以前、難曲を練習して頭が疲れたら、それと同じかそれ以上に大変な曲を練習することで、気分転換が図れるようなことを述べましたが、今回は正反対なことを言います(笑)。

 

昔、ビッグバンドにいた時に知り合ったドラマーの通称ジミーさんが、デキシーランドジャズの魅力について、「ただ単に楽しい。ひたすら楽しい。余計なこと考えずに楽しく演奏できる音楽だ」とおっしゃってました。

音楽に易しい難しいは無いと思っていますが、精進料理みたいなのと、ちょっとしたデザートでは、同じ「食」のジャンルであっても、味わい方はだいぶ違います。こってりしたメインディッシュの後には、レモンシャーベットが必要だよな。誤解の無いよう付け加えますが、デキシーランドが安っぽいなんていうことはなく、デキシーを本当に楽しそうに演奏するのは、その道のスペシャリストミュージシャンによる職人芸には違いありません。

 

デキシーではありませんが、私が最近よく聴くようになった音楽があります。それはジャンルではなく、ある特定の1曲だ。それはこちら↓

 

ある日のこと。その日はたまたま、午後にバイオリンの合わせで1時間ちょっとバッハを弾いて、相方とあーでもないこーでもないと議論しながら頑張って、その直後にピアノのレッスン60分がありました。いつもだったら、レッスンから帰宅して復習に励むんだけど、さすがにこの日はもうお腹一杯状態で、バイオリンもピアノも蓋を開ける気にならず。・・・でも、何気なくYouTubeで見た「キツネダンス」の歌に大ハマり(笑)。

 

何だ!この歌詞は!(笑)。ファイターズの応援で使われているサビ部分の歌詞に至っては、「キツネは何て鳴くんだ?キャッキャッキャ・・・」みないなのが延々繰り返されるだけです。これほどまでに、あらゆる教訓めいたものや、人間の感情に訴えかける要素を徹底的に排除した歌詞が、かつてあっただろうか?(笑)。

 

いや~これ聞いてると、なんだかホッとします。たまには難しいこと忘れて、楽しく音楽に身をゆだねようぜって感じ。吹奏楽部の練習でも、コンクール前のピリピリした練習が終わった後で、なぜか自由合奏タイムが始まって、易しめのポップス曲を無差別に通したりすることがあるけど、あれも同じ感覚なのかも。

 

1つ気になるのは、キツネダンスを聴いてしまったがために、バッハやショパンが下手になることはないのか、という点だ。んんん、この点に関しては何とも言えない。なぜなら、下手なのキツネダンスのせいかどうか不明なくらい、元々が上手くないので(笑)。この事情は吹奏楽部も一緒で、夕方にこっそり「宝島」を爆速で吹いたら、翌朝のコンクール自由曲が下手になってて、指揮者の先生から「お前たち、もしかして他の曲を吹いただろ!」って見抜かれることは、たぶんないだろう(笑)。

 

というわけで、好きな音楽であっても、余りにもストイックにやり過ぎると嫌いになっちゃうので、たまには肩の力が抜けるジャンルを味わって、音楽の楽しさを再確認する時間を作るとよいでしょう。

いま、キツネの鳴き声部分をバイオリンで弾く練習してますが、これ意外と奥が深いし面白いので、いっちょ極めてみようと思う(笑)。疲れたらバッハを弾くとしよう。