坂崎夫妻が部屋に戻ると俊介が美奈子に藤間はあれほど興奮した坂崎をなぜ説得できたのか不思議だというと美奈子は根気よく話したのではないのか、という。
俊介は酒を飲まなければ寝られそうもないと言い車でコンビに買いに行く。
車に乗ると英里子の撮った写真を改めて見返した。
全部の写真に写っていたのは藤間邸に入っていく美奈子・関谷夫妻・坂崎、喫茶店に入っていく津久見と見たことのない女性、そして見たことのない中年男性だった。
俊介が別荘に戻りリビングに入ろうとすると隙間から関谷と藤間一枝が体を密着させていたのが見えた。
そのためいったん玄関に戻りチャイムを鳴らして入りなおした。
俊介は坂崎に昨日言っていた「パーティー」とはどういう意味なのか、と聞くと坂崎はそんなこと言ったかなあ、と言って多分カラオケのことだと言う。
翌朝7時にリビングで寝ていた俊介は坂崎君子に起こされた。
俊介の上着を拾ったときに写真が落ちてしまいそれを拾った瞬間君子の手が止まった。
俊介はその写真を撮ったのは英里子だと言い君子に昨日言っていた「あの人たちは異常」の意味を教えてほしいと言う。
君子が知らないと言い続けていたところ美奈子がリビングに来てしまった。
俊介は一人部屋に戻ったが英里子の血の付いたカーペットを見たが赤黒くなった染みを見て顔をゆがめた。
坂崎君子は先ほどの写真の件を藤間に話すと舌打ちをした。
俊介を除いてリビングに集まり俊介が疑っているようだがまだ確信を掴んでいるわけではない、予定通りやろうということになる。
朝は子供たちも含め全員で食事を取りその後津久見がその日のスケジュールを説明した。
その後俊介は津久見を捕まえて塾以外の仕事は何かしているのか、と聞くが津久見は曖昧に答えた。
それを見ていた藤間は津久見がいなくなったところで俊介に近寄り何を話していたのかと聞くが心配ないと答える。
午前中は死体を沈めた別荘近くの湖でバーベキューをした。
俊介のところに関谷が近づいてきたので関谷にカラオケはするのかと言うと最近はしていないと答える。
俊介は関谷にこのグループは本当に結束力が強いと言い恋愛感情など生まれたりしないのかと言うと関谷はとても驚く。
そこに息子の章太が俊介の背中に虫がついていると言って近づいてきた。
その後俊介は津久見に貸別荘に行きたいからといって鍵を借りる。
バーベキューだというのに子供たちは一緒に遊ぶことも無くみんな一人で遊んでいた。
俊介は貸別荘に入ってあたりを見回していたら突然背後から美奈子が声をかけてきた。
俊介は驚き何しに来たと怒ると美奈子は一人で不審な行動をしているので付いてきたと言う。
俊介はこのグループは親たちは異常に仲がいいのに子供たちはバラバラに行動しているのはおかしいと言うと美奈子はとぼける。
俊介は関谷と藤間が仲良くしていたこと、君子さんがこのグループは異常だと言っていた、そして肉体で結ばれたグループだ、本当に英里子を殺したのか、と言うと美奈子は殺したのは私で私を憎めばいい、と言って出て行ってしまった。
俊介は持っていた私立中学の冊子をめくってみたら手が止まった。
そのページに映っていた学校職員の男は英里子の撮った写真の男だったからだ。
夕食はみんなで取ったが会話も無く静かだった。
その後はみんなで花火をしたがその後子供は貸別荘に戻るがそのとき俊介は津久見も含め全員集まってほしい、そして事件の真実のことを話しあいたいと言う。
沈黙が10秒以上続きみんな人形のように固まっていた。
俊介は津久見に英里子から何を言われたのか聞く。
しらを切っていたが英里子はかつて調査会社に勤めていたことを話し英里子が撮った津久見が写っている写真を見せる。
藤間は詰め寄るが俊介は私立中学の職員の写真のある冊子を差し出し、かつ二人の職員が映っている別の写真を見せると津久見は黙る。
美奈子の写っている写真も見せ塾講師と私立中学の職員と父兄が会っているのは不自然だと俊介は言う。
俊介はそもそもは英里子に妻の浮気調査を依頼したが偶然にもこれらのことが分かった、つまり津久見と私立中学の職員の繋がりであり裏口入学斡旋だっと、英里子はそのことをネタに津久見を脅し、そこで津久見は英里子をどう始末するか考えた、という。
そもそも疑問に思ったのはあれだけ激昂していた坂崎夫妻が急に反転したのかであったと言い俊介はポケットから殺人現場の血を拭いたという赤く染まったティッシュペーパーをみんなに見せた。
俊介は血はいくら吹いても完全にふき取ることはできないはずなのにカーペットは綺麗になっていた、不思議に思い近くの拭き忘れの飛び散った血液を濡れティッシュで拭くと簡単に取れたから血液ではなく塗料だったというのは職業上分かったという。
すると美奈子は「私がやったのよ!」と言い出す。
しかし俊介は美奈子を遮り更に説明し貸しボートが一つだけ使える状態になっていて翌朝には片づけられていたのは津久見が裏で動いて協力したからだと言うと津久見は口ごもる。
俊介はみんなに反論するならしてくれと言うと女性陣は気落ちした様子で項垂れ関谷と津久見は苦悶の表情を浮かべ坂崎は頭を抱え坂崎君子は空中の一点を見て藤間は無表情だった。
藤間はこういうことになったか、と言い実は藤間を始め何人かは俊介に全てを話そうと思ったが美奈子が強硬に反対してこうなったといい、藤間は俊介の推理を聞きたいというので俊介は話し始める。
俊介は犯人は今回参加して今ここにいない者、というと藤間は、その通りで子供だ、と答える。
