2024/03/11

 テレビ朝日 【羽鳥慎一モーニングショー】

南海トラフ・発生確率に“疑問の声”

南海トラフ地震発生確率の“特徴”が国会で追及された。
 

番組は東京新聞記者小沢慧一氏を招いて構成された。

 

南海トラフ地震の真実 小沢慧一著

 

 

 

☆全国地震動予測地図

全国地震動予測地図2020年版 | 地震本部 (jishin.go.jp)

https://www.jishin.go.jp/evaluation/seismic_hazard_map/shm_report/

 

 

☆茅野市のホームページが解りやすい

 

南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として概ね100~150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震です。

前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震(1944年)及び昭和南海地震(1946年))が発生してから70年以上が経過しており、今後30年以内に発生する確率が70%から80%と予測されていることから、切迫性の高い状態です。

南海トラフ地震について - 茅野市ホームページ (chino.lg.jp)

 

☆東海地震

昭和54年8月7日、東海地震に係る地震防災対策強化地域が指定されました。これに伴い同日付けで地震防災対策強化地域判定会(以下、判定会)が気象庁にて発足するとともに、東海地域の観測データの常時監視、判定会の招集・開催、判定結果に基づく地震予知情報の内閣総理大臣への報告などの業務が気象庁により法的な位置付けをもって行われることになりました。

気象庁|南海トラフ地震について | 過去の経緯(東海地震に関連する情報等) (jma.go.jp)

 

 

 

①1つのひずみ計に異常な値が観測された場合、気象庁は東海地震観測情報を発表するが、この時点ではまだ予知の判断はできない。

②2つのひずみ計に異常な値が観測された場合、東海地震注意情報を発表する。

③3つ以上のひずみ計に異常な値が観測され、プレスリップが発生した場合、東海地震予知情報を発表する。

④「予知情報」の報告を受けた総理大臣は、閣議を開き、最も危険度が高い場合、警戒宣言を出す。

⑤「警戒宣言」が発令されると、静岡県のほか、神奈川県西部や山梨県など8都県263市町村の地震防災対策強化地域では、地震災害警戒本部が設置され、防災体制に入る。

 

南海トラフの震源領域のうち、1944年に東南海地震が発生、その2年後の1946年に南海地震が発生しました。

東海地震だけが1940年代に発生しなかったために、1970年代はじめから、遠州灘中部から駿河湾にかけて震源域とする巨大地震の発生が警戒されるようになりました。
1976年に石橋克彦氏によって「駿河湾地震説」が提唱され、地震学者の多くが東海地震の発生の可能性を強く主張しました。

1978年には大規模地震対策特別措置法が制定され、その中で静岡県下を中心とした地震防災対策強化地域が設定され、体積歪計やGPSなどの観測機器を集中して設置することで、世界でも例を見ない警戒宣言を軸とした短期直前予知を前提とした地震対策がとられることになりました。

 

☆駿河湾地震

2009年8月11日5時7分に駿河湾の深さ23キロでマグニチュード6.5の地震が発生した。

この地震により、伊豆市、焼津市、牧之原市、御前崎市で震度6弱を記録した。

津波の第一波:焼津62センチ(5時12分、引き波)。最大の高さ:焼津32センチ(5時24分)、御前崎36センチ(5時47分)<平成21年8月地震・火山月報(防災編)気象庁>
気象庁は、震源が東海地震の想定震源域の内側にあたることから、関連性を調査するとして、東海地震観測情報を初めて発表。約4時間後に「東海地震に結びつくものではない」と発表した。<NHK年鑑2010>

 

☆アラカンおじさんの解釈

1970年代、東南海地震(1944)、南海地震(1946)の割れ残りとして東海地震発生が注目されていた。

前回東海地震が起きたのは1854年の安政東海地震である。

東海地震の周期は100年~150年と言われていたことから既に120年経過しており、東海地震はいつ起きても可笑しくない状況にあった。

従って30年後(150ー120=30)には東海地震は必ず起きるだろうと予測された。(120÷150=0.8)

これが30年後の確率80%とした所以だとも言える。

 

2009年8月に駿河湾地震(最大震度6弱)が発生し、ついに東海地震が来たものだと錯覚した。

気象庁は東海地震ではないと否定したが、東海地震の震源域に溜まっていた歪は解消されたとみても良いだろう。

石橋教授が駿河湾地震(東海地震)説を公表して概ね50年を経過している。

 

その後、東日本大震災が2011年3月11日発生した。

東日本大震災を契機に地震行政は大きく変化している。

東海地震から南海トラフ地震へと焦点は拡大された。

そして、東海地震における最大震度を示す地図も南海トラフ地震における最大震度を示す地図に置き換わり、全国地震動予測地図なるものも登場した。

 

 

トラフとは海底の深い溝の事を言うが、谷筋が明確な東海地震震源域(駿河トラフ)と平坦部が広がる東南海地震震源域(熊野灘・南海トラフ)及び南海地震震源域(四国沖・南海トラフ)とは大きく海底の地形が異なっている

 

東海地震は日本で唯一予知できる可能性がある。

未だ地震は発生していないが、確率80%の根拠は乏しい。

南海トラフ地震域における東海地震(駿河湾~天竜川沖=駿河トラフ)が先駆けて発生する可能性は低いと思われる。

最近の防災訓練では恒例だった「地震判定会が開催されました・・・」「警戒宣言が発令されました・・・

・・・が聞かれなくなりました。

東海地震から南海トラフ地震に統合されたことで防災意識は薄れてしまった。

折角培ってきた地震防災システムは未だ地震は発生していないとの発想で無駄にしてはならないと思う。

 

因みに最初に起こるだろう東南海地震の発生確率は

1944年発生から80年経過している。

地震発生の周期を100年と仮定すれば、80÷100=0.8となり、確率80%と言える。(毎年1%づつ上昇)

発生周期を110年とすれば80÷110=0.73となり、30年の確率は73%となる。

発生確率とは難しい計算をしているようだが、要するに次の地震は何年後だということを予測しているに過ぎない。

従って、記録の乏しい活断層による直下型地震は地震発生の確率が当然低くなる。

 

80%の確率が3日続けば100%に極めて近づく。

しかし、3日後に起きる可能性は極めて低い

要するに、80%の確率とは時間経過を示しているに過ぎず特段大きな意味を持っていない。

例えは良くないが、桜の開花予想と似ている。

 

「30年以内に70~80%で南海トラフ地震が発生」はウソだった

・・・という見出しは何か解釈が間違っていると言える。

 

本来であれば、気象庁は確率ではなく可能性という言葉を使うべきであった。

そして、仮定した発震日に向かって可能性が少しづつ高まっていくとした方が、国民には誤解なく理解しやすいと思う。

さすれば、「地震が発生しない」という苦言も出ないであろう・・・