労働者の権利
中央大学で「パートには有給休暇は出せない」逮捕
「オラオラ!」「おとなしくしろ!」「静かにしてろ!」。「みなさん見てください!」「警察が労働組合活動を弾圧しています!」..........
≪続きを読む≫
(続きはこのまま下に載せました。長いですが後回しにしたいなら色のついている部分がニュース記事ですので、そこを飛ばしてください。)
3月25日、卒業式が行われていた中央大学多摩キャンパス(東京都八王子市)構内は、駆けつけた約30人の警察官の怒号で一時騒然となった。大学構内でビラ配りなどの情宣活動を行っていた労働組合員14人が、建造物侵入の現行犯で逮捕されたのだ。中央大学生協と労組との7年にわたる労働争議のさなかの逮捕だった。
「これは警察権力による労働争議への介入であり、明らかに不当逮捕です」と声をあげるのは、今回逮捕された当事者の一人である吉田比呂子さん(54)。中央大学生協は、中央大学から学食・売店の運営や図書整理などの業務を受託する消費生活協同組合。吉田さんは93年から2005年まで、中大生協のパート職員として図書館に勤務していた。
ことの発端は2000年6月、吉田さんが直属の上司である村山裕和係長に有給休暇の取得を願い出たところ、「パート職員への有給休暇は制度として設けていない」と一蹴されたことから始まった。納得できない吉田さんに対し、村山係長は勤務時間中にも関わらず3時間にわたって「そういうことを言い出さないでくれ。有給休暇の申請などすれば生協が吉田さんを解雇するかもしれない」と説得したという。
しかし、有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利。「制度がない」との言い分が通るはずもない。吉田さんは有給休暇の申請用紙を自作して、休暇を取得した。ところが、翌月の給与明細を確認してみると、休暇は無給扱い。これを受け、労働基準監督署に申告した。
ほどなくして労基署から中大生協へパート職員に有給休暇を与えるようにとの指導が行われた。しかし、中大生協は有給休暇が取得できることをなかなかパート職員に周知しなかったという。それどころか、同じく有給休暇を申請したパート職員に対し、「パートは準従業員。有給休暇制度は規則にない」と説明したうえで「労基署に行かれたら仕方ないから払う。その代わり有給休暇分をボーナス等で取り返す。でもそんなことすると印象が悪くなる。配置換えもできる」と恫喝する始末。自分にも不利益が及ぶかもしれないと危機感を抱いた吉田さんは、個人でも加入できる労働組合に加入、大学構内でのビラ配布や団体交渉要求などを行うようになった。
この頃から職場でのいやがらせが始まったと吉田さんはいう。「仕事上のわからないことを隣の人に質問しただけで『私語はやめろ』と怒鳴られる。みんなと同じように働いているのに私だけが注意され、勤務態度が悪いとののしられた。学内でのビラ配布で不利益を与えた、などを理由に3度の懲戒処分が下され、契約更新時期には勤務日数を著しく減らした契約変更を迫られた。図書館から売店への配置転換命令まで下され、いずれも『嫌なら契約を更新しない』と迫られた」という。
2001年11月、中大生協は吉田さんへの配置転換命令が有効であるとする訴訟を提起し、2005年3月に最高裁で配置転換は有効とされた(ただし、3度の懲戒処分と勤務日数を減らした契約変更は東京都労働委員会で不当労働行為と認められている)。判決確定後、即座に生協から売店勤務を命じた契約書が送られてきたという。吉田さんはこれに署名しなかったため、雇い止め解雇となった。
有給休暇の取得という労働者の当然の権利を求めた吉田さんを、中大生協はどのようにとらえていたか。東京都労働委員会では、中大生協の郷田勝也専務理事の発言が証拠として提出されている。これは、総代会(組合員の代表によって構成される生協の最高意思決定機関)という集会でなされた発言だ。以下、引用する。
「三多摩合同労組(吉田さんの所属する労組)は(中略)これはちょっと荒っぽい、で、ああいう争議行動をして、相手を屈服させて、まあ、解決金と言いますか、解決金を取るという、そういう、いわゆる恐喝のプロ集団という、ま、そんな認識で私どもはおります」
「本人(吉田さんのこと)の性癖というか、性格につきましては、自分がこう思ってしまったこととか、自分が信じてしまったこと、このことだけが事実であり、あるいは真実であって、それを批判したり、少し違うんじゃないかとか、あるいは否定したりするという者に対しては、全て敵である。そういう精神構造の持ち主のようです。確率としては10万人に一人くらいそういう精神構造を持った人がおるというふうなお話は聞いております」