そして俊介は4人の子供全員が犯人だと言うと藤間は、そう考えるのも無理もない、というので俊介は違うのか、と言うので藤間はまずいろいろ説明させてほしいという。
藤間にほどこされ津久見は英里子との経緯を説明し始める。
津久見は油断していたところに英里子から裏口入学のことを脅されたと言う。
すると俊介は金銭授受の写真を見せられたのだろう、と言うと藤間が親は子供のためなら悪いと分かっていてもやってしまうものだ、妻の現金授受の写真を撮られたと言うと関谷も同じく撮られたことを認める。
しかし美奈子はまだやっていなかったが払うつもりだったと認め、坂崎君子も同じくまだだが何とかしようと思っていたと言う。
俊介が津久見にやり方を聞くと受験前夜にお金を払った親があるホテルに集められ問題を教えられ、それを手書きで写しその夜親子で回答を作る、というものだと言う。
そして英里子からはもう一度会って話がしたいということで昨晩の夜9時に貸別荘近くで会うことになっていたという。
そのやり取りがあったあと津久見は藤間と関谷に相談したが、その話をある子供が聞いてしまったという。
そして津久見は約束の時間に約束の場所に行くと高階が血を流して死んでいたという。
なぜ警察を呼ばなかったかというと死体近くに例の子供たちの特殊な靴の足跡が沢山あったからだと言う。
みんなで死体をどこかに隠さねばということになり運び出したが、そこに予想外の展開つまり俊介から今から戻るという電話があったことで混乱したという。
そして事実を話せば警察に連絡するだろうと思いあのような芝居をしたのだが発案者は妻の美奈子だという。
凶器の大きな石は全て死体を湖に沈める重しに使ったという。
坂崎は藤間から全容を聞かされ子供を守るために同調したという。
俊介は問題は犯人は誰なのかと聞くと関谷が説明しだす。
関谷は津久見と英里子の会うところを見るために玄関に行くと子供の靴が一つなかった、そして津久見の片方の靴が無かった、ということは津久見を足止めに時間を稼ぐことで一人で英里子を殺したことになると言う。
そして藤間は誰が犯人かは分からないという。
俊介はしばらく呆然と立ち尽くし美奈子に、本当なのか、と聞くが黙ってうなずいた。
俊介はみんな、そして美奈子は自分の子供が殺人をしていないと信じられないのか、と言う。
しかしみんなが俊介だけは偽装工作に反対するだろう、と思った理由は息子が実の子供ではないからだ、と藤間も美奈子も言う。
俊介はそれでも理解できない、だから警察に届ける、と言って部屋を出ようとする。
俊介は自分の部屋に戻ったがそこに美奈子が来て藤間の話に一部ウソがあるという。
試験漏えいの見返りはお金以外に有り関わっている職員は男性二人、女性一人だという。
そして見返りとして母親が身体を提供すると言い、その斡旋者が津久見でありはっきりとは言わずそれらしきことを匂わせるのだという。
美奈子自身は決心がつかず保留状態でそろそろ結論を出さなければならい時期だった、そのときのためのコンドームだったと言う。
そして推測だが一枝と靖子は関係があり夫たちは知らない振りをしているのだと言い英里子の写真は金銭授受ではなくラブホテルから出たところの写真だと言う。
そしていくら子供ためとはいえ、そういったことはわだかまりがあり苦しみから逃れるために「自由恋愛」という逃げ道を作ったと言う。
かつ藤間は合法ドラッグを入手でき藤間・関谷夫婦は時々「パーティー」しており最近坂崎本人が参加したと言う。
妻の君子は軽蔑しているが息子が一番成績が悪い、また彼女の手術により夫婦生活はなくなり悩んでいたと言う。
それを聞いた俊介は、やはり狂っている、と言って部屋から出ようとすると美奈子が鋏を手に取り立っていた。
美奈子が警察に行くなら、犯人は私だといってほしい、と言うと、本当のことしか言うつもりはない、と言って部屋から出た。
部屋からは美奈子の鳴き声が聞こえた。
俊介は車に乗り貸別荘に行き息子の章太と話をする。
章太は腰を痛がっていたお父さんのために作ったと言う工作物を嬉しそうに見せた。
そして帰りは3人で一緒に帰るのか、と聞くと、そのつもりだ、と答えると章太は喜ぶ。
俊介は車の中で一人10分ほどエンジンもかけずにいた。
そして藤間の別荘に戻ると玄関に美奈子がいた。
俊介は美奈子に息子が父親を愛人から取り戻したい、と言う理由があるのなら犯人は息子であり、その原因は自分にあり息子に傷をつけないようにしなければならないと言う。
そして我々は相当な覚悟が必要だ、と言うと美奈子は、分かっている、と言って夫の背中に手を回してきた。
・感想:
凄い。その気持ちは隠せない。
オチは読めなかった。
二転三転四転五転くらいした。
元々読むつもりはなかったのだが今回の緊急の入院の際、ラウンジにあったので読んだ。
色々なテーマが織り込まれている。
見栄による中学受験、仲間外れという疎外感、中年夫婦の倦怠感、男性の浮気願望の強引な自己正当化、
血のつながらない父と息子の微妙な空気、立場を利用した違法な快楽主義、病気の家族を持つ夫婦関係の破たん、
子供を守るために自らを犠牲にする親子愛、などなど。。。
実際このような裏口入学はノンフィクションではと思えてしまった。
東野圭吾が人気があるのは納得してしまった。
東アジアでも人気があるそうだが当然だろう。
チャンスがあれば他の作品も読みたいと思う。