今回の建設IT注目情報 ~応用技術「太陽光パネル見積システム」~

 太陽光発電パネル市場では、国内の大手電機メーカーの製品や、中国、韓国など海外からの輸入品が猛烈な競争を繰り広げています。

 メーカー傘下の工務店も、顧客との打ち合わせから設計、見積もり、提案までの作業に時間がかかりすぎると、仕事を他社に取られてしまいます。

 そこで、CADやGIS(地理情報システム)などを手がける応用技術は、これらの作業をスピーディーに行える「太陽光パネル見積システム」を昨年6月、開発しました。


 複雑な図面を描くソフトですが、
 
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、 CAD操作に習熟していない
 
営業マンでも使える
 
ほど、操作が簡単になっているのです。

 

 工務店の営業マンは、まず建物の平面図をCADファイル(DXF形式)やスキャナーで下図として取り込みます。下図をトレースするように外壁線を描き、軒の突き出しや屋根勾配などを入力すると屋根伏図が完成します。

太陽光パネルを取り付ける屋根面を選び、頂点をクリックすると屋根面内に自動的に太陽光パネルを分割したモジュールや架台の配置が決まります。

そして「自動回路分け機能」を使って、モジュールを回路ごとに分け、配線の接続をチェックすれば入力作業は完了です。

 その後の年間発電量のシミュレーション、見積書の作成、パネル配置図や回線配置図、架台金具配置図などの複雑な図面作成作業はシステムが自動的に行います。

 顧客から太陽光発電システムの引き合いがあれば、営業マン自らが設計を行い、見積書や図面、発電シミュレーションなどの資料を用意し、すぐに提案できるので商機を逃しませんね。

この見積もりシステムは、太陽光パネルメーカーごとに開発し、そのメーカーの製品を扱う工務店が使うことを想定しています。開発費用は通常、メーカーが負担し、工務店は無料で使います。

 システムの開発費用は、ベースとなるCADエンジンと、メーカーの要望に応じたカスタマイズの費用を合わせて最低700万円~最高1500万円とのことです。そして、年間サポート費が開発費の10%程度かかります。これまで6社から受注した実績があります。

 応用技術の代表取締役社長を務める前原夏樹さんによると、「太陽光パネル見積システムは当社の製品、サービスの中で最も引き合いが多い」とのことです。その秘密は、どこにあるのでしょうか。

イエイリはここに注目した! ~自社製品のデータだけを入力し、工務店を囲い込み~

 見積もりシステムを使って太陽光パネル設置工事の成約率が高まると、工務店はこのツールが手放せなくなります。その結果、メーカーにとっては自社製品を扱う
 
工務店を囲い込む
 
効果が期待できるのです。

 通常、無料でシステムを配布するためには、ユーザーの数だけCADソフトの使用料を払わなくてはいけません。ところが、このシステムには応用技術が独自開発したCADを使っており、同社は何人のユーザーでも使えるようにしました。

 また、メーカー側に設置したサーバーでこのシステムを動かすこともできます。この方法を使うと、メーカー側は現在、引き合い中の物件や顧客などの情報が集まりますので、これらの情報を収集・分析して製品の開発や製造などに役立てることができます。

すなわち、無料の見積システムの性能が良ければ工務店も競争を勝ち抜くことができ、メーカーにとっては製品の販路拡大が期待できるわけです。自社開発のCADソフトをメーカーのマーケティングツールとして生かす発想は新鮮ですね。

 今後、応用技術ではユーザー側のパソコンにシステムをインストールせず、ウェブブラウザーだけで使えるようにする「クラウド・コンピューティング・サービス化」も検討しています。


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