2024年が終わりに近づくということはユニゾンのアニバーサリーイヤーも佳境
年内にはインデックス大阪にて、アニバーサリーを締めくくるトリビュートライブが予定されているが、その前に高崎で行われるのはindigo la Endとのツーマンライブ
双方のFC会員としては見逃さない選択肢はないので、群馬県並びに高崎に初上陸

初めて訪れた高崎芸術劇場はEX THEATER ROPPONGIのようにライブによって座席指定にも、オールスタンディングにも切り替える事が出来る利便性の高い会場
並びに高崎駅から10分もせずに到着できるのもポイントで、周辺にはG-FREAK FACTORYが山人音楽祭でGメッセ群馬もある

・indigo la End
コロナ禍前からインディゴのツアーはホール中心
なのでライブハウスでインディゴを見るのはとても新鮮なものがある(ちなみに前回、ライブハウスでインディゴを見たのは最初のFC限定ライブとなったLIQUIDROOM。2回目のFC限定ライブは他のバンドと重複してあえなく断念)

近年のインディゴのライブではお馴染みのSEでえつこ(Cho. & Key.)やささみお(Cho.)と共に登場した後、

「UNISON SQUARE GARDEN20周年おめでとうございます!indigo la Endです、よろしくお願いします!」

と絵音(Vo. & Gt.)がユニゾンに敬意を評して、「ダビングシーン」で始めると、ティス(Gt.)のメロディアスなギターは高崎をインディゴ色に染める
今でこそインディゴはオルタナロックを鳴らすイメージが強いけど、シーンに出てきた頃は意図的に歌ものロックをやっていた
インディゴがシーンに出てきたのはユニゾンの結成10周年イヤーであり、初めて武道館を行った2014年
懐かしい感じに陥った方もいそうな気がする

早々に栄太郎のドラムソロが行われ、栄太郎の持ち味である手数の多いビートを見せたかと思いきや、

「もっとくれ!!」

なるジェスチャーを行って、よりキレのあるドラムソロをしたあとに、栄太郎がどんなドラマーなのかを1曲で示した「悲しくなる前に」とアッパーな曲を連発
ここら辺はあまりインディゴを見たことない方を意識したのかもしれないが、絵音が最後のフレーズを歌っても音は切らすことなく、そのまま「実験前」に変化
絵音はFC限定のブログて少し攻めたセトリにすることは予告していたが、「悲しく〜」から「実験前」へのアレンジは今回限りではないだろう
インディゴのライブは点と点を結ぶように空白はあまり作らない
なのでこの繋ぎもまたどこかで見れそうな気がするが、ティスが轟音でギターソロを鳴らしたあとは後を受けた絵音が前に出てギターを鳴らしまくり、後鳥(Ba.)もベースソロを弾きまくる
この序盤はインディゴの動を大きく出したものだろう
「indigo la Endはロックバンドです。」と音で示したかのような序盤

改めてユニゾンの20周年を祝福したあと、

「ユニゾン結成された頃、オレ高1だったんですけど、ギターに触れてもいない(笑)」

とTwitterでも言及していたエピソード(ギターを手にした頃にはユニゾンはデビューしていた話)より更に昔のエピソードを話す絵音
自分に至ってはその頃、小学5年でまだまともにロックを聞いてすらいなかったのだが、その6年後に絵音が結成するのがこのindigo la End
インディゴも来年は15周年というめでたい年だったりする(そのアニバーサリーイベント第1弾はFC会員ですら落選車が出る事態になった模様。昔のインディゴでは考えられない)

テレビで使用される斎藤や米津玄師、絵音の写真は5年前、にも関わらず斎藤の容姿は今も全く変わってないことに絵音が言及し場内で笑いが起こる中、

「あっち(UNISON SQUARE GARDEN)は3人でエグい演奏するのに対して、こっち(indigo la End)は5人(みおはコーラスだけで演奏しないから?)なので反則です(笑)でも殴り返します」

と呼んでくれたお礼に最高のパンチを浴びせることを約束する中、

「次の曲、分かんない人は正直にわかんなくていいから(笑)」

と絵音が初見に配慮したのはワンマンでもほとんどやらない「プレイバック」
インディゴがライブをやる際、ワンマンでは多くの方が着用する青に光るライトハンドを着用して参加する方が非常に多い
この日も贔屓目に見て、半分近くは着用されていたので急にリズムが崩れてもすぐさまカバーする後鳥と栄太郎によるとんでもグルーヴが発揮する「プレイバック」の反応はイマイチではなかった
むしろ自分としては復帰ライブなのにチケットが取れない中、たまたまTwitterで譲ってもらって復帰ライブに参加できたこと、そこでこのとんでもリズムを用いたこの楽曲が解禁されたことを思い出した
あの時、チケットを譲ってくださった方は今どうしているのだろう
今もインディゴを支えてくれているのだろうか

