JR九州キハ125形400番台「海幸山幸」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

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熱く日差しが照らす日向の地を走る日南線、鬼の洗濯岩など風光明媚な車窓が続く宮崎-南郷間に、2009年から同線初の特急列車が走り始めました。

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列車名を「海幸山幸」と言い、宮崎に伝わる神話、「海幸彦と山幸彦」が列車名のモチーフとなっています。土日休日以外にも繁忙期の平日に運転されることから、扱い上は臨時列車となっています。

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この車両、JR九州生え抜きではなく、かつて同じ宮崎県に存在した高千穂鉄道で「トロッコ神楽号」として使用れていたTR400形気動車を購入の上改造しています。私鉄からJRへの編入は東京臨海高速鉄道70-000形が出自であるJR東日本の209系3100番台に続いて2例目ですね。

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形式はキハ125形400番台を名乗ります。性能が生え抜きである0番台と似ていたことから編入されたのでしょうね。400番台となっているのは、高千穂鉄道時代の形式名の名残なのかもしれません。

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この列車、JR九州お得意のワンマン特急となっております。車内の検札はどうするかと言うと、車内に乗務するアテンダントさんが行うようになってます。

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車体側面には地元名産の飫肥杉が貼り付けされています。

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車体前よりにはそれぞれのロゴが入っています。誰が何をやらかしたのかはお察しの通りです。

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前置きが大変長くなりましたがようやく車内です。内装に関しても木材が多用されており、既に前例が多数存在するため個人的には少し食傷気味だったり・・。見慣れてきたせいで「どう、すごいでしょ!?」とも言い辛くなりました(^^;; 画像は「山幸」こと1号車、定員的には全席指定席の車両です。

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そしてこちらが「海幸」こと2号車。1号車の「山幸」と比べて木材の色が明るくなっています。ちなみにトロッコ神楽号時代は文字通りトロッコ用車両でして、窓は雨天時用のはめ込みタイプ、座席もトロッコ列車あるある木の椅子でした。

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ドアです。1枚引き戸で、低床ホームに対応するためステップ付きとなっています。乗り降りの際にズッコケないように気をつけましょう。ステップ手前には滑り止めも貼り付けされています。

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運転台です。やはり地方ローカル線向けに導入された気動車らしく半室構造となっています。

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残り1/3は客室として開放されており、迫力の前面展望も楽しめます。「海幸山幸」では、この構造を生かしたサービスもあるので是非。

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中間に入った場合はこんな感じ。普段2両編成での運転なので、こちらの運転台は検査時のみ使用されるのでしょうね。

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両側には暖簾がかけられています。ミトーカデザインの中で、この暖簾はどの車両で見てもデザインが秀逸で商品化すればいいのにと思う逸品であります。

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運転台上には停車駅の表示機が設置されています。LED表示機ではなく純粋な行灯式で、海水浴シーズンのみ停車する大堂津駅は入っていません。この停車駅案内、表示方法が少し残念なものでして、次駅に向けて走行中には既にその次の駅が点灯しています。確かに停車した時にはそれでいいかもしれませんが・・。

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天井です。トロッコ神楽号時代は中央に丸いカバーがかかった照明が間隔を置いて設置されていましたが、現在ではLED灯が2列配置されています。それでも、普段日除けを降ろした状態でセットされているため結構暗いです。昼間のみの運用なので、窓を開ければそれなりの明るさにはなりますが・・。

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窓です。JR移籍後に固定窓に変更されています。上部にはカラーフィルムが貼り付けされており、観光バスっぽくなっていますね。日除けは簾となっておりフリーストップタイプです。

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柱部分には飾り照明が設置されています。ソケット部分にはローマ字で海幸山幸と書かれています。この辺りはいぶたまも同じ仕様ですね。

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座席です。先述の通り高千穂鉄道時代は木製のボックスシートが配置されていましたが、移籍後は特急列車に使用されることからリクライニングシートに交換されています。画像は海側に当たる2人掛けです。

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フレームは885系以降に登場した列車にこれでもかという程登場するそれで、テーブルはセンターアームレスト収納タイプのインアームテーブルです。形状や大きさがまたイケてないこと…。これ、ドリンクポケットもついていますが、底が浅いのでそれなりに揺れる地方交通線の日南線、走行中はかなりスリリングです。ご利用は計画的に。

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続いて山側に当たる1人掛けです。プライベートな空間を占有出来る席ではありますが、直接与えられる景色としてはこれと言ったアタリが存在しない残念な列でもあります。

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よく見ると、1人掛けは2人掛けをちょうど半分にした代物となっており、インアームテーブルを収納している窓側は板面が2人分存在します。何とまぁ…。

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全展開の図。板面は2枚でもテーブルは1枚のみです。運用開始時から指定席前提で改造されているようで、シートピッチがやや広めで窓側柱部分にはペットボトルが置ける程度に窓枠が広げられています。で、眺望をひとつのウリとするこの列車ですが、窓枠はいじれなかったのか眺望が残念な席が数多く出ています。画像の日南行きはどこもまずまずですが、宮崎行きは結構な数の座席がどこかしらに柱が視界に入ってきます。

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壁際の席には固定式のテーブルが備わります。脚が伸ばせないことへのトレードオフ的な意味合いでしょうか。それにしても、やはり縁取りはないんですよねぇ…。

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1人掛けの端はこんな感じ。ガラスのパーティションが入っています。

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南郷方運転台直後に設置されたソファシートです。こちらは座席定員外となっており、自由席難民御用達のスペースとなっています。また、ここはとあるイベントの会場となっています。

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車椅子スペースです。滑り止めを貼り付けし、握り棒と非常ボタンを設置ています。

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トイレです。車椅子対応の大型トイレとなっています。この辺りの充実さはやはりJR九州。

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側面にはこのようなイラストが貼られています。

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車内販売スペースです。なんだか見覚えのあるパーツがたくさん…。


続いて2号車です。海幸車両らしく、モケットが青色となっています。

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指定席車と同様の座席ですが、モケットは一種類のみ、シートピッチも狭く、窓側の小物スペースも有りません。自由席に関しては宮崎行きの車内で撮影したのですが、指定席同様見事に柱と被っています。眺望を売りにしている観光特急としてはかなりのマイナスバリューですね。

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続いて1人掛け、こちらも1号車と同様です。

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座り心地ですが、デフォルト角度では中々厳しいと思います。高めの座面に直下たつ背ズリ、特にヘッドレスト下のクッションの張り出し方がいけません。張り出したクッションが肩に直撃し押し出されるような感覚を受けます。

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リクライニングの図。フルリクライニングでようやく安息姿勢かな、と言ったところ。

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2号車、「海幸」には自由席も設定されており、ヘッドレストカバーを青色にして区別しています。

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2号車の車椅子スペースです。

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「木のおもちゃのようなリゾート列車」らしく、ショーケースには木のおもちゃが入っています。


こちらにもソファシートがあります。やはり一部自由席がある分穏やかな格差が設けられているのか、背ズリは柵上の木となっています。辛いですねぇ。

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宮崎方には最前面を向くように座席が設置されています。こちらも定員外となっています。

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ドア横にはゴミ箱が置かれています。その上にテーブルがあるのもお馴染みの仕様です。

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その向かいにはマガジンラックが備わります。


そしてこの木の箱。これは乗車時のお楽しみとしておきましょう。

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飫肥駅でしばし停車。特に急がないのんびりした旅へ。

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