CDJ3日目
前日の反省からこの日は前日入念にストレッチをしてから就寝したため、何故か2日目より体調が良い

この日もGALAXY STAGEスタートとなるので前説担当は山崎洋一郎 
山崎洋一郎によればこの日は意外にもリピーターが多いらしい

・yama[GALAXY STAGE](11:00〜)
そんな3日目、GALAXY STAGEのトップバッターは昨年JAPAN JAMに出演したことを皮切りにライブへフェスへの出演が増えていったyama
初出演にしていきなりGALAXY STAGEへの出演である

先に仮面やマスクを付けたバンドメンバーが登場し、自身も仮面を着用したyamaがステージに登場すると「多くの人がこの曲目当てだろうな」と思っていた「色彩」を早くも演奏
というのはこれ、「SPY × FAMILY」の第2クール主題歌として起用され、彼女の知名度を更に高めた1曲だからである
そんな新しい代表曲を最初から行うのは「強気だな」と思うけど、「色彩」が放つカラフルな世界はロックンロールユニバーサルをカラフルに染めあげる
すなわち桃源郷は更に桃源郷になったということ

打ち込みのビートと共にリズム隊が躍動する「あるいは映画のような」、自分がyamaを知るきっかけとなったメロディアスでありつつファンキーな「am 3:21」と珠玉のポップソングを連発するが、

「私コロナ禍になってからライブを始めたもので…。全国ツアーも発声禁止でやったので、発声出来る雰囲気になれてない(笑)」

とコロナ禍から活動を本格化させたがゆえに声を出せる環境に慣れてない様子だが、その直後に一斉にyamaを呼びかけるような声が殺到(笑)
以前のライブ環境を知らないためか、照れくさそうな顔をしていたが、デビュー曲にして早々に注目を浴びることになった「春を告げる」のファンキーだけどキャッチー世界観にエモーショナルでもあり優しいyamaの歌声は相性抜群だ
こうして生で見る日が来るとは思わなかったけど

かと思えば「麻痺」ではリズム隊が迫りくるようなビートを刻む中でyamaもエモーショナルに歌い上げ、Vaundyが楽曲提供した「くびったけ」をバンドメンバーと共に歌い上げるのはとても愉快だ
発声できるようになったら全員でシンガロングする、そんな景色も見られるかもしれない
とはいえ

「私は普段暗い人間だから日々「これ正解なのかな…?」って不安に思うことがある。けど目の前にあなたがいることで大丈夫だと思えた。変わる必要はありません。今日出会った音楽の欠片があなたを支えてくれるはずです」

とyamaも恐らくこちら側の人間
つまりは音楽を聞いたり歌ったりすることで日々を生きている人間だ
それは音楽の力を信じているということであり、この日得た欠片は我々にとってもyamaにとっても日々を生き抜くエネルギーとなる

そして最後はこの日出演しているACIDMANのオオキが楽曲提供した「世界は美しいはずなんだ」
こうして歓声を出してyamaを見れるようになった今の世界は、前よりも美しくもっと美しくなるはずなんだ

セトリ
色彩
あるいは映画のような
a.m.3:21
春を告げる
麻痺
くびったけ
世界は美しいはずなんだ

・KANA-BOON[EARTH STAGE](12:15〜)
2022秋アニメとして大ヒットを記録した「ぼっち•ざ•ろっく!」の作中に登場する結束バンドに鮪(Vo. & Gt.)が「Distortion!」を提供し、ここに来て再評価され始めたKANA-BOON
今年はマーシー(Ba.)が正式メンバーとなって、CDJに帰還

ここのところお馴染みとなっているSEで先に古賀(Gt.)達が登場し、鮪は遅れて登場するがその容姿はただでさえVaundyのように見えた髪型がよりパーマがかかり、ジャージ姿でステージに立つのは後藤ひとりそのもの(というよりぼっちちゃんがジャージ姿が多すぎて、ジャージ=後藤ひとりの構図が出来上がりつつある)
その2人の容姿を融合させた鮪が、

「ゆらゆらしちゃう?」

と煽って始めた「ないものねだり」でマーシーと古賀はステージの奥まで走り、マーシーはコーラスに間に合うように急いで帰ってくるという流れを繰り返すが、

「今からみんなKANA-BOONのメンバーや!!」

と鮪は今回も間奏で客席に手拍子を依頼し、鮪はそのリズムの上で歌う適応力の高さを見せ、古賀のギターで押し切る「フルドライブ」でこいちゃん(Dr.)は安定した高速4つ打ちを
正式メンバーとなったマーシーと形成するリズムは依然発展途上中で現在のKANA-BOONが最強であることを音で証明するが、フェスでやるのは珍しい「ディストラクションビートミュージック」はゴリッゴリのベースを鳴らすマーシーがスラップベースを入れまくることによって今と昔の違いを鮮明に示し、

「ないないない これしかないけど」

に合わせるように鮪がギターを掲げるのは、音楽があれば問題ないということ
実際去年、

「ライブにフェスもあれば後は多くは望まない」

なんて言ってたくらい、鮪の音楽への愛はとても深まっているが、MCで鮪が話すか話さないかで躊躇し、悩んだ挙げ句演奏したのは「シルエット」
鮪がタイトルコールした瞬間に大きな歓声が起こったのはきっと、「シルエット」を聞きたくてKANA-BOONのライブに足を運んだということだけど、リアルタイムで「シルエット」を聞いてCDJに足を運んでいるものはみな、

