こんにちは。世田谷区千歳船橋女性のための漢方薬専門店
せたがや漢方堂 の横山です。
お天気回復してきましたね。
シルバーウィークのお疲れを引きずっている方も多いのではないでしょうか?
秋になり、大気が乾燥してきたせいか、当店では最近、皮膚のご相談が増えてきています。
東洋医学では、秋は肺や大腸がダメージを受けやすい季節と言われています。そして皮膚は、肺や大腸と密接な関係があるため、秋は皮膚のトラブルが出やすいんです。
今回は、漢方の皮膚病相談で一番多い、アトピーについて書きたいと思います。
私が漢方の仕事を始めた20年前は、ステロイドの副作用についてメディアで取り上げ始められた頃でした。
それまではステロイドは、「どんな皮膚病もたちどころに治してしまう夢の薬」として、病院でもどんどん処方され、長年皮膚病で悩んでいた方も、安心してどんどん使い始めていました。
私の母の実家は、草津温泉で旅館をしています。母がまだ草津にいた頃は、湯治(温泉療法)が皮膚病の治療の主流で、湯治のため皮膚病の人が母の実家の旅館にもたくさん訪れ、長期滞在していたそうです。
それが、あるときから湯治で訪れる人がぱたりと減ったとか。
理由は、皮膚病の素晴らしい薬ができ、湯治に来る必要がなくなったとか。
そうです。その薬こそ、ステロイドだったのです!
今まで何年も皮膚病で苦しみ、そのために仕事をやめて湯治に来ていた人たちにとって、ステロイドは救いの神だったのでしょう。
しかし数年後、ステロイドの副作用の報告がたくさんあがってくるようになりました。
長年大量に使い続けると、薬が効きにくくなってくるだけではなく、中には内臓にトラブルが起きたり、因果関係ははっきりしていませんが、失明したという症例も聞いたことがあります。
そういった報告がメディアで取り上げられてからは、ステロイドは夢の薬から一転、「怖い薬」となってしまいました。
そして、今まで長年ステロイドを使っていた人達が、自己判断で勝手に使うのをやめてしまったのです。
そして、想像を絶する「リバウンド」が・・・
体中真っ赤に腫れあがり、あまりのかゆさに耐えきれず、掻いてしまって、所々血が出ている。さらに炎症が進むとあちこちから黄色い汁が出てきて、グジュグジュになっている。
外出もできず、夜もかゆくて眠れず、仕事や学校にも行けなくなってしまう。
その頃、ステロイドに代わる自然療法が色々と模索されており、漢方薬も「アトピーが治る」とブームになり始めたころでした。
開店したばかりのうちの漢方薬局にも、ステロイドのリバウンドで苦しむアトピーの人が大勢来ました。
当時はステロイドはすっかり悪者になってしまっていたので、うちに来ていた患者さんも、みなステロイドを怖がって使いたがらなくなっていました。
そこで、炎症を抑える漢方や、かゆみを抑える漢方を使いながら、外用薬としては、保湿効果の高い自然化粧品を使ったりしていました。
体中に自然化粧品を使うので、かなり金額的には高くなってしまっていましたが、ステロイドを怖がっている人達は、病院の薬に不信感があり、非ステロイド系の外用薬も使いたがらない傾向がありました。
そうやって、半年、一年とひどいかゆみと大変な治療費をかけ、多くの方がステロイドを離脱でき、アトピーは改善していきました。
しかし中には、ひどいかゆみに耐え切れなかったり、毎月の治療費が高すぎたために、漢方をやめてしまった人もいました。
その後はまたステロイドに戻ってしまった人、入院してしまった人、他の自然療法を始めた人など様々です。
それから数年して、病院でもステロイドの危険性について最初から患者さんに注意をするようになり、漫然と大量にステロイドを使用する人は減っていき、それに伴ってステロイドのリバウンドで苦しむ人も、以前よりはかなり減ってきているように思います。
現在は、漢方治療をする時も、必要に応じて最小限のステロイドを併用する場合が多いです。
それは、ステロイドを使うことにより、かゆみがコントロールでき、掻き壊しや寝不足、かゆみのストレスなどがなくなり、治療がスムーズに進むからです。
当店でも、漢方薬を始める時に、急にステロイドをやめないようにはじめにお話します。
かゆくてつらい時は、上手に使ってもらうようにしています。
漢方薬を飲みながら、食生活や生活習慣を改善していくと、どんどん体調が良くなり、それに伴って皮膚の状態も良くなります。そして、自然とステロイドに手が伸びなくなってきます。
アトピーの漢方治療には、年単位の長い時間が必要です。
その期間も、仕事をしたり、学校に行ったり、育児をしたりと、その人なりの役目をこなしていかなくてはなりません。
ステロイドの助けが必要な時もあります。
西洋医学と東洋医学の良いところを融合して、アトピーと上手に付き合いながら改善していくのが、今は一番いい方法ではないかと思います。
今回はステロイドの話だけでかなり長くなってしまったので、次回は具体的な漢方治療についてお話したいと思います。
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