最年長の後鳥が大げさに手拍子で煽ることで絵音が思わず笑ってしまう「名前は片想い」でえつこによる鍵盤がステージを彩りつつも、ティスのブルージーなギターソロで「これもロック」と認識させたあと、えつこやささみおが聖歌のようなコーラスを導入したのち、会場を赤く照らす「チューリップ」とまさかの選曲のあとはインディゴの今のクラシックがずらり
「チューリップ」を初めて聞いたのがコロナ禍直前に見たLIQUIDROOMでのFC限定ワンマンなので、あの時の感じも思い出したりしたが、

「最近リリースした曲」

と絵音が告げた「盲目だった」はドリームポップとオルタナロックの中間を行くような最新のインディゴ

この日までにブラックミュージックを中心に添えていた頃のインディゴのような「心変わり」、内に開いていったような「ラムネ」、並びにこの「盲目だった」と新曲をコンスタントに発表
「哀愁演劇」の次の作品に取り掛かっているのはパシフィコ横浜公演のラストで語られていたが、この公演の前にフルアルバムが完パケしたとの情報がTwitterに出た
ゲスの極み乙女の作品とも連動しているらしいインディゴの次回作
その情報は近いうちに出るだろう(この一週間後に横アリでワンマンを控えている)

絵音「高崎はすっかり冬ですけど、夏の曲で踊りませんか?」

と絵音が話したとおり、もはや外はネックウォーマーや手袋が欠かせない季節
そんな季節てあっても、「夏夜のマジック」が始まると、寒さも幻想的なスパイスの1つになる
絵音によってフューチャーされる後鳥の柔らかなベースに、絵音の歌を立てる前に出すぎない栄太郎のビート
そしてティスの魔法をかけるようギター
どんな時期でも「夏夜のマジック」は会場に魔法をかける
ファンタジーでは無くても、その時だけは幻想的な空間に変えてくる
365日、四六時中いつまでも対応可能な魔法だ

「indigo la Endはあまりツーマンに誘ってもらえなくて、年1でしか呼ばれない(笑)」

とFCのブログでも話していた自虐ネタで客席どころか、後鳥たちまで笑わせるも、

「自分あまり友達がいなくて年下の友人だらけなんですが、今日仲良くなれなかったら、もう仲良くなれない気がする」

と悲観する絵音

「キュウソネコカミのセイヤなどと親密じゃなかった?」と思ったのだが、そこは触れてはいけないお約束なのか

その流れで最後に鳴らされるのは、FUJI ROCKに出演した際の映像がTwitterで拡散されるやいなや、

「インディゴってこんなにロックなのか…」

とあまりインディゴを聞いてなかった音楽好きを驚かせた「晩生」

インディゴの中でも1、2位を争うような爆音ロック
その激しさはここまで演奏された曲の中でも断トツで、絵音の弾きっぷりには歓声が起こってしまう程だし、より轟音になる後半でえつこはその様子を楽しんでさえいた
そうやって完全燃焼しきると、絵音たちは客席にきちんと礼をして後へ

この1週間後にはいよいよ横浜アリーナでのワンマン
筋目となるライブの前は、体調を整えたりするためにスケジュールを空けたり、念入りにリハーサルをするアーティストもいるようだが、インディゴが今回出演したのは、ユニゾンから数年前からオファーが来ていたものの、絵音によればなかなか応じられなかった
ようやくスケジュールが合ったからこそ、大事なライブの前でも出演したのだろう

こんなこと書くと、美辞麗句に見えるかもしれないがインディゴは高崎を極める魔法をかけた
来週はフユヨのマジックで横アリを極めにいく

セトリ
ダビングシーン
悲しくなる前に
実験前
プレイバック
名前は片想い
チューリップ
盲目だった
夏夜のマジック
晩生

・UNISON SQUARE GARDEN
去年VINTAGE ROCKとの共同企画に参加していたので把握はしていたが、ユニゾンのスタッフは転換がとても早い
なので18時45分頃にインディゴのライブが終わったのもつかの間、わずか15分程で転換が終わって19時頃にはユニゾンのライブがスタート