「大事にしているもの 失くさず大人に」

なった者たち
初めてフェスに足を運んだ方々は将来に不安を抱いているだろうし、「ライブは学生までにすべきかな」と考えている人もいるだろう
でも老若男女がフェス会場に集まっている
この風景を見たらそんな決断する必要はないと気づくはずだ

しかしこの辺りでマーシーは紐が解けたらしく、

「楽しんでいるということです!!」

とマーシーの心境を鮪は考察するが、今年1年を振り返りながらメンバー紹介を鮪は行い、こいちゃんはだいぶ痩せたように見えるが、

「古賀はギターが浮いてるように見える」

と称したのは、後の鮪の解説を聞いてもイマイチ
そういえば昔、KANA-BOONが尊敬するASIAN KUNG-FU GENERATIONの「リライト」はPVでメンバーが浮いていたような

そんなKANA-BOONも来年でデビュー10周年を迎え、既に初の野音ワンマン開催を発表しているが、最新曲の「きらりらり」はメロディーの良さもさることながら、

「大事にしたいものを持って
大人になれたよ
愛おしいと思えるものがここにあるんだ
目の前に 目の前にいるんだ」

と「シルエット」の続きとも取れる歌詞はKANA-BOONの成長の証
最初はピンと来なかったけど、「シルエット」に続けて演奏されると「きらりらり」は一気に威力が絶大となる
この2曲は絶対に続けてやらなければ駄目だ
幼虫が成虫に羽化する前後のようなものだから

鮪「今年1年のモヤモヤを抱えたまま来年に行くのは嫌やろ?だから俺たちにぶつけて。音で返すから」

とフレッシュな気持ちで新年を迎えるべく、「まっさら」では客席から今年1年のモヤモヤが放出され、こいちゃんは力強いドラムで古賀やマーシーはオルタナサウンドをぶっ放し、鮪もそれに加勢
去年はマーシーが正式メンバーになる前だったからマーシーのコーラスはあまり聞こえなかったが、今年ははっきり聞こえる
再び3人から4人へ
これこそがKANA-BOONが進化したということだ

そして最後はフジファブリックの金澤ダイスケが奏でる鍵盤を同期させ、客席全体でワイパーが起こる「スターマーカー」でキラキラ輝かせて終わったが、

「次は(ヤバイ)Tシャツ屋さんです!!」

と後輩の紹介は雑(笑)

「ぼっち•ざ•ろっく!」の視聴者としては、「Distortion!」のセルフカバーをひそかに期待したがこの日はやらず
けれどもTick Tolkには鮪がセルフカバーした動画が上がっていたらしい
となると次のアルバムには収録されるのだろうか
加えてあのバンドがあの曲をやるかにも注目が集まるようになる

セトリ
SC①Torch of Liberty
SC②ネリネ
ないものねだり
フルドライブ
ディストラクションビートミュージック
シルエット
きらりらり
まっさら
スターマーカー


・石崎ひゅーい[COSMO STAGE](13:00〜)
KANA-BOONが終わって、悠長にトイレを済ませていたら既に「花瓶の花」をやっていた石崎ひゅーい
どういうことかというと、自分はCOSMO STAGEの開演時間を勘違いしてしまったのだ
かつてはクリープハイプとセッションしたこともある名曲
その名曲を聞く機会を逃してしまった

バンドメンバーはギターにベース、鍵盤、ドラムとスタンダードな編成であるが、

「君は宇宙 僕は夢中」

といったフレーズに星空をイメージさせる電子音が浮遊する「カカオ」はCOSMO STAGEに合わせた選曲だろう
終盤、スーパーノヴァでもおこすかのようにシューゲイザーみたいなアンサンブルとなっていたが

そんなひゅーいも既ににデビューから10年近く活動するベテランミュージシャンとなったが、

「この10年で1番印象に残ったのは「さよならエレジー」タイトルコールがノブの喋り方に似ている」という話。それがノブさんに届いて食事に招いていただいたのですが、その際に「1つお願いを叶える」という話になって、「CDJ、12月30日、幕張メッセ、COSMO STAGE。この時間に来てください!!」とお願いしまして、ノブさんが本当に来ています!!」

と本当に千鳥のノブがステージに
それも誕生日にわざわざ幕張に駆けつけてくれたが、

「昨日、「ゴチ(になります)」をクビになりました!!」

と前日に放送されていた「ぐるぐるナインティナイン」の人気コーナーのレギュラーをクビにされたことを自虐しはじめるノブ(笑)
前日の放送を見ていた参加者は爆笑していたが、

「本日、ノーギャラ。これが仕事納めです!!」

と仕事納めであることを宣告して、「さよならエレジー」が始まるのはあまりにも豪華なタイトルコール
以前、ひゅーいは菅田将暉をゲストに招いてCDJでコラボしたことあるが、やっぱり自分はひゅーいのセルフカバーの方が好き
感情をぶつけているかのようでエモーショナルだから

この「さよならエレジー」を終えた途端、ステージを移動するものが急に増えたが、恐らくこのタイミングで離れたものはひゅーいが化物のようにシーンに現れたときの事を知らない
「夜間飛行」でミュージックステーションに出演し、強烈なパフォーマンスをしたことも
そのあまりに個性すぎるキャラクターからさつてテレビ東京の音楽番組では特集が組まれたほどだが、かつての怪物のようなパフォーマンスは鳴りを潜めた
悪く言えば「丸くなった」ってことだけど、ひゅーいのポップセンスはまだまだ進化を止めない

そしてラスト、「ファンタジックレディオ」ではひゅーいの合図によってステージがスマホライトで照らされるのはまさにファンタジックな空間
初期の凶暴性は消えたけど、近年の作品も素晴らしいし、ひゅーいは天才だとやっぱり思っている
これからも夜空を飛んで会いに行く