労働組合活動に対する使用者側のこうした誹謗中傷は立派な名誉毀損だ。これらの経緯を確認するため郷田専務理事、村山係長に電話したところ、「話すことはありません」(郷田氏)「こういった電話はお断りしております。今後お電話なさらないでください」(村山氏)と、一方的に電話を切られてしまった。
一方、3月25日の情宣活動を警察に通報した中央大学は「通報はやむを得ない措置だった」としている。今回の逮捕のきっかけとなったのは、この通報だ。中大総務部の藤本義明部長によれば、「大学側は、早く解決して欲しいという思いで当初は争議を見守っていた。だが、昨年の最高裁判決で争議は解決したはず。これ以降の情宣活動には退去勧告書を出してきた。それでも学内での情宣活動が収束しなかったため労組員らに対し立ち入り禁止の仮処分を下した」とのことだ。「吉田さんの労働者としての権利は大切だと思っている。しかし、争議が長期化しているうえに、拡声器の音量が大きくなるなど情宣活動はエスカレートし、退去勧告を出してからは、情宣活動で本学についても攻撃するようになった。これは、大学として看過できない」と藤本さんは言う。
吉田さんら14人は20日の勾留ののち、起訴猶予処分となり釈放されているが、それでも労働争議で14人もの大量逮捕、20日間の長期勾留は異例だ。立ち入り禁止場所に入り、情宣活動を行うなど、労組の活動手法には強引な面もあったかもしれない。とはいえ、逮捕されてしまえば個人の社会生活に計り知れない悪影響が及ぶのは必至だ。しかも、有給休暇を認めず、それに抗議すると懲戒処分を下すという、労働者の権利を無視した中大生協の雇用状況が事の発端なのだ。中大から中大生協へ是正を促すなど別の解決方法もあったのではないか。これについては「大学の委託業者は生協だけに留まらない。生協の労働実態がどのようなものかはわからなかった」(藤本さん)としている。
2002年から2005年まで、中央大学の学長を務めた角田邦重教授に、この事件についてのコメントを求めたところ、「以前からトラブルがあったことは知っているが、大学内の問題で、以前学長を務めていたこともあり微妙な立場なのでコメントは差し控えたい」と言う。なお、角田教授は労働法を専門とし、派遣労働者の人権にも詳しい。
派遣大手のグッドウィルによる使途不明金の給与天引き、キャノンやトヨタグループの偽装請負など、派遣やパートといった非正規雇用者の人権を無視した雇用実態が次々と明らかになっている。ワーキングプアが社会問題化する現在、非正規雇用者の待遇改善を要求したり、問題企業を告発したりと、労働組合活動が果たす役割は大きい。だが、今回の逮捕を受けて「非正規雇用者の権利拡大に労組が及び腰になってしまうのではないか」と危惧する声もある。中央大学が意図したところではないとしても、ビラ配りなどの情宣活動で14人が逮捕されたという前例は、今後の労組活動に重くのしかかる。
事件は3月に起きたものですが、せっかくアメーバニュースで取り上げられましたので今日はこれについて話したいと思います。
労働組合員が今回逮捕されたのは「建造物侵入」という名目ですが、それでも労働者の権利について訴えることを退けられた事実があります。
「有給休暇を与えるかどうか」という労働争議に7年の歳月を費やしても解決されず、警察の介入により労働者の権利を潰されたままで果たしていいのでしょうか。
「しかも、有給休暇を認めず、それに抗議すると懲戒処分を下すという、労働者の権利を無視した中大生協の雇用状況が事の発端なのだ。」と記事でも取り上げられています。
有給休暇は労働基準法において、労働者すべてに認められています。
ですので、有給休暇を認めないのは労働基準法に触れる問題なのです。
そして、このケースでは有給休暇を認めないばかりでなく、有給休暇を労働者が求めるといやがらせや懲戒処分を下すということすらしています。
権利を受けるためには義務が必要とも言われます。
雇用されたら労働者には働く義務があり、それを果たした上で半年勤務したのちに有休という権利をもらえるのです。
それは正社員でも契約社員でも、パート社員でも同じように受け取れる権利です。
パートだから有休を与えないということはできません。
記事を読むと雇用者側の生協は、有休を求めないパートもいるのに…、と権利を求める人のことをおかしいといったニュアンスで対応しています。
ですが、権利を求めていない人が有休を欲しがっていないということではありません。
いざこざを起こして解雇など、不利益を受けたくないから求めていないだけなのです。
それを権利を求めないパートが普通、という感覚を持っていることに疑問を感じます。
パート労働において、その立場におかれる人の不利益は問題です。
