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※記事と併せてご覧下さい。日本の平和主義と立憲政治を守れ!~終戦70年に思う(演説ビデオ)

 

 

米大使館のエルサレム移転で中東和平はどうなるのか

~日本のクリスチャンが執り成すべき平和の祈り~

 

                  コムリサーチLLC代表 瀬戸健一郎

 

■バビロン捕囚70年とイスラエル建国70周年

 

バビロンに70年の満ちるころ、わたしはあなたがたを顧み、あなたがたにわたしの幸いな約束を果たして、あなたがたをこの所に帰らせる。(エレミヤ29:10)

 

 エルサレム神殿がバビロンの王ネブカドネザルによって破壊され、ユダヤ人がバビロニア地方に強制移住させられたのが紀元前586年。彼らが再びエルサレムに帰還が許されて、第二神殿が完成したのが紀元前515年でしたから、エルサレムの第一神殿が崩壊し、第二神殿が復興した時、預言どおり「バビロンに七十年の満ちるころ」バビロン捕囚が終焉したことになります。

 

 エレミヤによる「バビロン捕囚70年」というこの預言が成就したことから、70年という年月が聖書的にも重要な意味を持つとされ、日本でも戦後七十年を迎えた2015年に、多くのクリスチャンたちが平和を思い、日本のリバイバルを願って、祈りの手を挙げました。

 

 今年はイスラエル建国70周年。記念日となる5月14日には、米国大使館がテルアビブからエルサレムに移転し、中東和平が大きな転機を迎えています。

 

■米国大使館のエルサレム移転について

 

 1995年に米国連邦議会は上下両院で、「遅くとも1999年5月31日までに大使館をエルサレムに移転する」ことを定めたエルサレム大使館法を成立させていましたが、クリントン、ブッシュ、オバマの歴代大統領は外交安全保障政策に関する大統領権限で、事実上これを半年ごとに延期してきました。

 

 トランプ大統領も就任後、2017年6月と12月にエルサレムに大使館を移転する権利を放棄する法案に署名して、エルサレムへの大使館移転を既に2回延期しています。しかし昨年12月、2度目の署名に際してトランプ大統領は「イスラエルの首都はエルサレムである」ことを宣言し、米大使館をエルサレムへ移転する準備を開始すると表明しました。

 

 実際の米大使館のエルサレム移転は、もともとあった米総領事館に大使館の看板を掛けただけのことで、新たな用地取得や建物の建設は実行されませんでした。しかし、大統領選挙での公約をイスラエル建国70周年に合わせて実現したトランプ大統領のこの決断は、アメリカ合衆国がこれまで標榜してきた中東問題の「公正な」仲裁国としての立場を一方的に放棄するものであり、無責任だと批判されています。特にパレスチナに絶望が広がっています。

 

■中東問題の本質と欧米諸国の対応

 

 中東問題の根源を旧約聖書に求めると、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のすべての信徒が「信仰の父」として敬うアブラハムに遡ります。彼がエジプト人女性ハガルに産ませたイシュマエルがパレスチナ(=アラブ人)の祖となり、正妻サラに産ませたイサク(の子ヤコブ)がイスラエル(=ユダヤ人)の祖となります。この異母兄弟の家系の家督相続争いに、そもそもキリスト教国である欧米先進国が「公正な」仲裁国たりえるのでしょうか。

 

 十字軍の遠征によって多くの命を奪い合ったのは、エルサレム奪還をめざした西欧のキリスト教諸国とパレスチナのイスラム教諸国でした。イスラム教徒は異母兄イシュマエル(=アラブ人)の系譜、キリスト教徒は信仰的に異母弟イサク(正確にはイサクの子ヤコブ)に遡る系譜に繋がっていますから、そもそもキリスト教国が中東問題の仲裁国にはなり得ない理由がここにあります。

 

 特に英国は第一次世界大戦中に中東をフランスと分割統治することを約束し、同時にユダヤ人国家の樹立とアラブ人国家の樹立をそれぞれ認めると約束した「三枚舌外交」を展開して、今日的な中東問題の原因を作りました。米国は自国で大きな経済力を発揮するユダヤ資本を背景に、ユダヤ人がエルサレムへの帰還と国家再興をめざす「シオニズム運動」を軍事的にも支援してきました。これに加えてアラブ諸国が握っているスエズ運河などの地政学的な利権と膨大な石油利権が複雑に絡み合い、中東和平は常にイスラエル寄りの「二国家共存」(イスラエルとパレスチナの共存)を建前に、話し合われてきたのです。

 

 米国のトランプ大統領が、そのような建前論を放棄して、「二国家共存でも一国家案でも構わない。」と発言し、イスラエルの首都として国際社会が未承認のエルサレムを首都であると宣言して、大使館を移設させたことで、中東問題が新たな局面を迎えようとしています。

※せとけん解説:「イスラム国の人質事件に思う~アメリカの外交政策とパレスチナ問題の本質」はこちらをお読み下さい。

 

■真の中東問題の仲裁国たりえるのは日本である

 

 バビロン捕囚七十年を想起させるイスラエル建国七十周年。この節目の年に、真に「公正な」仲裁国たりえる先進国は日本なのではないか。私は海外で過ごした若い頃からそんな思いを抱き続けて政治の世界に入りました。米国に追従するばかりで思考停止状態だと指摘される日本の外交安全保障政策の現実の中で、日本独自のスタンスを見失ってはなりません。霊の目を開き、知恵と啓示の御霊を求めつつ世界の困難に立ち向かう。

 