セトリ
花瓶の花
カカオ
さよならエレジー
夜間飛行
ファンタジックレディオ

・ART-SCHOOL[COSMO STAGE](14:00〜)
自分は初見を重視してタイムテーブルを組むが、ここから見る初見アーティストはレジェンドと注目枠の3組
その1組目は2022年にシーンに帰還した木下理樹率いるART-SCHOOL
ギターのトディーが在籍するMONOEYESは何度か見ているものの、ART-SCHOOLを見るのはこれが初めて

石崎ひゅーいが終わってもそのままCOSMO STAGEに残ったので、リアルな客層の入れ代わりを目撃することになったが思った以上に人が入っている
それはトリ前に盟友のASIAN KUNG-FU GENERATIONが出演しているのも大きいかもしれない(翌日出演のストレイテナーもこの日に呼ぶべきだった)

その上でリハの時点で気になっていたサボートメンバーは、

Gt∶やぎひろみ(ニトロデイ)
Ba∶中尾憲太郎(ex. NUMBER GIRL)
Dr∶藤田勇(MO'SOME TONEBENDER)

の3人であり、代表曲の「ロリータ キルズ ミー」の時点で音がとんでもないことになっている
そりゃあトリプルギターを擁立しているんだから超爆音サウンドになるし、ダウンピッキングの名手こと中尾が参加することでリズム隊も力強くなるが、決して騒音ではなく理性を失うくらいに気持ちいいオルタナシューゲイザーサウンド
気持ち良すぎて、「ぼっち•ざ•ろっく!」の後藤ひとりのように液体化はしないけど、頭身から零れそうになってしまう

その上で活動停止前からあまり出ていなかったらしい理樹の声は最初、なかなか聞き取れない部分があったが尻上がりするタイプなのか「Forget the swan」、「Chelsea says」と轟音を轟かせる毎に声もどんどん出ていく
同じ時代を戦い抜いたであろうTHE BACK HORNの山田将司より出ている気がするが、

「無事に帰ってこれました!!」

と理樹が帰還報告したように、ここ数年理樹の体調不良でART-SCHOOLは活動出来ずにいた
正直自分も音源がここ数年出てなく、トディはMONOEYESでの活動がメインとなりつつあるから心配していたが、復帰第1弾音源の表題曲「Just Kids」を聞いて「ART-SCHOOLはまだ死んでねえ!」とガッツポーズしていた
ベストソングを選定するときも「Just Kids」があまりに良すぎて選定の基準になっていた程
メンバーの入れ代わりが激しすぎることやメンバーの半分がストレイテナーに移動したことでネタにされてしまうこともあったが、ART-SCHOOLはまだまだ健在
レジェンドでありつつ、伝説は終わってないのだ

しかし「スカーレット」を終えた直後、トディは

「もう戻ってこれないと思っていた…」

と不穏だった胸中を明かした

MONOEYESのメンバーである一瀬の本来の居場所はASPARAGUSであるように、トディの帰るべき場所はART-SCHOOLにある
理樹がいなければART-SCHOOLは活動できない
CDJにART-SCHOOLは何度も出演してきたけど、こうして帰ってこれたこと
表情には出てないのが泣きたいくらい理樹もトディも嬉しかったのではないだろうか
今回の出演、きっと2人にとって1番忘れられない出演となったはず

そしてイントロで拳を挙げずにいられなかった「あと10秒で」から最後、理樹が咆哮しまくる「FADE TO BLACK」でステージの兼ね合いから移動せざるを得なかったが、この時間帯に人が多かったのは次の出演バンドがRoseliaだったのも影響してると思う
普段ならアリーナでワンマン出来るバンドにこのステージは狭すぎるから(この日トップバッターだったCHiCO with HoneyWorksに至ってはGALAXYだと思っていたから)

が、これによって多くの人にART-SCHOOLの存在が脳内に焼き付いた
4日間見たアーティストの中でART-SCHOOLのアンサンブルはトップクラス
「これぞロックバンド」たる所以を見せつけたのである

春のJAM出演は厳しく、VIVA LA ROCKや夏のロッキンに出演できても今回のような小さなステージになるのは避けられない
でも爪痕は間違いなく残した
忘れられない傷跡を
何かを間違えてないし、何もねえことはないよ

セトリ
SC.Boy meets girl
ロリータ キルズ ミー
Forget the swan
Chelsea says
Just Kids
スカーレット
あと10秒で
FADE TO BLACK

・MY FIRST STORY[EARTH STAGE](14:25〜)
というわけで到着した頃には既に「MONSTER」を演奏していたMY FIRST STORY
今年のロッキンオン主催フェスは全て制覇し、久々のCDJ出演となるわけだが初期の代表曲だった「ALONE」が始まると驚いたことにEARTH STAGEはパンパン状態
メインステージですら、収容しきれないスケールとなっている

「いや昔からパンパンだわ!!」と思っている方もいるだろうが、マイファスは今年1番印象が変わったアーティスト
何故ならHiro(Vo.)はどんな時でも楽しませることをメインに考え、「○○よりも熱く!!」などと他のアーティストを下に見ることはしない
獰猛に見えるラウドサウンドには優しさが溢れまくっているのだ

