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カゲプロ台本置き場(仮)

管理人の刹那が趣味で書いたカゲプロ台本を落としていくブログです。
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使う場合は連絡をくれるとありがたいです。
依頼されればそれ用に台本書いたりもします。
たまに腐向けな小説も書くのでご注意を

エネ(私は知っている、彼が誰より傷つきやすいことを)

 

シンタロー(俺は知っている、彼女が誰より苦しんでいることを)

 

貴音(私は知っている、彼が誰より優しいことを)

 

シンタロー(俺は――)

 

エネ「優しさ」

 

 

(場面 高校時代

 

貴音が教室で机の上で寝ているところにシンタローが入ってくる)

 

 

シンタロー「遥せんぱーい!

借りてた本返しに・・・あれ?

いねえ・・・トイレか?」

 

貴音「すー・・・すー・・・」

 

シンタロー「ん?

あ。

寝てる・・・机の上なんかでよく寝られるな・・・」

 

(シンタローが貴音を覗き込むように机の傍にしゃがむ)

 

シンタロー「・・・すっげー隈。

ゲームなんかしてないでこうやって寝れば・・・。

あー確か、なんか病気持ってるんだったか」

 

(場面転換 シンタローの子供時代の記憶)

 

親戚の人「ねえ知ってる?あの子天才って言われてるらしいわよ。

 

小学校の先生「いやあ如月は本当に頭がいいなあ!」

 

シンタローのお母さん「シンタローはいい子ね」

 

幼少期シンタロー(だって、こんなの簡単だ。

見たものを書けばいいだけじゃないか)

 

小学生A「気持ち悪いんだよお前!すっげー前の約束なんか覚えてて!

あんなの嘘に決まってるだろ!?」

 

幼少期シンタロー「だって、約束は・・・」

 

幼少期シンタロー(約束で・・・)

 

幼少期シンタロー「俺が、悪いの?

俺が頭おかしいのが悪いのか?」

 

幼少期モモ「おにいちゃんは頭悪くなんてないよ」

 

幼少期シンタロー「モモ・・・」

 

幼少期モモ「だっておにいちゃんは世界一の天才だもんね!」

 

幼少期シンタロー(やめてくれ、俺をそんな風に見ないでくれ)

 

幼少期シンタロー「う、ぇ・・・ぁ、ぁぁぁ・・・!!(過呼吸)

 

幼少期モモ「おにいちゃん!おかあさん!お兄ちゃんが!」

 

お母さん「ストレスですって」

 

幼少期シンタロー「ストレス・・・」

 

お母さん「大丈夫よ。シンタローならきっと大丈夫

あなたは私の自慢の息子だもの!

周りのことなんか気にしちゃだめよ」

 

幼少期シンタロー(嫌だ、もう

消えたい・・・いなくなりたい・・・

俺がいなくても誰かがきっと代わりになってくれる・・・

誰か、

そうだって言ってよ・・・!!)

 

(回想終わり)

 

シンタロー「・・・っは・・・!!

はぁ・・・はぁ・・・ぐ、」

 

クラスメイト【榎本さんのあれって絶対仮病だよね】

 

シンタロー(何より苦しいことはきっと)

 

貴音「うう・・・」

 

シンタロー「!」

 

貴音「私は、わるく・・・ない・・・。」

 

シンタロー「・・・先輩?」

 

(貴音が瞼を少し開ける)

 

貴音「だって、仕方ないじゃない・・・。

生まれ持っちゃったんだから、どうにも出来ない・・・」

 

(貴音の瞼から涙がこぼれる)

 

貴音「・・・ぐう」

 

シンタロー「寝た!?は!?

え!?」

 

貴音「すー・・・すー・・・」

 

シンタロー「い、今の起きてたのか・・・?」

 

シンタロー(生まれ持ってしまった、もの)

 

シンタロー「そうだよな、仕方ないよな」

 

貴音「あれ・・・?」

 

シンタロー「!」

 

貴音「私寝てたの・・・?遥、いまなんじ・・・?」

 

シンタロー「四時過ぎ」

 

貴音「遥、五時になったら・・・起こして・・・ぐう」

 

シンタロー(俺を先輩だと勘違いしてるのか・・・?)

 

貴音「ねえ、遥」

 

シンタロー「・・・」

 

貴音「どうにもできないなら、それはもう仕方ない、事だよね」

 

シンタロー「・・・そうだね

仕方ない」

 

貴音「だよね・・・よか、った・・・」

 

シンタロー「おやすみ、貴音。

ゆっくり休んでね」

 

(シンタローが貴音の頭を撫でる)

 

(場面転換 シンタローの部屋)

 

シンタロー「・・・ん?」

 

エネ「ご主人!やっと起きたんですか!?

