こんにちは。世田谷区千歳船橋 せたがや漢方堂 の横山です
前回の記事 自然妊娠を望む方へ 不妊症の漢方薬がとても反響がありましたので、今日はもうちょっと具体的に、不妊症の漢方治療について書きたいと思います。
現在、不妊症の夫婦は6~8組に1組と言われています。年々増加傾向にあるということです。
不妊症の増加の理由の一つは晩婚化が挙げられます。
女性は35歳を過ぎると、生殖機能が徐々に低下していきます。卵子も老化して受精しにくくなります。
高度な不妊治療が身近になってきたため、高齢でも問題なく妊娠出産できるという社会の風潮ですが、どんなに医療が発展しても、人間の体は昔からそんなに急に変わるものではありません。
私が漢方の仕事を始めた20年前も、不妊症の相談は多かったのですが、当時は10組に1組と言われていました。
女性の社会進出が進むにつれ、結婚年齢も遅くなり、いざ、子供が欲しいと思っても、なかなかできずに何年も不妊で苦しむ女性がここ数十年でとても増えていると、この仕事を通して、実感します。
不妊症の漢方治療でまず一番大切なことは、母体となる女性の体の健康状態を良くすることです。
現在妊活中の方も多いと思いますが、まず、ご自分の健康状態に自信がありますか?
妊娠というのは、自分の体の中で命を育むこと。プラスアルファのエネルギーが必要になります。
自分の体調が悪くて、日々やっと送っているような状態では妊娠するのも難しいですが、その後10か月近く体の中で育てていくことも、産まれた後の育児も、とても難しくなります。
当店も不妊症のご相談は多いのですが、ほとんどの方が健康状態に多かれ少なかれ問題があり、まずはご本人の体調を整えるところから始めます。
ではここでタイプ別不妊症の漢方薬をご紹介します。
①血虚(けっきょ):体内の血液が慢性的に不足している状態。
症状:生理周期が遅れ気味、または無月経。経血が少ない、疲れやすい、貧血、めまい、冷えなど
→血液を補う漢方薬を飲みます。生理周期が整い、経血も増えてきます。めまいや貧血も改善し、元気になってきます。子宮内膜も厚くなってくるので、妊娠しやすくなります。
漢方薬:四物湯(しもつとう)、婦人宝(ふじんほう)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)など
②お血(おけつ):体内の血液が汚れていて血流が悪くなっていること。
症状:生理痛がひどい、経血は暗紫色で塊も出る。頭痛や肩こり、肌荒れ、のぼせ、便秘など。
→血液の汚れを取り、血流を改善する漢方薬を飲みます。生理痛が改善し、経血もきれいな赤い色になってきます。頭痛や肩こり、肌荒れ、のぼせなども良くなり、便通も改善します。子宮内の古血を出すことができるので、子宮内膜症や子宮筋腫も改善し、妊娠しやすい体になります。
漢方薬:キュウ帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、駆お血丸(くおけつがん)など
③肝鬱(かんうつ):自律神経を司る肝の働きが落ち、体の気の流れが悪くなっている状態。
症状:生理周期が一定していない、生理前症候群がある。イライラしたり鬱々しやすい。お腹や胸が張るような感じがする。不妊治療が長く、焦りがある。基礎体温の変動が激しい。
→肝機能を整え、気の流れを良くする漢方薬を飲みます。気分がすっきりし、イライラや鬱々しやすい所も改善してきます。生理周期が整い、基礎体温も安定していき、妊娠しやすい体になります。
漢方薬:柴胡疏肝散(さいこそかんさん)、香蘇散(こうそさん)、四逆散(しぎゃくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)など
④腎虚(じんきょ):東洋医学で腎とは、生殖器を司る部分。年齢とともに腎の働きは落ちていきます。
症状:35歳以上である、生理周期が安定していない。または無月経。腰がだるい、頻尿または排尿困難がある。初潮の年齢が遅かった。基礎体温では、低温期が極端に長いタイプと、低温期が短く、体温が高めのタイプと分かれます。
→腎を補う漢方薬を飲むと、生理周期も基礎体温も安定していきます。経血も増えていきます。また卵子の若返りも可能です。
漢方薬:六味丸(ろくみがん)、八味丸(はちみがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)など
⑤痰飲(たんいん):飲食の不摂生や元々の胃腸虚弱のため、体に余計な水が溜まっている状態
症状:標準より太っている、色白、体が重だるい、頭痛、頭重、むくみ、胃腸虚弱、生理は遅れ気味または無月経、経血の量も少ない
→体の水分代謝を良くする漢方薬を飲みます。また、冷たい物や甘いものなど体に水を溜め込みやすい食べ物飲み物は控えます。胃腸の調子が良くなり、体も軽くなり、生理も安定していきます。
漢方薬:当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、五苓散(ごれいさん)など
体調を整える漢方薬を数か月飲んでいただいた後、体調が整ってきたら、ご本人のご希望により基礎体温をつけながら周期療法をする場合もあります。
周期療法とは
生理期、低温期、排卵期、高温期と周期によって飲む漢方薬を変えていき、基礎体温にメリハリをつけることによって、より妊娠しやすい体づくりを目指します。
また、排卵期にしっかりタイミングを取ってもらいうことも大事です。
周期療法は基礎体温を基準にお薬を処方しますので、きちんと基礎体温をつけていただくことも重要になってきます。
また、病院で不妊治療中の方は、病院の治療と漢方薬の併用は可能ですのでご相談ください。
周期療法は半年から1年程度続けるつもりで始めてください。
男性不妊のご相談も承っております。是非奥様と一緒にいらしてみてください。
妊活中の方、体外受精などをしてもなかなか効果が出ないという方、是非一度ご相談ください。

前回の記事 自然妊娠を望む方へ 不妊症の漢方薬がとても反響がありましたので、今日はもうちょっと具体的に、不妊症の漢方治療について書きたいと思います。
現在、不妊症の夫婦は6~8組に1組と言われています。年々増加傾向にあるということです。
不妊症の増加の理由の一つは晩婚化が挙げられます。
女性は35歳を過ぎると、生殖機能が徐々に低下していきます。卵子も老化して受精しにくくなります。
高度な不妊治療が身近になってきたため、高齢でも問題なく妊娠出産できるという社会の風潮ですが、どんなに医療が発展しても、人間の体は昔からそんなに急に変わるものではありません。
私が漢方の仕事を始めた20年前も、不妊症の相談は多かったのですが、当時は10組に1組と言われていました。
女性の社会進出が進むにつれ、結婚年齢も遅くなり、いざ、子供が欲しいと思っても、なかなかできずに何年も不妊で苦しむ女性がここ数十年でとても増えていると、この仕事を通して、実感します。
不妊症の漢方治療でまず一番大切なことは、母体となる女性の体の健康状態を良くすることです。
現在妊活中の方も多いと思いますが、まず、ご自分の健康状態に自信がありますか?