「1年に1回しかないんだぜこのフェス。後悔しないように暴れようぜ!」

とHiroが煽るのも、悔いを残さないで楽しんで欲しいからだし、Kid'z(Dr.)が16分ビートを刻みながら美しいメロディーをTeru(Gt.)が奏でる「モノクロエフェクター」、やっぱりRed Hot Chilli Peppersの影響がNob(Ba.)のベースラインから漂う「猿真似ドロップアウト」と音圧は凄いが、歌謡曲の要素も入ったラウドロックはカッコいいけど親しみやすい
これはHiroの優しさも包括されたマイファスにしか出来ないもの

そんなマイファスサウンドを自分はどちらかといえばミクスチャーロックと考えており、「ACCIDENT」もミクスチャーよりなのだが、前日出演したSHE'Sの「Letter」と同じく考えさせられるのはほぼ必ずと言っていいくらい耳にした「I'm a mess」だ
これがある限り、コロナ禍初期のあまりに重すぎる日々を何度もフラッシュバックさせることができる
音楽をはじめ、ありとあらゆるエンターテインメントを奪われた苦しみの日々を風化させない装置に「I'm a mess」はなった
そりゃ演奏されないほうがいいけど、過去の苦い記憶に蓋をしてはならない
「ライブが当たり前ではないこと」を気づかせた日々でもあるのだから

Hiro「モヤモヤしたままじゃ年越せないだろ?俺等に鬱憤全てぶつけてくれ!」

と話すのは「感情のサンドバッグにされても構わない」という強い決意の現れにも見えるが、「REVIVER」のサビで自分は涙腺崩壊していた
一時は徹底的に見るのを避けていたバンドなのに(自分は2015年のVIVA LA ROCKで初めてマイファスを見たが、その頃はONE OK ROCKとあまりに方向性が似すぎて全く心に刺さらなかった)
それだけ今年1年で距離が近くなったということである

そして最後は「ここで来るか!!」とJAMやロッキンでは先制攻撃として起用されていた「不可逆リプレイス」
2023年にはONE OK ROCKと共に東京ドームの舞台に立つことになっている
EARTHで収まりきれないスケールを収容できるのはドームクラスの会場だろう

東京ドームのライブをいつ開催するかはまだ明らかになってない
でもそのワンマンを終えたら、更にマイファスが進化していることは間違いないだろう

セトリ
MONSTER
ALONE
モノクロエフェクター
猿真似ドロップアウト
ACCIDENT
I'm a mess
REVIVER
不可逆リプレイス


・スキマスイッチ[EARTH STAGE](15:30〜)
ロッキンオン系列のフェスではもはやいるのが当たり前だが、CDJではメインのEARTHにいるのが当たり前なスキマスイッチ
ちなみにスキマスイッチの裏はロッキン同様、9mm Parabellum Bulletとなっており、両者のファンには夏に続いて頭を悩ませるタイムテーブルとなっている

実質、大橋(Vo.)不在の中で本編でも聞きたい「ふれて未来を」をサウンドチェックで行い、本編が始まるとどこか聞いたことあるようなリズムや鍵盤を管楽器隊やパーカッションも迎えた大所帯編成のバンドが刻み始め、先にステージに登場していた常田(Key. & Cho.)に遅れて大橋がステージに現れるとこの日は「ゴールデンタイムラバー」から
スキマのセットリストはどうしても後半が固定されがちなので前半にアッパーな曲(「ガラナ」や「ユリーカ」)が配置されやすいが、「ゴールデンタイムラバー」は珍しい
それもリズムは音源より若干強く、終盤にはギターソロも加えられるなど音源よりパワーアップしたことを印象づけるこれは「鋼の錬金術師」の主題歌として起用されていたりする

昨年2枚同時リリースされたアルバム(「Hot Milk」、「Bitter Coffee」)のうち、「Hot Milk」に収録されたこれもアッパーな「Over Driver」もリズムが音源より強化されたものになっているものの、何回CDJに出演しようが初見が多いのはもはや水戸黄門で「この紋所が目に入らぬか!」とクライマックスに叫ばれるくらいお馴染みで、

「やっぱりそうですよね〜」

と大橋ももはや諦めたように見えるが、

「You Tubeのチャンネル登録者数も伸びないでご協力を(笑)」

と今回はYou Tubeチャンネルの宣伝まで(笑)
会場にいる大多数の方は知らなかっただろうし、自分も知らなかったのでMCの際にこっそりと登録してしまった(笑)

しかし忘れてはならないのはスキマはかつて紅白に出演したり、アリーナでワンマン出来るほどに優れたヒット曲を世に送ってきたミュージシャン
かつて「一週間フレンズ」の主題歌として雨宮天がカバーしたこともある「奏(かなで)」で響くメロディーに大橋の歌声はいつ聞いても琴線に触れ、ホーンのソロやブルージーなギターソロが追加されることで現代風にアップデートが施され、前日出演したReolの知名度を大きく広げるキッカケとなったボードレールCMソングとして2022年に大量OAされていた「up!!!!!!」はグルーヴやメロディーからアプローチを仕掛けており、速いテンポではない別ベクトルから攻めるのはベテランの貫禄
決して懐メロアーティストではない

「ハイキュー!!」の主題歌として起用され、優先エリア内ではタオルが宙に舞いまくった「Ah Yeah!!」を終えると、最後はこれもお馴染みな「全力少年」だが今回もシンガロング出来ないので大橋が提示する手拍子を参加者がそのまま模倣することで一体感を出し、大橋が今なお衰えない歌唱力を見せたあとは、

「動画です!!」

とステージから客席を撮影するが、その間にもバックバンドはリズム隊が主張しまくってギターもブルージーな音色を鳴らしていた
一見セットリストは変わってないように見えるけど、「どんだけ出すねん」といったレベルでスキマはライブアルバムをリリースしている
それほどまでにスキマはライブに力を入れ、アレンジもしまくっている
だから何度見ても驚かされるし、いつでも全力で少年で居られるわけだ

