登場人物
モモ
キド
マリー
モモ(私は、多分世間には「天真爛漫で元気いっぱいなアイドル」として認知されているんだと思う。
自分で言うのは変かもしれないけど、周りの人の態度からなんとなく分かっている。
仕事を初めて放り投げてしまったあの日。
そう、みんなに会えたあの日。)
キド【・・・お前が如月モモか?】
モモ【え・・・?】
モモ(そっかあ、あれから全てが始まったんだったなあ。)
マリー【は、初めまして・・・あの・・・私・・・】
モモ【えっと、団長さん。この子は・・・?】
キド【ああ、こいつもうちの団員だ。
だが、見てのとおり人見知りでな。
普通ならこうやって出てくるのも珍しいんだが・・・
お前気に入られたみたいだぞ?】
モモ【ええっ、そ、そうなんですか・・・?
あー、んんっ、
こ、こんにちは!私如月モモって言います。
えっと、名前を聞いてもいいかな?】
マリー【わ、私・・・マリー、です・・・。】
モモ【マリーちゃん!これからよろしくね!】
マリー【う、うん・・・!!も、モモちゃん・・・】
モモ【私、人気アイドル~とか言われてますけど、
本当はこのお仕事今嫌になってて・・・
この能力って確かに仕事だと活用できるんですけど、
注目されるが故?ってやつなんですかね?
こう・・・冷たい目で見てくる人もいて・・・】
キド【・・・そうだったのか。
いや、そうだよな。注目され過ぎたらされ過ぎたらで
嫌なことも・・・勿論あるよな】
マリー【そっか、モモちゃんの能力って、えっと・・・
人を惹きつける?能力だっけ】
キド【マリーが持ってたら、大変な事になりそうだな】
マリー【ひい・・・!!か、考えただけでちょっと怖い・・・。
私、人の視線苦手・・・。
化け物扱いされてきたから・・・】
モモ【ば、化け物?】
キド【ああ・・・信じられないかもしれないが、
マリーの先祖はあの有名なメデューサなんだ】
モモ【め、メデューサぁ!?】
マリー【ほ、本当だよ!嘘じゃないよ!
お母さんが言ってたもん!お婆ちゃんは魔法みたいな力を持ってたって!】
キド【キサラギ、お前もさっき見ただろう?
マリーをからかったカノが能力で動きを止められていたところを
あれがマリーの能力。
俺たちは『目を合わせる能力』と呼んでいる】
モモ【あ、そういえば・・・】
マリー【えっと、私は人間とメデューサのクォーター?だから、
色んな人に気味悪がられてきたの】
モモ【そんな・・・】
モモ[そっか、みんなも能力のせいで嫌な思いをしてきたんだ・・・。
私だけじゃ、なかったんだ・・・]
キド【キサラギ?】
モモ【私・・・この能力の事兄以外に話せなかったので・・・、
ずっと自分だけが異質だって思って生きてきたから・・・
能力を持ってるみんなとこうやって話せて、
なんか安心したというか。
私は一人じゃなかったんだって思えたというか】
キド【・・・ああ、そうだ。
これからは俺たちがついてる。
少しは助けになれる事もあると思う。
だから、遠慮なく頼ってくれ】
マリー【わ、私もできる限り頑張るから・・・!!
だから、えっと、つらい時とかはお話聞くよ?】
モモ【マリーちゃん・・・団長さん】
モモ[そっか・・・私これからは一人じゃないんだ!]
モモ【自分は一人じゃないと分かった時から、
もう前みたいに泣くことはなくなった。
今はこのお仕事をほんの少しだけど誇りに思っていたりする。
でも、それでも。
周りの視線や言葉に挫けてしまいそうな時は勿論あって】
モモ「・・・アジト行こうかな。
でも、急に行ったら迷惑かな・・・」
キド『遠慮なく頼ってくれ』
モモ「・・・よし、行ってみよう」
(アジト前まで移動した)
モモ「ええっと、インターホンは・・・」
ピンポーン
ガチャ
キド「はい、・・・キサラギ!
久しぶりだな、どうしたんだ?」
モモ「あ、えっと・・・」
モモ(駄目だ、上手く言葉が出てこない・・・)
マリー「キド?お客さん?あ、モモちゃん!
遊びに来てくれたの?」
モモ「・・・マリーちゃぁん・・・団長さぁん・・・」
(モモが泣き出す)
キド「き、キサラギ!?ど、どうしたんだ!?」
マリー「も、モモちゃん!?」
モモ「う~~・・・ちょっと、仕事で嫌なことがあって・・・それで~~!!」
キド「・・・そうか。
よしよし、頑張ったな。キサラギ」
マリー「なにかつらい事があったの・・・?
キド「みたいだな。
とりあえず中に入れ。
暖かい飲み物でも淹れよう」
マリー「あ、私がやる!」
モモ「ひっく、なんか急にずみま、ぜん・・・」
キド「何言ってるんだ、前にも言っただろう?
遠慮なく頼れって」
マリー「そうだよモモちゃん!
私たち同じメカクシ団なんだから!」
モモ(独りじゃないって、
こんなに、こんなに心強くて
あったかいものだったんだ――)
モモ「うわあ~~ん!」
キド「キサラギ!?」
マリー「ど、どうしようキド!
モモちゃんさらに泣き出しちゃったよ・・・!!」
モモ「う、うれじぐで・・・ごめんなさい・・・涙、とまんない・・・っ!!」
モモ(その日はみんなと出会えたあの日と同じくらい、
いやそれ以上に凄く嬉しくて、言葉にできない日になった。
独りじゃない事の本当の意味を知れた日にも、なった)