妊娠というのは、自分の体の中で命を育むこと。プラスアルファのエネルギーが必要になります。
自分の体調が悪くて、日々やっと送っているような状態では妊娠するのも難しいですが、その後10か月近く体の中で育てていくことも、産まれた後の育児も、とても難しくなります。
当店も不妊症のご相談は多いのですが、ほとんどの方が健康状態に多かれ少なかれ問題があり、まずはご本人の体調を整えるところから始めます。
ではここでタイプ別不妊症の漢方薬をご紹介します。
①血虚(けっきょ):体内の血液が慢性的に不足している状態。
症状:生理周期が遅れ気味、または無月経。経血が少ない、疲れやすい、貧血、めまい、冷えなど
→血液を補う漢方薬を飲みます。生理周期が整い、経血も増えてきます。めまいや貧血も改善し、元気になってきます。子宮内膜も厚くなってくるので、妊娠しやすくなります。
漢方薬:四物湯(しもつとう)、婦人宝(ふじんほう)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)など
②お血(おけつ):体内の血液が汚れていて血流が悪くなっていること。
症状:生理痛がひどい、経血は暗紫色で塊も出る。頭痛や肩こり、肌荒れ、のぼせ、便秘など。
→血液の汚れを取り、血流を改善する漢方薬を飲みます。生理痛が改善し、経血もきれいな赤い色になってきます。頭痛や肩こり、肌荒れ、のぼせなども良くなり、便通も改善します。子宮内の古血を出すことができるので、子宮内膜症や子宮筋腫も改善し、妊娠しやすい体になります。
漢方薬:キュウ帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、駆お血丸(くおけつがん)など
③肝鬱(かんうつ):自律神経を司る肝の働きが落ち、体の気の流れが悪くなっている状態。
症状:生理周期が一定していない、生理前症候群がある。イライラしたり鬱々しやすい。お腹や胸が張るような感じがする。不妊治療が長く、焦りがある。基礎体温の変動が激しい。
→肝機能を整え、気の流れを良くする漢方薬を飲みます。気分がすっきりし、イライラや鬱々しやすい所も改善してきます。生理周期が整い、基礎体温も安定していき、妊娠しやすい体になります。
漢方薬:柴胡疏肝散(さいこそかんさん)、香蘇散(こうそさん)、四逆散(しぎゃくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)など
④腎虚(じんきょ):東洋医学で腎とは、生殖器を司る部分。年齢とともに腎の働きは落ちていきます。
症状:35歳以上である、生理周期が安定していない。または無月経。腰がだるい、頻尿または排尿困難がある。初潮の年齢が遅かった。基礎体温では、低温期が極端に長いタイプと、低温期が短く、体温が高めのタイプと分かれます。
→腎を補う漢方薬を飲むと、生理周期も基礎体温も安定していきます。経血も増えていきます。また卵子の若返りも可能です。
漢方薬:六味丸(ろくみがん)、八味丸(はちみがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)など
⑤痰飲(たんいん):飲食の不摂生や元々の胃腸虚弱のため、体に余計な水が溜まっている状態
症状:標準より太っている、色白、体が重だるい、頭痛、頭重、むくみ、胃腸虚弱、生理は遅れ気味または無月経、経血の量も少ない
→体の水分代謝を良くする漢方薬を飲みます。また、冷たい物や甘いものなど体に水を溜め込みやすい食べ物飲み物は控えます。胃腸の調子が良くなり、体も軽くなり、生理も安定していきます。
漢方薬:当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、五苓散(ごれいさん)など
体調を整える漢方薬を数か月飲んでいただいた後、体調が整ってきたら、ご本人のご希望により基礎体温をつけながら周期療法をする場合もあります。
周期療法とは
生理期、低温期、排卵期、高温期と周期によって飲む漢方薬を変えていき、基礎体温にメリハリをつけることによって、より妊娠しやすい体づくりを目指します。
また、排卵期にしっかりタイミングを取ってもらいうことも大事です。
周期療法は基礎体温を基準にお薬を処方しますので、きちんと基礎体温をつけていただくことも重要になってきます。
また、病院で不妊治療中の方は、病院の治療と漢方薬の併用は可能ですのでご相談ください。
周期療法は半年から1年程度続けるつもりで始めてください。
男性不妊のご相談も承っております。是非奥様と一緒にいらしてみてください。
妊活中の方、体外受精などをしてもなかなか効果が出ないという方、是非一度ご相談ください。
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自然妊娠を望む方へ 不妊症の漢方薬
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