受売り美術小話:2-1マリー・アントワネットの肖像画 | スーラ・ウタガワの「画家ごっこ雑記帳」

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画家ゴッホではありません、画家ごっこです。

浮世絵名所の再発見をコンセプトに自分の気に入った名所を探して油絵を描いています。

そんなリタイア後の画家ごっこライフや、美術についての受け売り雑話をアップしているブログです。

 

前回のナポレオンの絵画はプロパガンダとして大成功しましたが

 

その少し前のブルボン朝王妃マリー・アントワネットの場合はそうはいきませんでした。

 

 

 

何をやっても悪いほうに転んだ悲運の王妃

マリー・アントワネット

 

 

「薔薇を持つマリー・アントワネット」

エリザベド・ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン画

1783年・ヴェルサイユ宮殿美術館

 

女流画家として有名なルブランが描いた豪華な衣装を着た

美しい王妃マリー・アントワネットの代表的肖像画です。

 

 

 

 

ところが、この絵にはその前に描かれた同じポーズの作品がありましたダウン

 

 

 

「ガリア服を着たマリー・アントワネット」

エリザベド・ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン画

1783年・ワシントン・ナショナルギャラリー(アメリカ)

 

王妃は贅沢三昧をしているという非難をかわすために、ガリア(フランス

の古代名)風の質素なドレスで肖像画を描き、当時すでにあったサロン

(フランスアカデミー主催の展覧会)に王妃の肝いりで出品したのですが

「王妃がシュミーズ姿になっている破廉恥だ!」と散々な評判でした。

 

(陰の声:「シュミーズ」って何?・・・昭和生まれの方は知ってるよねニヤリ

 

 

そこで、前の豪華な青いドレスの肖像画を描かせたのですが

 

「ほら、見ろ!やっぱり贅沢三昧な格好をしている」とまたまた非難の嵐でした。

 

(陰の声:マリーちゃんとしては「どないしたらいいねん!」という心境だろうねえーん

 

 

 

また、こんな肖像画を発表すれば・・・ダウン

 

 

「地球儀を見るマリー・アントワネット」

 

「女のくせに地球儀なぞ見て政治の世界に口を出している!」などど

言われ、何をしてもボロクソでした。

 

 

 

 

これはいかんと、イメチェンのためにこんなアットホームな

作品も描かせましたダウン

 

 

「マリー・アントワネットと子供たち」

エリザベド・ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン画 

 

アントワネットの子供たちはマリー・テレーズ王女、ルイ・シャルル王子

ルイ・ジョセフ王子、ゆりかごの中はソフィー王女の4人です。

 

 

この作品はそれなりに好感はもたれたようですが・・・

 

しかし、もう手遅れで革命の足音はすぐそこまで迫っており、歴史の歯車は

 

止められませんでした。

 

 

 

 

こうして折角のイメチェン戦略も効をそうせず

 

とうとう1793年に国王ルイ16世に続いて処刑されてしまいましたダウン

 

 

 

「処刑されるマリー・アントワネット1793年10月16日」

ウイリアム・ハミルトン画・1794年・フランス革命美術館

 

 

もっと早くからフランス国民の母としてのイメージ戦略が必要だったねガーン

 

元マーケティング・プランナーのごっこスーラに依頼してくれれば何とかしたかも・・・

 

 

(陰の声:ごっこスーラのようなヘッポコプランナーでは無理だと思うねグラサン

 

 

 

 

なぜ、マリー・アントワネットはフランス人に嫌われたのでしょうか?

 

次回もアントワネットの小話を続けてこの問題を考えてみたいと思います。

 

 

 

<受売り美術小話:2-1マリー・アントワネットの肖像画・了>

 

 

 

 

 

 

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