この記事のように有休を求めたら雇い止め解雇になったりする例もあれば、実は多くの部分で有休や社会保険、雇用保険を与えないために不利益を受けている例が多いのです。
有休や社会保険、雇用保険を与えたくないので何をするか、と言うと、雇用6ヶ月間近になる前で解雇してしまうことです。だいたい5ヶ月半くらいで辞めさせる手口になります。
例えば、1月のお正月明けの1月4日から勤務開始としたら、6月一杯で解雇。
こうすれば勤務期間は6ヵ月ぴったりになりませんので、有休ももらえなければ、職安に申請しても勤務して6ヵ月経ってないので、ということで雇用保険ももらうことができません。
この事例は今まで多く見てきました。
派遣の労働事情も悪いですが、このような例を多く見ると、派遣の方がマシだと感じる部分すらあります。
もちろん派遣においても記事の最後にあったような使途不明諸費用の天引きや偽装請負など、深刻な問題があります。
人権を認めない働かせ方をし、「イヤなら辞めろ」という態度を取る事業主。
その立場にある人は人を使うことすら人に任せ、ゆっくりした時間に出てきて適当な時間を過ごしているだけで派遣やパートの10倍近くの収入を得ているのです。
若い頃に苦労した創業者にはそのような例を見受けることはあまりありませんが、若い頃に苦労しなかった次世代経営者や公的機関、銀行などからの出向経営者にはどうも人の使い方がわかっていない、そのように感じられます。
ただ、このまま非正規雇用が増え続け、人が人らしく働き、生きていくことが困難になっていく社会に展開していくことに、明るい未来は見えないのではないでしょうか。
昔からの大手企業が成長していた良い時代もありましたが、それが今、非正規雇用や下請けを利用して生き延びている現在に至っています。
それはバブル崩壊の不景気による雇用の抑制、それによって非正規雇用を使うことでコストダウンに成功した結果から来ているものですが。
本当に一緒に働き、その人を育てていけるのは、会社をつくるまでにいろいろな経験を重ね、苦労も失敗も成功も知っている事業主です。
しかし、新しい企業もすべて軌道に乗るわけではなく、大手にはかなわないという現実もあります。
大きなメーカーでは今はもういなくなってしまったかもしれない「物づくりの精神」の持ち主が中小のメーカーにいたりするものですが、その人こそ働く場において、人を育てることができるのではないのでしょうか。
じっくりと育ててもらえれば、それに応えたいと一生懸命働くでしょう。
そうすることにより、事業主にも労働者にもお互いに感謝の気持ちを持つことができ、事業主もずるい使い方をしなくなるのです。というより、その考え方すら思いつかないかもしれません。
「ろくに働かないくせに権利ばかり」などと言う事業主もいますが、
きちんと育てていますか?
安い給料で言われたことだけやっていればいい、なんて思っていませんか?
「パート、派遣なんてそれでいいんだ、育てる必要ない」
そう答えた方、そのような企業はすぐ潰れて下さい(笑)
実は8割くらい本気で言っているのですが。
例えば数年前にとある生命保険会社が倒産しましたが、そのときにそこの社員の何割かがフィナンシャルプランナーとして独立して「物づくりの精神」とは違いますが、「生活設計の精神」の志をもって保険代理店を数十店創業していたらどうなっていたのかな、と何となく感じているのです。
大手企業が倒産すると受け皿として他の大手企業が吸収してしまうのが現状です。
残された社員の力だけではどうにもできず、そのサポートが特にあるわけでもないので、そうなるのは仕方がないのですが。
問題のコムスンも事業譲渡し、今後どうなるかはわかりませんが、経営できない状態になったとき、そこにいたケアマネージャーが「介護の精神」の志をもってそれぞれ独立とかしたら展開が変わっていくのではないのか、と感じるのですが。
でも、実際はワタミなどの大手が受け取って継続になるのでしょうね。
人を使い、育てる立場が大手にあり、中小企業が人を育てる余裕もなく苦しんでいる現状からはなかなか抜けられないものですね…。
人を使う立場が変わらない限り、派遣やパートの人権は見過ごされてしまうのですが。
それから、ニュースでのコメントでは学生が被害に、と言う声もありました。
確かにそうでしょう。大変だったと思います。
ですが、労働者の権利について、パートに対してひどい不利益を得ているという現場を見ることができて、ある意味勉強になったと思いますよ。
「癒しとキャリアの情報」なのに、癒しとは程遠い文章になってしまいました。
↓の画像で許してくださいね…。
参考リンク
三多摩労働組合
中央大学生活協同組合事件(平成13年不第94号事件ほか)命令要旨
関連ブログ