いつものようにイズミカワソラの「絵の具」が流れるものの、スタジオシアターのステージはホールとしての仕様がメインなのか、そこまでステージは高くない
なので鈴木貴雄ことTKO(Dr.)、斎藤宏介(Vo. & Gt.)がどのように登場したのかは分からす、はっきり見えたのは最近Twitterアカウントを再び立ち上げた田淵智也(Ba.)くらい
これに気づくのに時間がかかり、斎藤がMCをするまでステージがほとんど見えないままライブを見ることになってしまったが、イントロのシーケンスで大歓声が起こりつつ、

「物知りの雑誌が謳う 今年の流行は何だっけ」

が冒頭に登場する「to the CIDER ROAD」で始まるのは1年の終わりが近いことを悟らせているかのよう
キメに合わせて客席から拳が上がるのはユニゾンのライブでは風物詩のようなものであるが、ほぼ音楽を聞くかマンガを読むかが自分の日常
なので今年の流行は自分には分からない(日本シリーズの記憶は消えた)
あえて今年の流行は何かと話すならユニゾンだろう
例年にないくらい、ユニゾンのライブに参加しているような体感を抱いているから

間髪挟まず、斎藤が切れ味抜群なリフを鳴らす「ため息 shooting the Moon」が続く流れは「CIDER ROAD」のリリースツアーを思い出すようなもの
名物であるソロ回しでは3人それぞれにスポットが当てられ、TKOは早くも立ちながらドラミングを決めているが、フェスでは斎藤が期待値を上げに上げてからお披露目された「傍若のカリスマ」は予告もなくしれっと、それも序盤にやる予想しがたいセトリを組むのは流石田淵

アニバーサリーイヤーのあとも見据えて、「傍若のカリスマ」を育てているようにも見えるが、もはや「傍若〜」はユニゾンのニューアンセム

「どこまでものめり込め お前が挑んだゲームだ」

とあなたの選択をどこまでも肯定しているから

年明けにはカップリングの「憂鬱はプリンセス」も主役となるツアーが控えている
セトリのプロこと、田淵がどんなセトリを構築するかが今から楽しみである

インディゴが夏の曲ならば、ユニゾンは春の曲と言わんばかりな「桜のあと〜」でステージをピンクに染めつつ、大きな手拍子も起こすものの、この日の客層は合唱はあまりせず、斎藤のギターソロに歓声を上げている方が多い
ツーマン相手がインディゴであることも影響してそうだけど、斎藤のギターのほうが注目されるのは珍しい感覚である

ツーマンライブということで斎藤は簡単に挨拶を行いつつ、

「方向性があまりにも違うことで有名なUNISON SQUARE GARDENですが、「インディゴの新曲良くない?」などインディゴが好きな点は共通しています」

とメンバー3人がインディゴのファンであることを公言
言うならばユニゾンの3人もこの日を待ち望んでたということだろう

「indigo la Endという最高にカッコいいロックを鳴らすバンドとUNISON SQUARE GARDENという最高にカッコいいロックを鳴らすバンドが高崎を極まらせます!!」

と斎藤が高らかに宣言し、キメの度に照明が大きく反応する「セレナーデが止まらない」で高崎を大きく祝福したあと、

「美しいはトレンディ」

とインパクト抜群なフレーズを時に叫びながら、TKOが手数を大きく増やすことでアンサンブルも自然に大きくなっていく「アンチ・トレンディ・クラブ」とダンサブルな楽曲を連発
インディゴが示したロックに対して、ユニゾンもユニゾンなりのロックで殴り返しているようにも見えるが、

「少し静かにしてもらえませんか!」

を合図に1度音が止まり、TKOのビートを中心にアンサンブルが再び集う「パンデミックサドンデス」は見事
絵音が「ユニゾンは3人でとんでもない音を鳴らす」と話していたが、それを具体的に現した場面
時にメタネタも入れながら、あっと言わせるようなロックンロールを平然とやる
思えば「スリーピースでここまで出来るのか」と教えてくれたのがユニゾン
今なおそのロックンロールは変幻自在

代表曲こと「シュガーソングとビターステップ」で田淵はアクティブに動きつつうねるベースラインをなぞり、サビに至ってはTKOが客席に向けてスティックを向け、片手で4つ打ちのリズムを刻む離れ業を披露
ここのところよく見かける椅子を解体するパフォーマンスはこの日無し
変わりにgo!go!vanillasのセイヤと同じくらい、視覚面でも楽しませようとしているのが見える
それでもTKOは歌を邪魔しないようにリズムを組み立てている
自分が今学生だったら、間違いなくTKOのドラミングに憧れるだろう