セトリ
SC.ふれて未来を
ゴールデンタイムラバー
Over Driver
奏(かなで)
up!!!!!!
Ah Yeah!!
全力少年

・DISH//[EARTH STAGE](16:35〜)
本来は2年前、開催予定だったCDJにてロッキンオンのフェスに初出演する予定だったもののご存知の通り2年前のCDJは中止
春に行われたJAPAN JAMで念願のロッキンオン主催フェス初出演になったものの、その日はTHE BACK HORNのワンマンと重複し、夏のロッキンは出演日が中止と見ようとしてもなかなか機会が訪れなかったDISH//
ようやくライブを見れる機会が訪れたが、いきなりEARTHで出演になるのは少し予想外である

本編前にリハも行う意外な姿勢も見せ、サポートベースだけでなく、サポートギターも加えた6人編成で「僕のヒーローアカデミア」OPだった「No.1」からスタートすると想像していたよりも音圧は強く、曲を象徴するリフも矢部(Gt. & Cho.)が担当
泉(Dr.)も安定したビートを刻むなど予想以上のアンサンブルを拡散する中で、

「突き上げたNo.1」

に合わせるように、客席中に目立つのは「No.1」を示唆するように指を立てる行為
そのポーズはどんどん広がっていくが、DISH//のライブを見たことがある方もとても多かったということか

基本的に北村(Vo.& Gt.)はハンドマイクで歌唱し、 ステージを駆け回る「Get Power」ではバンドでの出演に先駆けるようにCDJ18/19にてDJ To-i名義で出演していた橘(Key. & DJ & MC)がDJをしたり、鍵盤を弾いたりと慌ただしく演奏しているが、

「本当は2年前に出演するはずだったCDJが中止になって…。やっと出れた…!!」

と北村は相当嬉しそうだった
その気持ちはとても分かる
聞き出したのは2020年くらいだけど、活動初期からDISH//のことは知っているから

とはいえDISH//のライブを見るのはこれが初めてだったので、事前に定番曲をリサーチしていたのだが、インタビューで「反響が大きい」と答えていたのはEARTH STAGEのような広大会場だと一層映える「DAWN」
モニターは夜明けを示唆するような映像が映し出される中で矢部達がコーラスしていたが、発声可能なイベントならどれだけ威力を増すのだろう
流石に発声が解禁されるだろう春のJAPAN JAMや夏のロッキンがますます楽しみになる

「Loop.」の前に北村は、

「ちょっと休んでください!」

とブレイクタイムであるかのように説明したが、橘はスクラッチしたりラップしたりと見どころ満載で休憩時間とは思えない
むしろDISH//が持つポテンシャルにますます興味を惹かれていく

北村自身もギターを背負う「愛の導火線」は優先エリアに多くいただろうスラッシャー(DISH//のファンの呼称)が恒例の振付をやっていたらしく、「モニターで振付指南すればいいのに(笑)」と思ってしまったが、「JUMper」では北村だけでなく橘もステージを動き回り、矢部もボーカルを務めたりとDISH//のエンタメ要素がどんどん出てくる
ありとあらゆる方面から楽しませようとするのは、北村達が俳優であることも関係しているのだろうか

THE KEBABSのメンバーであり、かつて「桃源郷エイリアン」を提供したserial TV dramaのメンバーだった新井が楽曲提供したことであまりに破天荒な「銀魂」の世界観にもマッチした「勝手にMY SOUL(リハでも同曲をやっているが、その際は北村もギターを弾いている)」で盛り上げたあと、最後は紅白歌合戦でも演奏された「猫」

DISH//はNARUTOの主題歌(「I Can Hear!!」)を担当したころ、つまりはバンドなのに演奏せずに楽器を持ってダンスしていた時代から名前は知っていた
「バンドなのに演奏しないんじゃ意味ないじゃん」と言われていたことも
それがコンプレックスになっていたことも知っていた 

それから結構な時間が流れた
今やDISH//が演奏していない時代を後から知るものが多くなった
けれどもライブを見ようともタイミングがものの見事に合わず、ロッキンに至ってはライブを控えた前日に中止が発表され、またも見る機会が飛んでいった
そしてようやくライブを見れたDISH//は紛れもなくバンドだった 

出演できなかった2年前のリベンジ、完了

セトリ
SC.勝手にMY SOUL
No.1
Get Power
DAWN
Loop.
愛の導火線
JUMPer
勝手にMY SOUL


・ⅫX[COSMO STAGE](18:00〜)
DISH//の直後、EARTH STAGEには今回の出演者で最も集客力があるだろうマキシマム ザ ホルモンが降臨
例年フードコートは快適になるはずだが、今年はGALAXY STAGEに出演していた女王蜂に客に流れたり、フードコートもそこそこいたりと上手いくらいに分散
今回初出演のⅩⅡXもそこそこ埋まっており、良くできたタイムテーブルだと想うが斎藤(Vo. & Gt.)は前日UNISON SQUARE GARDENで
スッティーこと須藤(Ba.)はsumikaのサポートメンバーとして出演しているので2日連続でCDJに出演すること

DJや鍵盤、ドラムを加えたバンドセットで登場し、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の主題歌にも起用された「アカシ」から始まるが、

