最近、仕事上、どうも引っ掛かることがある。

業務プロセスや発生した事実を説明すると・・・話半ばであっても「どうしたらいいですか?」

と即座に質問する若手社員が、多いことだ。

経験豊富なオバチャン社員に解決策を訊ねたら、楽に済ませられるからだろうが、まず、

自分の頭で考えようよ、と思う。

親が手取り足取り育てたのか、ネット検索すればスピード解決の時代に育ったからなのかは

知らないが、自分の頭で思考するプロセスを厭う人が、増えたように感じる。

もちろん、門外漢の内容であれば、無駄に時間を使って考えるよりも専門家の教えを乞う

のが、賢明だとは思うが、自分の担当業務を平気で「どうしたらいいですか?」と質問する

ことに疑問を感じるのだ。

 

社会に出て長いオバチャン社員の場合、担当する業務範囲は、広い。

これも私の担当!?と首を傾げたくなるほど上司に勝手気ままに担当業務範囲を拡大

される始末・・・。

中には、未経験の業務も降って来る訳で、まずは、類似の経験がなかったかと記憶を手繰り

寄せ、解決策を考える。

その上で専門家の手助けが必要だと判断したら、社内外を問わず、専門家へ教えを乞い、

解決する。

更に今後も類似の業務が想定されれば、すぐにPCへ記録し、ノウハウを蓄積している。

二度目は、記録を基にすんなり対応でき、結果的に更に多くの仕事に取り組め、業務効率

化に繋がっている。

 

しかし、最初から「どうしたらいいですか?」と解決策を訊ねる人は、次回も「どうしたらいい

ですか?」と訊ねるだけで知識や経験、ノウハウも蓄積されて行かない。

そして、思考力も問題解決力も育たないままだ。

長く働いてもパッとしないのは、自分の頭で考えていないからだろう。

 

子育て中の母親として感じるのは、思考力と問題解決力を養うのは、社会に出てからでは

遅く、幼少期から家庭で育むことなのだということ。

例えば、身近な学校の宿題について言えば、間違った計算や漢字を見つけても最初から

正解は、教えず、再度見直すように伝えるだけ。

漢字が思い出せなければ、息子が、辞書を引き、確認する。

そうすると、「あっ!分かった!」と満面の笑みでやって来る。

若干難易度の高い中国語作文の指導では、まず本人が書き上げた後に”伝えたいこと”を

ヒアリングして整理、より中国人的な発想の文章構成や単語を教えながら、一緒に文章を

紡いで行く。

日々の生活については、基本的に本人に一任している。

失敗したり、躓いた時は、同じ轍を踏まないように自分なりの対応策や解決策を考えるよう

に促している。

一見、遠回りに見えても自分の頭で考え、腑に落ちたことは、確実に血や肉になって行く。

これが、将来、働くための礎になる。

 

* おまけ *

以前、業務プロセスを説明したら、「それ、面倒臭そうなので、ネズミさんがやっておいて

下さい!」と言い放った若手駐在員(日本人)がいた。

もちろん、「あなたの仕事なので、ご自身でお願いします。」と丁重にお断りした。

その若手駐在員(日本人)が、任期を全うすることなく帰任したのは、言うまでもない。

有名大学卒でも”使えない”と判断したのは、ネズミだけではなかったと溜飲を下げた。

駐在したら、格好良い仕事だけのいいとこ取り出来ると思い込んだのが、勘違いの始まり

だったのだろう。

地味な業務の積み重ねで実力を付け、花開いて行く。