鋭いロックやダンサブルな楽曲が続いたここまでの流れと打って変わり、「静謐甘美秋暮抒情」では派手なテクニックは用いることなく、まるで芸術を描くのように美メロを奏でるが、「さわれない歌」が演奏されると、思わず「おお!」となる
なにせ「さわれない歌」は田淵のエゴが出たユニゾンにとって大切な歌を歌うから
ユニゾンは「がんばれ」も「愛してる」も直接的には用いない
つまりは程よい距離を保っているのだが、きっかけを与えることが出来る
最新シングルの「傍若のカリスマ」なんてもろにそう
ユニゾンの方針は今後もぶれない
程よい距離を保ち続けていく

今回のツーマンライブ、4ROULEURもイベンターにユニゾンが20周年を祝ってくれるように委託し、実現したもの
その4ROULEURは移動するユニゾンにうなぎ(丼?さすがにうなぎまるごと差し入れは考えがたい))を差し入れした際、お箸を提供し忘れるあまりにも初歩的なミス(これがサービス業ならクレームに繋がりかねない)を犯しているのだが、4ROULEURから推薦されたインディゴは昔からツーマンしたくても出来なかったらしい
その理由は、

「才能ある人達に断られたら悲しいから」

と絵音の才能、並びに絵音を支えるメンバー達に断れるのは嫌だったのだろう
でもインディゴは絵音も話していたが、ツーマンにはほとんど呼んでもらえない
だからこうやって呼ばれることをとても光栄に受け取っていた
その関係性は片想いではなく、両想いである

今回のツーマンの背景を話したあと、田淵がキメの度に頭を振っていくのがチャーミングな「like coffeeのおまじない」、チアーリーディングでもしているかってくらいに田淵が足を上げまくる場面もあれば、斎藤がギターソロて視線をかっさらったり、TKOが立ち上がってドラミング
お約束のように田淵はマイクスタンドを動かしたりと、

「ワタシドコ ココハダレ ココハダレ」

の合唱そのものな状態になる「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」と続ければ、高崎は完全に「カオスが極まる」状況
もはや受動的に合唱したくなるレベルで合唱が起こっているし、極まったということはスタジオシアターは楽園だ
今年も終わりが近い11月24日、ユニゾンは高崎に楽園を作った
寒さを含め、ネガティブ要素は全く寄せ付けない楽園を

そして最後の「君の瞳に恋してない」で田淵はステージ下手付近のスピーカーまで足を運び、下手付近にいた方を沸かせていたが間奏で何かあったのだろうか、斎藤が田淵と共に同じマイクで歌う事態が発生して場内は大爆笑
それどころか斎藤と田淵のポジションが入れ代わり、田淵が斎藤のマイクで歌うハプニングまで(この結果、田淵の声がデカくなっていたらしい)
色々情報量が多くなってしまったが、このような愉快な姿を見せてくれる3人に恋しないわけがない
とてもハッピーなラストだった

しかしアンコールですぐに戻ってくると、TKOが唐突に雄叫びを上げてコートをステージ前の方にぶん投げて「ガリレオのショーケース」を開始(笑)
そのインパクトがあまりにも大きすぎて、締めはTKOがすべてを持っていってしまった
そのコートは終わり際にしっかり回収された

セトリ
to the CIDER ROAD
ため息 shooting the Moon
傍若のカリスマ
桜のあと (all quartets lead to the?)
セレナーデが止まらない
アンチ・トレンディ・クラブ
パンデミックサドンデス
シュガーソングとビターステップ
静謐甘美秋暮抒情
さわれないうた
like coffeeのおまじない
徹頭徹尾夜な夜なドライブ
カオスが極まる
君の瞳に恋しない
(Encore)
ガリレオのショーケース

年末も近づいているので、少し自分の話をさせてもらうと、自分は去年の途中から最近に至るまで大きく迷い続けていた
ある時期から固まっていたものが一気に崩れて、立て直そうにも立て直せない状態
自分の知り合いはどんどん広いステージで活躍したりと、コンプレックスは高まりまくり
正常で保っていられるのが不思議なレベルだ

ただようやくここに来て自分がやりたかったことが定まってきた
トンネルの出口は遂に見えてきた気がする

まだ1ヶ月、もう1ヶ月
人によって捉え方は違うだろうけど、こんな時こそ迷わないで外へ出かけよう
未来の自分のためにも

さあ 次はどこへ、どこへ行こう?


※前回見たユニゾンのワンマン
※前回見たユニゾンのライブ
※前回見たインディゴのワンマン
※前回見たインディゴのライブ