「たった一つの小さな約束が
ほんの些細な思い出たちが
いつまで経ってもこの胸を焦がし続ける灯火になる」

はUNISON SQUARE GARDENではインタビュー以外、ほとんど喋ることはない斎藤のモノローグそのもの
ユニゾンはすきあらばツアーをやって、ツアーとツアーの間にはXⅡXで活動したりと斎藤もタフの1年を送っていたが次のライブの予定があることやライブをした思い出が斎藤を始めとしたミュージシャンの支えになっていたのは間違いないだろう
中止にはなってしまったがロッキンオンが2020年にCDJ、2021年にロッキンを何が何で開催しようとしたのはアーティストに少しでも希望を与えたかったからだと思う
結果的に中止になってしまったが、「アカシ」を聞くたびにコロナ禍の苦悩を思い出すことになるだろう

とはいえXⅡXはユニゾンと真逆のベクトル、つまりはR&Bを軸にしたバンド
その参考資料が「LIFE IS MUSIC!!!!!」で須藤はベースを高く掲げたり、斎藤と向き合いながら楽しそうに演奏しているが、橋本愛とコラボした「まばたきの途中」はR&Bを更にディープへ落とし込んだもの
THE KEBABSがガレージロック路線を突き進むように、XⅡXはR&B路線を追求するのだろう
ユニゾンではネクタイにYシャツを決めている斎藤がこちらでは自由なファッションを決めているのがリラックスして自身のやりたい音楽を探求しているアカシだろう

すると

「折角なので新曲を」

と突然の新曲

まだタイトルは決まってないようだが、R&Bベースかと思いきやロックになったり、R&Bに戻ってきたりと情報量が非常に多い1曲
最終的にはどのような曲になるのだろう

更に音源では東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦、斎藤の後輩SKY-HIこと日高と共演した「スプレー」では須藤が「YO」と言ったのを合図にハンドマイク姿の斎藤が歌詞を「日高さん」から

「斎藤さん」

と変えたことにより口パクでないことを証明し、そのままSKY-HIのパートを全て網羅してしまう
ユニゾンでは難度の高いギターをこなしながら平然と歌い上げ、XⅡXでは言葉数の多い歌詞(それも自身の作詞)をこなす
この2つのバンドを見て、いかに斎藤が優れたミュージシャンか分かるだろう
あまりにもレベルが高すぎて、唖然を通り越して尊敬の域に入ってる

持ち時間が30分しかない以上、あっという間のラストはこの世にあるもの全てを肯定する「ユースレス•シンフォニー」
持ち時間がもう少しあれば「Halloween Knight」は間違いなく出来た
XⅡXはバンドセットになるとDJが参加するので音源と曲が大きく異なる傾向がある
そのアレンジを見れば「XⅡXすげえ!!」とワンマンにも行きたくなるはずだから

来年、VIVA LA ROCKへの出演やKroiとのツーマンが決まっているが、可能な限りでワンマンもやって欲しい
それくらいこの日のXⅡXのライブも最高だ

セトリ
SC.Stay Mellow
アカシ
LIFE IS MUSIC!!!!!
まばたきの途中
新曲
スプレー
ユースレス•シンフォニー


・ASIAN KUNG-FU GENERATION[EARTH STAGE](18:45〜)
いつものロッキンオン主催のフェスならトリは間違いなくアジカン
そのアジカンがトリ前を担うのは、この後出演するあるアーティストが原因となるけど、アジカンは2022年の秋クールに放送された「ぼっち•ざ•ろっく!」に登場する結束バンドのモデル(メンバーの名前が全てアジカンのメンバーから取られている)であり、各話タイトルはほとんどアジカンの曲が元ネタ
特に最終話、EDはある曲をカバーしたことでアジカンにも再評価の波が到来
最高のタイミングでの出演となった

アジカンはKANA-BOON同様、優先エリアに当選していたが、その居場所は前から6列目
「ホームタウン」のレコ発ツアーファイナルとなったパシフィコ横浜2daysに匹敵するか、それ以上の位置でアジカンを鑑賞することになったが、サポートメンバーのGeorge(from Mop of Head、よく考えると前日のsumikaにも参加しただろうから2日連続出演)とAchicoを加えた6人編成で登場し、潔(Dr.)のドラムも前に出たステージ配置は「プラネットフォークス」のツアーを彷彿させるもの

それぞれの配置について、じっくりと音を磨くように始まったセッションは「僕だけがいない街」のOPとしても起用された「Re∶Re」のイントロにやがて変化していくも、自分の居場所はスピーカー付近
すなわちもろに音が直撃する場所にいる訳で、山田(Ba. & Vo.)のベースが「こんなにデカかったのか…」というくらいに太く、長時間浴び続けたら耳が飛んでしまいそうな程(そのため、曲間はたまらず耳を塞ぐことになる)

しかしながら潔の4つ打ちビートを聞いたらそうは居られない訳で、やっぱり飛んでしまったり拳を挙げたくなるし、ゴッチ(Vo. & Gt.)による

「君じゃないとさ!!」

には思わず強くステージに向かって手を挙げてしまうほどの興奮状態
しかもこんな間近にステージにいることでステージの状態が普段以上に見えてくるが、そこにはGeorgeと喜多(Gt. & Vo.)がサビを口ずさんでいる姿が
Achicoが参加している関係上、喜多がコーラスする部分は限られているけど、口ずさむ風景を見たら「2人ともコーラスしていいんだよ」と微笑ましい感じに

トリを務めた春のJAPAN JAMと異なり持ち時間は40分(JAMは持ち時間が55分あった)
出し惜しみが出来ないこともあって「リライト」も早々に投入されるが、再レコーディングされた際に追加されたダブパートになると、

