「あれ金子さんって、この曲お気に入り?
コピーはしなかったけど、僕も好きなんだよね」
村野は、久美が唄っているのを見るとギターを弾くまねをしながら天井を指差した。
「村野君バンドやってたしね、こう言うバラードも聴いてたんだ!?
『素直になれなくて』いいよね。
とくに最後のフレーズ『You're going to be the lucky one』がね。
確か…初めて聴いたのは中学生の頃だと思うんだけど…
20歳(はたち)過ぎてからかな?詞の意味がわかるようになったのは…
『~君はラッキな人になりつつあるんだ』てね。
ほら、ここにも入っているよ!」
久美は、iPhoneを村野に見せた。
「え!金子さんも!!実はさ。僕もここにね」
村野もiPhoneを自慢げに取り出した。
「僕は好きなのはさ、最初のフレーズかな。
『Everybody needs a little time away.
I heard her say, from each other.
Even lover's need a holiday
far way from each other』
『誰でもお互いに しばらく距離をおく必要があるときだってくるのよ
~恋人同士でさえも お互いに離れる 休暇のようなものが 必要になるのよ』
ぐっとくるよね。
いや~感激だな~あこがれの金子さんが同じ曲を
僕と一緒にづっと聴き続けてたなんて!
それはちょっと言いすぎかな?」
そんな村野の言葉に久美は首をふった。
久美も嬉しかった。
25年間別々の道を歩いてきた二人が、こうして同じ思いを語っている。
昼下がりの通りは、いつもと変わらず足早に歩く人達が通り過ぎていく。
冬晴れの空はいつもより青く、
窓辺のポインセチアの葉(苞/ほう)はいつもより赤いなと久美は感じた。
です。
をかっさらっているという
です。
