長男(小2・好きな教科は体育)に突然


「ねえ、ママのいちばん好きな人って

パパだよね」


と聞かれたというより、確認された。


「うん……(ナニソレ)」


と答えながら、

ジョニー・デップが突然迎えに来たら?

それでも本当にいちばん好きと言えるだろうか。

そもそも、好きという感情は一秒ごとに変化し・・・


などと、

また


そんなこと子どもに言わなくていいの!


と、実母に怒られそうなことを考えている。

言ってないよ、思ってるだけだよ!


すごく堂々と

「ええ、ママはパパが世界でいちばん大好きよ」

などと宣言するのも、

まるで不倫してるオヤジのよう(偏見?)で

そんなしらじらしいことできない。


あだち充で(間違った)恋愛観、

手塚治虫で人生観を養いつつある長男、

最近大人びて、いろいろわかってるお年頃だ。


「なんでそんなこと聞くの?」

と訊ねると


「なんでもない」


あやしい。


まるで浮気を疑われたかのような空気だ。

「ラッキーセブン」観たときは、まだ

「浮気ってなに?」って言ってたのに!


夜、布団の中で再度聞くと

(長男はたびたび、就寝後に布団で告白を始める)


何か、そういう浮気現場を追跡、とか、乗り込むシーンのある

テレビ番組を観たらしい。(留守番中に観てしまったようだ)


「男の人が浮気したの?」

「ううん、女の人」


なんて番組だ。それで心配になったのか。


「昼間会社行って、夜は家でご飯作って、

浮気する暇があるわけないじゃん」


眠いので、また実母に怒られそうな返答をしている。

編集者はこれで納得するのに

「会社休めばできるじゃん」

おお、鋭いな。


浮気なんてしないよ!

と言ってあげればいいのはわかっちゃいるけど

「浮気をしたことがない人」はいても

「浮気しない人」は存在しない、死ぬ時までわかんないわ

というのがわたしの持論なので

(でも、夫は絶対浮気しないって信じてる!)


「そもそも、

配偶者がいちばん好き=浮気しない

ということではない。

浮気相手のほうが好きだったら、本気じゃん」


とか、わけのわからないことを言ってる間に

息子は寝てしまった。

もやもやした気持ちが残る。


わたしの母親だったら、

「そんなテレビは嘘で、浮気をする人なんかいない」

とか、

「くだらない番組観るんじゃないの」

くらいで話を終わらせただろう。


そういう母親に育てられたことに不満はない。

そうじゃないことは、親以外が教えてくれるから。

(母が「カマトト」であることは、父が教えてくれた)


まあ、ともかく

子どもの不安を取り除くのは母の務めなので

心にもないことは言わないよう

(嘘つくと長男には絶対バレるんだもん)

全力でがんばろう・・・ナゼそんなことに・・・。


翌朝、起きてきた長男の両手を握って


「ママはパパが大好きだから、

浮気なんかしないから、心配しないで!」


と言ってみたが、

うん、とか、ふんとか言って


「ドラえもん算数おもしろ攻略

 図形がわかる」(小学館)


を読み始めた。

悩んだあたしの時間を返してくれ……。

そして、昼間のテレビ番組は考えてほしいなぁ。