「発声25%までOKだよね?怒られないようにやってみようか?」

と音を極限まで縮めることによって、コロナ禍になってから初めて「リライト」のコールアンドレスポンスが実現することに

ゴッチ「俺をこれ以上炎上させないでくれ(笑)」

と声出しを煽り、その合唱が大きくなりすぎて燃されることを恐れている仕草も見せていたが、こうやってギリギリの範囲で「リライト」の元の風景を実現させてくれたことに感謝したい
渋谷陽一に怒られないか心配だけど(笑)

このコールアンドレスポンスの余韻が消えぬ中、「ソラニン」で喜多が泣きメロを奏でる光景には感情が追いつかないが、自分にとって「アジカンは安定しているなあ」と思うけど、「ぼっち•ざ•ろっく!!」の影響を受けてアジカンを見た方にはどう映るか
それはきっと「カッコいい」だ
なぜならバンドもシンガーソングライターを聞くのに速いも遅いも関係ないから
カッコいいミュージシャンはいつまで経ってもカッコいいし、現在シーンで活躍するアーティストの原点にはアジカンがいる
KANA-BOONがアジカンを追いかけたように
シーンの大御所でありつつ、カッコ良さに衰えはないのだ

そうして追い風が吹きまくっている中、ゴッチは、

「少しずつ戻ってきてる。夏も冬もこうしてまた過ごせたら」

とCDJがだいぶ元の形に戻って開催されたことを喜び、夏も冬もこうして音楽フェスが開催されることを願っていたが、「プラネットフオークス」からの先行シングルとして潔がタイトなビートを刻みながら、喜多が美声も美メロも届ける「You To You」、カップリング曲「柳小路パラレルユニバース」と比較しながら聞くとより面白い「出町柳パラレルユニバース」と最新のアジカンも連発
ツアー後半の横アリは米津と被ってしまい、参加できなかったのが残念だったけど、自分が尊敬するSpitzが今なお挑戦を続けるようにアジカンも挑戦して進化を続けている
ゴッチの歌声も喜多が奏でるメロディーも山田と潔が築くリズムに賞味期限はない

山田のゴリッゴリなベースと喜多のエモーショナルなギターがEARTH STAGEを揺らし、

「らっせーらっせ!!」

と間奏で叫びたくなる「君という花」で「大洋航路」のフレーズも引用すると、ゴッチがハンドマイクに持ち替え、ゆっくりステージを歩き回る最後の曲は「Be Alright」
自分もそうだけど、多くの人は「転がる岩〜」を望んでいた
でもゴッチはそれよりもこのフェスに参加した方、並びに全ての音楽リスナーを肯定したかった
だから「Be Alright」を最後にやったんだと思う

演奏を終えるとゴッチはギターを手にノイズを作り、サポートメンバーも含めた6人で挨拶してステージから去ったが、アジカンのスタッフが音を消すまでそのノイズは参加者の身体に宿った
「Be Alright」なノイズが

セトリ
Re∶Re
リライト
ソラニン
You To You
出町柳パラレルユニバース
君という花
Be Alright

・Ado[EARTH STAGE](19:50〜)
そしてこの日最後に見る初見、というか大半の人にとって初見であろう
CDJのラインナップ発表時にAdoの出演が発表された際、ネットは騒然としたがその後トリだと思われたアジカンを差し置いてヘッドライナーとなったことで更に騒然に
Ado、音楽フェス初出演にしていきなりの大役を任されるとんでもない事態である

しかしアジカンのライブ終了後、

「次はAdoのライブです。写真動画撮影行為は禁じます。また、双眼鏡の使用もご利用ください。」

と場内アナウンスが流れたのは、ワンマンツアーでAdoの素顔を見ようとあれこれしてくる参加者がいたのが原因らしい 
そのため場内はフェスらしからぬ異様な雰囲気に
幕を貼ることなく堂々とライブを行ったずっと真夜中でいいのに。や途中で幕を取ったEveとスタンスは大きく異なるようだ

そうして場内はピリピリしながらも開演時間を待ちわびる祝祭空間とは大きく違った様相を呈したが、専用のオープニング演出を経て紅白に出演したVaundyが楽曲提供した「逆光」が始まるとギターにベース、ドラムに鍵盤とオーソドックスなバンド編成(モニターに演奏風景が映らないので正確な人数が把握できない)を組んでいるように見えるが、ステージ中央にはマジックミラーが施された巨大な箱が用意され、そこでAdoが歌っている模様
顔出しをしたくないAdoに配慮してこのようなセットになっていると思われるが、Adoの歌声はこれまで聞いてきたどのミュージシャンよりも鳥肌が立つ歌声
「なんでこんな声が出せるの!?」と信じられないようなシャウトをかましているのてある

それは福岡ソフトバンクホークスの主砲、柳田悠岐が昨年のシーズン開始当初に登場曲としていた「うっせえわ」もそう
CD音源を遥かに超えるレベルシャウトをかまし、その緩急もこれまでの常識を覆すもの
他のミュージシャンで例えるならCoccoや全盛期の山田将司(THE BACK HORN)
でもその2人を簡単に超えすぎて、「本当に人間か…?」と正気ではいられないほど

この圧倒的どころか超人のようなパフォーマンスに場内は1曲終わるごとに騒然
同時にとてつもない歌い方をするがゆえに、1曲毎に休憩を取るのはやむを得ないことだが、ローソンで聞いた際に「どう見てもミセスの新曲だろ」とツッコミを入れた通り、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴が楽曲提供した「私は最強」では歌姫のように力強くも優しく歌唱
序盤の2曲が衝撃的すぎたからいいアクセントが付いたんだろうけど、「カラダ探し(なぜあのホラー作品を映画にしようと思ったのか、自分には到底理解出来ない。「ダークギャザリング」がマシに見えるレベル)」主題歌の「リベリオン」ではまたも強烈すぎるシャウトが炸裂
もうドン引きレベルの歌唱力である

