Sugar Boy Crawford/James "Sugar Boy" Crawford | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 James "Sugar Boy" CrawfordNew Orleans生まれのR&B Musicianである。Crawfordといえば、なんといってもDr. JohnのCoverで有名なNew Orleans Mardi GrasのStandardIko Iko”の原曲“Jock-A-Mo”の作者として知られるSinger/鍵盤奏者である。53年CheckerからJames "Sugar Boy" Crawford And His Cane Cuttersとしてリリースした“Jock-A-Mo”(Snooks Eaglinがギターで参加している)は全く売れなかったようだが、Girl Group The Dixie Cupsが65年にRed Birdから“Iko Iko”のタイトルでリリースして世界各国でヒットさせ、この曲は一躍多くの人に知られるようになった。Mardi Gras Indians戦闘時のChantを元にしたというこの曲のDr. JohnのCoverによって'Second Line'のRhythmを知った方も多いことだろう。さて、New OrleansのUptownで生まれ育ったCrawfordは高校時代にバンドを組みTromboneを演奏していたという。やがてピアノを弾くようになったCrawfordは上述のバンドで53年Chess Recordsと契約して傘下のCheckerから上述の“Jock-A-Mo”など3枚のSingleをリリースする。実はそれ以前にAladdinとも契約して、バンドは52年レコード・デビューしていたのだった。CrawfordはSpecialtyImperialAcePeacockなふぉのLabelからSingleのリリースを続けていたが、なぜか60年代の前半Sceneから突如として姿を消してしまう。後の本人の口から語られたところによると、63年に車に乗ってバンドで演奏先へ向かっていたところ、African Americanが派手な新車を乗り回していたということで警官に止められ、酷い暴行を受けたという。この事件によってCrawfordは音楽活動の中断を余儀なくされてしまったそうだ。一時は復帰を目指したが、69年以降Gospelを歌うようになり、表舞台からは身を引いてしまったという。人種差別が現在よりもまだずっと酷かった時代とは言え、これは随分な話であるし、実に残念なことである。

 

 『Sugar Boy Crawford』はSugar Boy Crawfordがリリースしたアルバム。

アルバム1発目はHornも高らかに景気よく始まる”Overboard”。

I Don't Know What I'll Do”もJames "Sugar Boy" Crawford And His Cane Cutters時代の音源でユッタリマッタリの3連Ballad

You Know I Love You”もAlfred BernardのTenorが痺れるCane Cutters時代の3連Ballad。ここから未発表曲4連発

3連のRock-A-BalladStop”はCrawfordの飄々としたVocalがイイ感じ。

Watch Her Whip Her”は大らかなノリにのったVocalがご機嫌。

Honey”もマッタリユッタリなノリでCrawfordらしいRock-A-Ballad

Checkerからの54年のSingle“I Bowed On My Knees”。

Wandering Baby”はCrawfordが思い入れたっぷりに歌い上げる

Up Tempoで小気味よく攻めるNo More Heartaches”。

What's Wrong”はアルバムで一番好きな飄々としたVocalが最高

時に裏返る声もご機嫌なLove Love Love”。

Crawfordの転げるピアノが楽しめる”Troubled Mind Blues”。

HornのRiffがご機嫌なノリノリの”Ooh Wee Sugar”。

Bluesyに歌い上げるThere Goes My Baby”。スカしっぷりもい良し。

上述の”Jockomo”。原曲は'Second Line'ではないが、このノリも良し。

You You You”もマッタリ3連で、下品なSaxが最高

Snooks Eaglinがのギソロが聴ける“You Call Everybody Sweetheart”。

3連のRock-A-BalladIf I Loved You Darling”。チョッと一本調子か。

Up TempoでCrawfordの活きの良いVocalが聴ける“Get Away”。

サビのはモリがご機嫌なPlease Believe Me”。

雰囲気タップリなイントロで始まりCrawfordが歌い上げる“For Me”。

Wondering”は、もう金太郎飴状態の3連ユッタリマッタリもの

Night Rider”はHorn隊が活躍するご機嫌あインスト

最後を飾るのは哀感漂う“Long Lost Stranger”。

(Hit-C Fiore)