 トランプ大統領の言動がいかに唐突で非難の的になろうとも、絶大な権力を誇る為政者の思いや行いがすべてではありません。まったく異なる次元で神様の御手が動くことがあるのです。戦争を繰り返す愚かさを改めるには、当事者以外の人々が執り成し祈ることを、神様ご自身が求めておられるのだと感じます。

 

 日本人は幸いにも中東の歴史とは無縁で、独自の歴史を歩んできました。日本人はユダヤ人もアラブ人も差別しません。キリスト教が迫害された歴史の中にあっても、日本人にはイエス・キリストの一方的な恩寵だけが届けられてきたのです。旧約の時代から十字軍の時代にいたる世界の血塗られた過去にも無縁でしたからから、私たち日本のクリスチャンはイエス様の目線で中東問題を最も公平平等に受け止めることができます。これは神様から与えられた特権です。

 

■まずはパレスチナを国家承認する

 

 ですから日本はイスラエルもパレスチナも同胞として愛することを世界に示していくべきだと私は思います。エルサレムがイスラエルの首都であるならば、パレスチナの首都もエルサレムであり、イスラエルが国家であるならば、私たちはまずパレスチナを国家として承認すべきなのではないでしょうか。

 

 国連加盟193か国中、136か国がパレスチナを国家として承認しています。国連安全保障理事国では、ロシアと中国以外は承認していませんが、南米ではコロンビア以外、アフリカではカメルーンとエリトリア以外、アジアでは日本、韓国、中華民国(台湾)、シンガポール、ミャンマー以外のすべての国連加盟国がパレスチナを国家として承認しています。

 

 日本は米国を説得して、パレスチナを国家として承認できるでしょうか。

 

 アメリカ合衆国は建国以来、多民族多文化が共生する象徴的な国家として繁栄してきましたが、それは「人種の坩堝(るつぼ)」と呼ばれる新しい国家観に多様な移民たちを飲み込み、同化させながら形成された社会でした。しかし昨今のアメリカ社会は国民の多様性を同化しきれず喘ぐ、「サラダボール」と呼ばれる現実に直面しています。

 

 「違い」を認め合う。ありのままに多様性を受け入れ合う社会。今、求められている価値観は世界が同化されていくニュアンスの強い「グローバリズム」とは異なる価値観なのではないでしょうか。世界的な傾向として指摘されている「保守回帰」とか、「ナショナリズム」は、今日的な変化の通過点にすぎないと私は考えます。

 

■贖いの賜物を活かして、二国家共存から統一国家建設を支援

 

 ここでも日本が果たすべき役割があると気づかされます。例えば、聖徳太子の「和を以て貴しとなす」という思想は、違いを薄めていく(=同化する)ことではなく、むしろ個々の個性や価値観の違いを鮮明にして、その違いを認め合ってこそはじめて、本物の「和」が生まれる。「和して同ぜず」とも言われるこの「和の力」、「利他の精神」、「分かち合う心」は日本固有の価値であり、同時に聖書的な価値でもあります。

 

 日本社会で伝承されてきたこのような感性や感覚こそが、私たちが中東和平と世界平和の実現のために神様から与えられた「贖いの賜物」であることを覚えて、主に心から感謝します。どうぞ、私たちをお用い下さい。

 

 そして、イスラエルとパレスチナがそれぞれ国家として認め合い、真の「二国家共存」が実現された時、両国の首都となったエルサレムが結びの帯となって、統一国家樹立に向けた将来と希望の光が聖地を眩く照らすことでしょう。このビジョンに立ってこそはじめて、主がイスラエル建国70周年をバビロン捕囚70年にも増して大きな祝福に変えて下さると信じます。

 

 今こそ、私たち日本のクリスチャンが心ひとつに立ち上がり、中東和平と世界平和を執り成す祈りの手を、高らかに挙げていこうではありませんか。

 

平和をつくるものは幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるから。(マタイ5:9)

 

シャローム

 

イスラエル建国70周年を祝して

(本文:3,484文字)

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(ご参考)

※ご意見は、setokenichiro@gmail.comまでお寄せ下さい。

※「武力によらない平和をつくる」というビジョンの原点とも言える演説ビデオ:「安保法制を許すな!~平和主義と立憲政治を守るために」https://youtu.be/ky0H08ETs2Yは右のQRコードをスマホで読み取ると観られます。 by せとけん

 

瀬戸健一郎プロフィール                                      

1962年東京生まれ。YFU交換留学生として、米国ベルエア高校卒。卒業式でのビル・アーチャー下院議員との議論から、『等身大の日米関係』をつくるビジョンが与えられ、政治を志す。獨協大学法学部卒。英エセックス大学留学(政治学・国際法)。日本政治総合研究所事務局長を経て、草加市議会議員を6期務める。在職中、自治基本条例前文起草者として『だれもが幸せなまち』という理念を明記。議長、監査委員、議員団長等を歴任。青少年の国際相互理解を推進する公益財団YFU日本国際交流財団事務局長を経て、コムリサーチLLC.を設立。「明治維新と太平洋戦争の背景にある英米の世界戦略」、「清教徒とフリーメイスンの国・アメリカ」等のテーマで講演。聖書的価値観とコンテクストを土台として、幅広い見識と学問的知識を活かし、常に地球的視野で切実な問題解決に取り組む政治活動を展開中。

 

信仰歴:留学先の家族に導かれ、1981年米国聖公会聖マルコ教会で受洗。教区キャンプカウンセラー歴任。帰国後、日本同盟基督教団石神井福音教会で青年期を過ごす。天野弘昌牧師と出会い、1994年から草加神召キリスト教会所属。

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