JR西日本の北近畿地区の非電化路線では、未だに多くのキハ40系列が活躍しています。今回紹介する車両もそんなキハ40系列の中の一形態、キハ41形です。何やら聞き慣れない形式と思う方が多いと思われますが、見た目はフツーのキハ40系列の顔です。しかしこちらは世を忍ぶ仮の姿、真の顔は反対側にあります。
はい、こちらが真の姿です。元を正せばキハ47形でして、片運転台車両のため単行運転が出来ないことから運転台を設置して生まれた形式です。この改造の源流は国鉄時代に581・583系から改造された715・419系ですが、その見た目から「食パン」と言われたことはあまりにも有名です。その伝統を色濃く受け継いでいるのがJR西日本で、様々な食パンを産み出しています。ここではさしずめ「紅いも食パン」と「タラコ食パン」と言った所でしょうか。JR西日本の単色化計画により、現在は全てタラコ食パンになっています。
見事なまでの切妻にぐうの音も出ません。
連結面です。こう見ると、前面はキハ40系列らしい配置になってはいるものの、灯具類は微妙にズレてますね(笑) そうそう、元々は2両で1編成を組んでいたはずですが、全車両「真の顔」が寺前方を向いています。播但線の非電化区間でキハ40形と共に使用されています。
車内です。体質改善工事を追加で受けていますが、座席の構成などは変わりません。
ドアです。キハ47由来のため、両開きとなっています。足元にステップが残っているのはキハ40系列の共通事項です。ワンマン運転に対応するため、整理券発行機が設置されています。あと、半自動対応で開閉ボタンも追加されています。手でガラガラ開けていた時代より、操作性はよくなったでしょうね。
乗務員室です。こちらは元から乗務員室だった和田山方です。かつてはロングシートが設置されていましたが、ワンマン運転改造時に運賃広場となっています。
そして問題の寺前方の乗務員室です。車端部時代から極力費用をかけずに改造しようとしたためか、なんとトイレもそのまま残っています。キハ40形のトイレがドア間に設置されているところを見ると、明らかにやっつけ仕事であると言えます。
併結するとこんな感じ。運賃箱は出しっぱなしで、横によける形で邪魔にならないようにしています。
現在では運賃表示機がLCDディスプレイになっています。
天井です。相変わらずデカい割にあまり冷えない冷房装置が目立ちます。送風補助として扇風機も残っています。
窓です。体質改善工事で下段固定、上段上昇式に改められています。冬場は隙間風が入ってくることもないので嬉しい限りですが、テーブルが無いので同時に窓下の桟も広げて欲しかったなぁというのが率直な感想です。
座席です。まずはクロスシートから。典型的な国鉄時代のボックスシートですね。福知山支社の特徴として、ヘッドレストカバーが設置されていることがあります。上部は頑丈な硬い金属のフレームですから、少しでも頭の当たりがよくなるようにという配慮が伺えます。何やらJR東海っぽいですが、こげ茶色のモケットと色合いが全くマッチしていません。何やらチョコミントみたいですね・・。
シートピッチが狭く窓側の配管が鬱陶しいのは今更どうこう言っても仕方ありません。座り心地は安定の国鉄クオリティ、背ズリの薄さには百歩譲り、座面と背ズリの計算されつくした角度には恐れ入ります。
ロングシート、優先座席です。JR西日本では割とどこでも見ることが出来るピクトグラムを散りばめたモケットになっています。グッズでこのモケットの座布団みたいなのが出ないかなぁ、とひそかに期待している私です(^^;;
と思っていたら、地色が緑のものに貼り替えられました。
で、場違いなトイレです。変わっていることといえば、入り口が長手方向である通路側から入っていたのがキハ40形と同じく横手方向から入るようになっていることですね。でもね、中は和式なんですよねぇ・・。いかにもキハ40系列らしいですが、思い切って洋式化してもよかったのではないでしょうか。
その横にあるゴミ箱です。各車両でデザインが異なっています。