今もう夕方ですよ!」

 

シンタロー「あーやべえーねすぎたなー」

 

エネ「そう思ってるなら、少しは体を起こしたらどうですか?」

 

シンタロー「まだ・・・ねみぃ・・・」

 

エネ「まったく、本当だらしないですね!」

 

シンタロー「・・・なぁ、エネ」

 

エネ「はい?」

 

シンタロー「前に話したことあったっけか。

俺には二人仲いい先輩がいてよ。」

 

エネ「!そうなんですか」

 

シンタロー「あーでも、一人は仲は良くなかったな。

すっげー気強くて何かとつっかかってきて、

そのくせ素直じゃねーし」

 

エネ「・・・それ?悪口ですか?」

 

シンタロー「かもな」

 

エネ「先輩の悪口ってどうかと思いますけど」

 

シンタロー「あんまりそんな感じしなかったんだよな。なんつーか、対等に話してる感じがしたっつーか」

 

エネ「対等に、ですか?」

 

シンタロー「うまく言えねーけどさ。

その人、重くはないけど

一個病気持ってて、ん?あれ病気……ま、いっか。」

 

エネ「適当すぎません?」

 

シンタロー「あー……うん、それで。

人前じゃ死んでも泣かないって人だったんだけど、

一回泣いたところを見た事があって」

 

エネ「……え!!!!???それいつですか!!!??」

 

シンタロー「うわっ!?なんだよ!?」

 

エネ「あ……いえ、なんでも」

 

シンタロー「……?

あーそれでな。

その人が寝ながら、

呟いてたんだよ。

生まれ持ってるものは仕方ないってさ」

 

エネ「…」

 

シンタロー「俺、自分で言うのもなんだけどすげー頭いいだろ?」

 

エネ「事実ですけど、頭悪そうに聞こえますね」

 

シンタロー「そこは流せって!

……小さい頃はそれで色々言われてたんだよ。同い年のやつに気味悪がられたりとか、親に変な期待されたりとか、

……妹にも。

あーそうだそうだ。

それで一回過呼吸にもなかったな」

 

エネ「え?」

 

シンタロー「別に自分の存在なんて、大した事ないって思ってた。

俺が死んだって誰かが代わりになるって。俺が死んだところで世界は変わらないって、

そう思い込んでた。

じゃないと、やってられなかった」

 

エネ「……」

 

シンタロー「多分寝ぼけながら言ってたんだと思うんだけど、その言葉になんか……すげえ救われたんだよな。

ああ、俺は悪くないんだなって。

【仕方のない】事なんだなって」

 

エネ「……それは、

あ!」

 

シンタロー「どうした?」

 

エネ「あ~~……あーー!!」

 

シンタロー「急に唸りだしてどうした!?」

 

エネ(思い出した…!私そんな事言ってた……寝ぼけながら……それで、)

 

シンタロー【おやすみ、貴音。

ゆっくり休んでね】

 

エネ(じゃあ、あの時

頭を撫でてくれたのは……遥じゃなくて……)

 

エネ「シンタロー……だったんだ」

 

シンタロー「え?」

 

エネ「あー!いやなんでもないです!

忘れて下さい!」

 

エネ(そうだ、こいつはそういうやつだった。虚勢を張るけど、死ぬほど傷付きやすくて、でもその分誰よりも優しい、

不器用なやつ)

 

エネ「……そうですよ、それは仕方のない事ですよ!」

 

シンタロー「……だよな。

あー……なんか眠くなってきた……

もう一回寝るわ……」

 

エネ「……子守唄でも歌ってあげましょうか?」

 

シンタロー「え?急にどうしたんだよ……気色悪いな……」

 

エネ「むきーーっ!!

人の善意をーーーっ!!

本当生意気だなー!」

 

貴音【生意気ー!!】

 

シンタロー「…………似てる?」

 

エネ「へ?」

 

シンタロー「いや、なんでもねえ……また寝る……あ、サイレンは流すなよ!」

 

エネ「え~~!!どうしよっかな~!!」

 

シンタロー「お前は本当……」

 

エネ「今日はしません」

 

シンタロー「へ?」

 

エネ「今はご主人をいじりたい気分じゃないんです」

 

シンタロー「お、おう……そうか……

じゃあ、おやすみ」

 

エネ「うん、おやすみなさい。

シンタロー」

 

シンタロー「……すう……」

 

エネ「ごめんね、シンタロー。

私はあの時のあんたみたいに、

頭を撫でてやることも出来なくなっちゃった。

でも、ずっとそばにいるから。

ずっとここにいるから。

だから……」

 

貴音(生意気な後輩。

でも本当はずっと誰より傷付きやすくて、優しい

私の可愛い後輩)

 

シンタロー(ムカつく先輩。

強情で素直じゃない。

でも、きっと誰より頑張って、苦しんでいる)

 

貴音(何より悲しいのは)

 

シンタロー(誰にも理解して貰えない事)

 

貴音(ああ、でも)

 

シンタロー(あんたは)

 

貴音/シンタロー(きっと、分かってくれてたよね)