今日(2023.5.31)、

神戸市立須磨海浜水族園が閉館しました

旧,神戸市立須磨水族館以来、

派手な演出よりは学術的な展示を重視した、

渋いけれども、

魚好きにはたまらなかった、

元のコンセプトが、

後継施設で果たしてどれだけ残るのか

心配しています

 

その昔の方の、

須磨水族館の2Fには、

デンキウナギやハイギョ等、

進化上重要なグループを、

科学的に説明あるいは、

分り易い展示で見せてくれていました

 

私は、その須磨水族館に、

幼稚園から小学校の頃、

多分100回以上通う中で、

将来魚の研究をしたい、

と、夢を抱きました

 

その須磨水族館でも、

一番好きだったのが、

1Fの、入ってすぐの、

エイ・サメ類の入った、

上からも横からも覗ける水槽にいた、

アカエイ(エイ亜区アカエイ科アカエイ属)でした

 

底生魚としては、

かなり活発に泳ぎ、

オレンジに縁どられた白い腹側を、

ヒラヒラと動かしながら泳続ける姿に、

ずっと魅せられていました

 

アカエイは卵胎生で、

数匹の稚魚を出産します

全国のあちこちで、

アカエイ親子の水槽展示を見ましたが、

チョコチョコ動いたり、

グルグル回る子エイを、

見守るように親エイが隣にいる姿には、

前に書いた、

ヒトを後追いするババガレイに匹敵する、

癒しを得る光景と、

思わされました

 

また、名を伏せますが、ある水族館で、

水中で魚に触れられるプールに、

アカエイがいたことがあります

 

当然恐ろしい毒針は、

除去していますが、

そのプールの場合、

尾を短くぶった切っていました

背骨の上には小さな棘が並んでいますが、

それすらも切取っていて、

何のためにアカエイに触れさせるのか、

腹が立って、

飼育員に文句を言いたくなった経験があります

(しばらく待ちましたが、

誰も来ず、プールはほったらかしでした)

 

でも、私も、

アカエイが体温の高いヒトから触れられ、

火傷をするかもしれないのに、

我慢できず触ってしまいました

前もって十分に水に手を付け、

温度を下げてから触ったか、

自信がありません

私も、あの水族館と共犯です

 

自分で釣ったことはありませんが、

アカエイは、水から上げて包丁を入れると、

キューキューと、

それこそ悲しそうに鳴きます

昔知合いの漁師から、

生きたままのアカエイは、

絶対に捌かない、という言葉を聞きました

 

アカエイは体内にTMOという、

多くのエイ・サメ類の持つ、

サメ臭さの原因となる物質が少なく、

軟骨魚類有数の美味さで、

どこでも有用魚類として、

漁獲されています

 

私も喜んで食べるので、

偉そうには言えませんが、

エイ・サメ類の中でも、

今は多く採れるけれど、

乱獲で一気に絶滅の危機に陥る、

可能性のある魚種とも思っています

 

水族館での飼育研究の積重ねは、

将来のそのような時に備えた、

大切な知見の蓄積と、

思っています(2023.5)