舞台に立つとき
どんな意識が必要かと聞かれることがあります。
舞台では稽古のように
稽古では舞台のように
自分の先生に教わった言葉です。
私はお稽古の時には、振りをどうするかというより
どのような状態で立って、体をどう使うか
ひとつずつの動きの中で、何となくではなく
明確にどうするのか、
自分の意識したことが動きに反映されているか
自分で腑に落ちたことの結果が動きになることを
できる限り繰り返して練習します。
稽古でできるようになったことが舞台でできることです。
舞台で心を込めて、などは何の助けにもなりません。
心はどこから出てくるのか
自分の意思で動いた体から出てきます。
舞台では何が起こるかわかりません。
決めたタイミングで出てきてくれるはずの相手の
タイミングが違っていることもあるし
自分でしていた使い方の具合が狂っていて
次につながりにくい時もあります。
ただそれも想定していたら
そういう時にはどんなやり方があるか対応できます。
練習した自分が腑に落ちた状態を
どれだけ冷静に舞台でできるか
想定外のことが起こった時にも
それをなんとかできる経験を持っているか
なかったとしても、自分からパニックにならなければ
何とかなります。
舞台はそういうことの集大成。
稽古でしたことを、稽古場とは違う状況の場で
することになります。
すぐにできることではありませんが
意識して練習するのと
言われたことだけに必死になっているのとでは
違います。
舞台で踊るのは先生でなく自分です。
言われたそのままを体に入れるのでなく
先生の注意を自分の言葉に変換して
今の自分にできることを
自分の意思でどれだけ冷静に舞台に立てるかを
稽古でやっていくことが
舞台に立った時に活きてきます。
あくまで、これは私の考え方。
あなたはどう思い、何をするかを明確にして
自分の舞台に立ってみて下さい。
自分で思ったことはできるようになります。