「3年前からコロナで(がん検診の)受診率がぐんと下がった」

「胃がんの受診が12パーセントとかなり低くなっています」

「病院のデータを見ていましても早期がんが減って“進行がん”が増えているんです」

 

 

 

【解説】

 

この指摘は大変重要です。世界的にもコロナ禍の影響で、がんも含む慢性病の予防・早期発見に対する行動が減ったことが指摘され、がんなどの病気の見通しを悪くすることが懸念されてきました。

今回改めて受診の減少が示されたということになります。

日本のある研究では、診断時ステージⅠやⅡの大腸がんの減少と診断時ステージⅢの大腸がんの増加が判明しています。

これは「見つかった時にはかなり進んでいる」「治らない場合に見つかってからの経過が早い」ということと関係するもので、今後この遅延が死亡率を上げる可能性も指摘されています。

個々の対策としては、自治体で行われている検診に意識的になること、また身体の不調があればそれを放置せずに、しっかり医療機関にかかって検査を受けることだと考えられます。

がんは適時に診断することで年々見通しは良くなっています。皆で声をかけ合って、手遅れとなるのを防ぎたいものです。