すると「ウタカタララバイ」からはAdoの評価を大きく高めるきっかけとなった「ONE PIECE FILM RED(CVは「ストライクウィッチーズ」のリネット・ビショップ、「交響詩篇エウレカセブン」のエウレカを担当した名塚佳織が担当、ちなみに自分はCDJの前にところざわサクラタウンのジャパンパビリオンにて開催された「ストライクウィッチーズ」の朗読劇で名塚佳織の顔を拝めている)」の挿入歌を連発
「ウタカタララバイ」では言葉数の多すぎる歌詞をいとも容易くこなし、「Tot Musica」では怒りを音楽にぶつけるかのように、「世界のつづき」は優しい歌声を届けるが、これだけの名曲が詰まった「ONE PIECE」の映画は今も記録的ヒットを続ける
自分はそこまで「ONE PIECE」が好きではないが、これだけ名曲が詰まっていると凄い作品だったんだろうなと見てくても想像できる
そういえばハルカミライの橋本や須藤は「ONE PIECE」の映画を見ていたような

椎名林檎が楽曲提供した「行方知れず」に、まさかCDJでこれを聞く日が来るとは思わなかった「千本桜」、満員のEARTH STAGEを揺らしまくった「躍」とやっぱりどれもやるたびやるたび起こるどよめき
しかしこれだけやってもMCは無し
というか自分はやる必要がないと思った
なぜならば自分はサービス業に従事しており、喉を消耗し過ぎてしまうとどうなってしまうか、身をもって実感してしている
だからステージドリンクなどで喉をケアしているとはいえ、常人の何百倍も喉を駆使している彼女はそのまま最後の曲を歌っていいと思ったが、Adoは口を開いたので騒然とする場内
非常に長いMCをしたので内容を抜粋(詳しくはMCを書き起こした方のツイートを自分のアカウントでリツイートしたのでそちらを参照)すると、今回CDJに出演したことを嬉しく思いつつ、2022年を振り返っていたが、

「2023年の事は誰にも分からない。来年はこういう年にしようとか希望を持つことは出来る。」

と来年がどうなるか分からないことを再確認しつつ、

「私は、Adoとして。2023年はもっと、日本の音楽を世界に広めたいと思います。」

とJ-POPを世界に広げることを目標に宣誓したが、

「といっても私は未熟者(Adoはまだ20である)だし、ちんちくりんで、ここにいる人の中には「こいつどこから来た馬の骨だ?」と思っている人もいるかもしれません(場内爆笑)」

と自虐も始めるが、

「それでも私は歌が大好きで。日本の音楽に支えられて、歌って。自分がそういうことを経験したから、もっと多くの人にそういう経験をして欲しい。そう思います。」

と自身の経験を語ってジャパニーズミュージックを世界に発信していこうと促した

そして最後の「新世界」では、「ONE PIECE」からウタも登場
「ONE PIECE」をそこまで熱心に見ない自分(今のジャンプだと「あかね噺」を1番楽しみにしている)でも「カワイイ…」と思ってしまったが、最後の曲を終えると舞台の幕が降りたかのようにステージには白い幕が
あまりにも凄すぎて、帰りの電車で放心状態となっていた

CDJが終わったあと、TLには

「Adoを出演させたのは保守的だから参加を辞めた」

というツイートを見たが、それは全然違う 保守的だったらいつもの面子を出せば良い
今回出演していない東京スカパラダイスオーケストラやMAN WITH A MISSION、THE ORAL CIGARETTESなどの常連組を

忘れてはならないのはロッキンオンは音楽メディアだ
音楽メディアは「良い」と思ったミュージシャンを発信する機会を作る役割がある
ロッキンがひたちなかで開催されていた頃、突然アイドルやネット発のシンガーの出演が決まった頃は大いに荒れた
LiSAが初めて出演した頃なんて「アニソンシンガーは出るな!!」なんて書き込みがネットにあったのを忘れたのか

つまり、Adoの出演を理由にCDJ参加を見送るというのは新しい音楽の登場を否定するようなもの
あの抜群の歌唱力を浴びた方がいい
「新時代」の幕開けを拒否しているようなもんだ(「ONE PIECE」劇中で赤髪のシャンクスも「そんなに怖いか? 「新時代が!!!」」と世代交代を受け入れない現代社会に釘を差している)

可能ならばAdoは音楽フェスにどんどん出演するべき
VIVA LA ROCKやSUMMER SONICなど屋内ステージがあるフェスなら尚更
見もせずにごちゃごちゃ言う方がうっせえわ!

セトリ
逆光
うっせえわ
私は最強
リベリオン
ウタカタララバイ
Tot Musica
世界のつづき
行方知れず
千本桜
新時代

その日の帰り、急いで海浜幕張駅に向かったので、快適な電車に乗車できたが目の前にいる方々が完全に某アニメのガチ勢の方だった
Adoを見たあと、放心状態だったのでイヤホンを装着することはなかったが、会話を聞いていて普段から自分が聞くJUNNAやReoNa、亜咲花といったアニメタイアップを多くこなすシンガーをもっと呼んでほしいと悔しさが込み上げてきた
特にJUNNA
絶対ロッキンやCDJに出演したら客層合うと思うんだよなあ




※CDJ1日目のレポ↓


※CDJ2日目のレポ↓