三日月ロック>オリジナルフルアルバム>タイトル:三日月ロック>アーティスト:スピッツ>リリース日:2002年 9月 11日>記事作成日:2020年 1月 21日




久しぶりに聴きました!
なんと…ぼく、こんな大名盤の感想をここまで書いてなかったんだ。作品に優劣をつけるべきではないのかもしれないけど…ぼくは、スピッツのアルバム作品の中で、最も好きなのが本作ですね。もちろんその時々で好みの作品のいうのは多少変わるけれども、これは割と“不動の一位”って感じ。


『夜を駆ける』力強いバンドアンサンブルががっしりとした肉体感を表現しつつ、でも全体的にはクールで都会的な感触もある。マッシヴなのにアーバンな、言わば細マッチョ的な?(笑)
『水色の街』淡く滲む、サウンドとメロディ。どこかノスタルジックな雰囲気を醸し出しつつ、でも音の印象としては“日本の里山”みたいなものでは一切なくてどこか異国の雰囲気。きっと、そんな懐かしいような行ったこともないような場所こそが、『水色の街』なんだと思う。
『さわって・変わって』恐ろしく大好きな曲。こんなにポップロックなスピッツは、この曲をおいて他にないと思ってます。ゴリッゴリのロックンロールなんだけど、最大限に人懐っこくてキャッチーでスウィートですらある。最初、曲タイトルを見た時には「スピッツ、どーした⁉︎」とすら思ったけれども(笑)、結果的には、スピッツの楽曲群の中でも屈指のフェイバリットソングに。ミドルバラードやロックバラードのイメージがあるバンドだけど、このバンドが見せるロックンロールが、ぼくは好き。
『ミカンズのテーマ』当時の雑誌記事とかに、確か「別バンドでやるとしたら…という想定での、そのバンドのテーマソング」みたいな事をおっしゃっていたような。どこか人を食ったようなとぼけた味わいのあるポップチューン。歌詞はまぁ、まったく意味わかんないけど(笑) 昔Mr.Childrenの桜井さんが「星座みたいに言葉を配置する事で、聴き手がそのカタチを想像する余地を残したい」的な事をおっしゃってましたが、マサムネさんの歌詞は、その星の数が異常に少なくてなおかつ散り散り。でも、「じゃあそこには何もないのか?」と問われるとそういう事では決してない。単に、「点を線で結ぶ“結び方”にセンスが問われる」というお話。
『ババロア』タイトル『ババロア』で、ここまで緊張感と緊迫感とソリッドなカッコ良さのある曲になっていると、誰が予測出来ようか。もっと、ぷるんぷるんで甘〜い曲だと思うでしょうに(笑)ベースが聴いた、骨太な仕上がり。そこに打ち込みのビートとエフェクトのかかったドラムスが重なって、恐ろしくクールなサウンドに。反対にボーカルとギターには生々しさがあって、その対比も面白い。
『ローテク・ロマンティカ』一転して、軽快で分かりやすいアレンジのロックンロール。本作収録曲は、UK的なクールで物憂げな質感のロックが多い気がするけど、この曲はUSロック的な陽性の曲。そして、「歌詞の意味が分かんない」の極致(笑) いや、『ミカンズ-』のとこで書いた通り、「意味がない」ではないですよ?
『ハネモノ』当時、別アレンジ(ギター弾き語りだったかな)でこの曲のサビだけがCMから流れてきて。クレジット表記も無くて、「なんかスピッツのマサムネさんっぽい声だなー」とか思ってた記憶がるんです。スピッツの王道と呼ぶべき、甘酸っぱくて少年性の強いポップチューン。
『海を見に行こう』アコギの乾いたストロークが最高に心地良い、牧歌的な曲。イメージとしては『故郷へ帰りたい』(日本では『カントリーロード』として有名)とかのような、ああいう感じの“異国の唱歌”感があります。メロディも演奏もとても可愛らしく親しみやすく、そしていい塩梅にセンチメンタル。ちなみに、ミスチル鈴木さんが、『タガタメ』への説明で「当初のアレンジはスピッツの『海を見に行こう』みたいな感じだった」と言ってて(ちなみにのちにそっちverも音源化)、「あ、ミスチルは今もスピッツを聴いてるんだ」と嬉しくなった記憶があるなぁ。例えるなら、ダウンタウンとウッチャンナンチャンが一緒にテレビ出てるような?(笑)
『エスカルゴ』ゴキゲンなロックチューン。マサムネさんのボーカルがゴキゲン。ギターがゴキゲン。リズム隊がゴキゲン。全体的に人を食ったような遊び心が炸裂していて、だからこそこの次の曲の真摯な温もりがより味わい深く染み込んでくるのです。
『遙か(album mix)』マサムネさんの声が折り重なって、とても芳醇でちょっと切ない気持ちに包まれる。イントロでコレだから、本編が始まるともうそれだけで涙が出そうになります。その涙はどんな意味なのかも分からないけど、とにかく心が揺さぶられて、そして感極まってしまう。全編通して、毛糸で包まれているような繊細な温もりを感じるバラード。
『ガーベラ』このままアルバムは“大団円”に向かっていくのかと思いきや…ここで再びヒヤリと鋭さのあるマイナーチューンへ。でも、単に「短調の暗い曲」というのではなくて、圧倒的に美しくて、力強さもまた兼ね備えているという。亀田誠治Pとのタッグは本作から始まっていますが…先日読んだスピッツの回想録『旅の途中』にて、この曲のセッションから亀田さんとの仕事が始まったようで。ぼくはスピッツと亀師匠とのコンビネーションが大好きなので、セッション時に好感触を与えて、その後長きに渡るコラボレーションを見せてくれるきっかけとなったこの曲に感謝。
『旅の途中』ご本人らによる回想録と同じタイトルのこの曲。ふんわりと優しくて、でも端々に独特なクセが見られるこの曲は、スピッツのイメージそのものと言えるかも知れません。
『けもの道』しかしながら、“らしい”曲で予定調和的に終わらせないのもこれまたスピッツらしい。アルバムを、そしてこの当時のスピッツをこんなにまるっと表現した『旅の途中』のあとに、こんなにゴリゴリでヤンチャなロックが鳴り始めるだなんて、自由すぎる。感動的に終わった映画が、エンドロールのあとに、突然続編の予告が流れるみたいな。そんな感じ。終わりだと思っていたものがまた始まる、“次”がある事が判明する高揚感と期待感。なんとなくこの曲には、そういうものを感じるんですよね。


そんな、計13曲。
多感な時期に聴きましたよ。あらゆる音楽を、スポンジのように吸収出来た時代に聴きました。でも、そういうアドバンテージを差し引いたとしたって、恐ろしい名盤なんじゃないかと思うんです。派手ではないけど図太い芯が一本通っていて、骨太でタフでそれなのに繊細で優しくて。そこに程よいセンチメンタルが加わって、それはそれは完璧な作品になってると感じます。
『チェリー』とか『ロビンソン』みたいなメガヒットチューンはないけれど、ぼくは、どの曲も本当に大好きです。




お気に入りは、#01 『夜を駆ける』#02 『水色の街』#03 『さわって・変わって』#04 『ババロア』#07 『ハネモノ』#08 『海を見に行こう』#10 『遙か(album mix)』#13 『けもの道』




この作品が好きなら、・『SENSE』/Mr.Children・『WHITE ROOM』/YOSHII LOVINSON・『ペナルティーライフ』/the pillowsなどもいかがでしょうか?




CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/









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