の手の位置によって音量や音の高さを調整するテルミン楽器の使い方を教えてくれました。彼女にとって、この場所はサードプレイスになっていました。
この装置、なんだかわかりますか?
途中から、初代スタッフのHさんも来られ、秘密の小部屋や薬局の裏側や開かずの金庫なども案内してくれました。
ちなみに、2階はシェアハウスになっています。
木戸のような秘密の扉の先は、秘密のお部屋。
ぎっしりと年代順に細かく整理されていて、このまま企画イベントに使えそうな資料でした。
今、読んでいる『下山事件』にも出てくる三鷹事件の記事も。
これだけ整理された所蔵、九段下の昭和館や国立国会図書館などとうまく連携とることはできないのかなあと思ったり。
極めつけは、Hさんが作成したカテゴリ別の目録です。
索引が欲しいところですが、
単なるスタッフさんが、頼まれたわけでもなく、司書でもないのに、本当に頑張ったと思います。
Hさんの本への愛着や、この空間への想いが伝わってきました。
そんなHさんは、今は体調を壊してお休みし、現在は就職活動中とのこと。
また新しいご縁があることを願っています。
雨でどこへも行けず、とび込みで伺った図書室でしたが、充実した時間を過ごすことが出来ました。
「永遠の図書室」の皆さん、お世話になりました。
気になった方へ
今は日曜日だけ開館しているとのことなので、伺う際は必ず電話で確認ください。
ということで、
夕日は見れませんでしたが、美味しい料理とお酒と温泉とおしゃべりを堪能し、充実の1日が終わりました。
追伸
ウェブサイトで目録データ見られるとの話でしたが、カーリルの学校支援プログラムを使っているようです。
https://private.calil.jp/gk-2003180-r6dek/