「…いつまでそうしてるつもり?昼休み終わっちゃうよ。」
立ったまま1mmたりとも動かない菊池に声を掛けた。
「えっと…、、、あの…せんせ、、、、、」
…そんな、ほんの一瞬のキスだけで真っ赤になって、、、
恋愛面大丈夫?
俺は心配だよ。
「…なんか、夢を見てるみたいでした。先生の声が、脳にじわじわ侵食してきて、、フワフワして、、、瞳に、吸い込まれそうで…。」
「…そんな真面目な感想いらないよ。恥ずかしい。」
「先生ってもしかして、、、ベッドの上では性格変わるタイプですか。」
「…なに急に。」
「だって今の先生、すっごい魅惑的で、まるで別人でしたよ。」
「、、、はいはい。
ほら、もうこれで俺に対して変なこと言ったらダメだからね?」
「…はぁい。」
1秒にも満たないキスだとしても、翔くんに伝わったら大変なことになるだろう。
1秒未満のキスって、、、浮気行為に当たるのだろうか。
だって菊池を抑えるためにやったことだし…。
でも、浮気行為じゃなくったって、翔くんに言えないのは確かで、、、
うん、絶対怒られるし。
…ほっぺにすれば良かったかなぁ。
唇は悪かっただろうか。
「きっ、菊池!ホントに誰にも言っちゃダメだからね!」
「分かってますって。」
翔くんはともかく、雅紀も絶対ダメだ。
面白がってすぐに翔くんに伝えるに違いない。
菊池って口、軽くないよね?
…こんなに悩むんなら、キスなんてするんじゃなかった。
ーーー
その日の夜。
考えすぎが原因だろうか。
大人の知恵熱ならぬ、軽くヒートを起こしてしまった。
「…っ、う、、、」
完全に自業自得だなぁとは思うけど、なんだか…いいのか悪いのか、、、
悩み過ぎて、、、、、翔くんのこと考え過ぎてヒートを起こすなんて。
…暑い、苦しい、、、
翔くん…何時に帰ってくるかな…。
あ……、帰って来たらびっくりしちゃうよね…。
多分、もう………部屋中に俺の匂い、充満してるだろうし…、、、
最悪、ラット起こしちゃったらどうしよう…。
でも、早く…、、、早く翔くんが欲しい…、、、、、
「はやく…、、、しょお、くん…っはぁ、、」
うわ言のように何度も繰り返す。
腰の奥が疼 いて堪 らない。
早く掻 き回して欲しい。
こう静かにもがいている間に、翔くんを迎え入れる準備を進めているのだろう。
スマホも手に取ることが出来ず、裸のまま、ベッドシーツにくるまっていた。
ーーー
S side
…なんか今日はやけにくしゃみがたくさん出る日だった。
二宮にも
(.゚ー゚)「風邪ひいたんですか。うつさないでください。てか、近寄らないで。しっし。」
って言われたし。
多分誰かが俺のことたくさん噂してたんじゃねーのかな。
いや、ホントに風邪ひいた?
なんてことを考えながら、玄関のドアを開けた。
「ただい、ま、、」
反射のように鼻を押さえた。
ドアを開けた瞬間、ブワッと流れ込んできた強烈な甘 美な香り。
…時刻はまだ9時前だというのに、部屋は真っ暗で電気がついていない。
「…じゅ、ん、?」
鼻を押さえているが、遅いだろう。
慌ててその場に荷物を置いて、リビングへの廊下を走った。
次回1話だけアメ限挟みます。
ですがついこの前臨時でアメンバー募集をしたばかりなので、「destiny Ⅱ」での募集は見送ります。
なので、次の募集は「destiny Ⅱ」が完結したかなり後になると思われます(.. )"