漫画,アニメも好きなのですが、
その中でも面白いと思った1作が、
先年(2018)の『宇宙よりも遠い場所』です
民間の南極観測隊に4人の、
女子高校生が参加するという筋なのですが、
南極自体の描写以上に、
観測隊の過酷であると同時に、
魅力溢れる日々の姿が描かれています
観測船内の大変な生活さも、
丁寧に描かれています
多分このような昨品は、
地味で敬遠されるのでしょうが、
私は南極という、
常識も経験も通用しない世界への、
憧れを抱かせてくれる、
素晴らしい作品と感じました
余談が長くなりました
唯一それに残念に思うことは、
そこに出てくる生物は、
ペンギン以外にいないことです
最近(2020現在)ゴンドワナ大陸由来の古生物の知見は増えました
しかし未だ未解明なことが多いのが、
南極海の海生生物です
その代表と言っても良いのが、
日本でも白身魚として加工食品にもなっている、
豪州産コオリカマスはじめ、
コオリウオ類(スズキ目ノトテニア亜目)魚類ではと思います
その最大の特徴は、
血液中のヘモグロビンおよび、
筋肉中のミオグロビンをほぼ失い、
貝類や甲殻類と同じような青みがかった透明な血を持つことです
他の南極海の脊椎動物が赤血球を持つ中、
コオリウオ類が、酸素を細胞に取込む役を果たす、
ヘモグロビン類を失った理由は、
未だに進化適応上の説明はつかないようです
あえて理由を考えると、
0℃以下の水温では、血液中の酸素溶存度が高く、
突然変異でヘモグロビン類を失っても、
生延びることができたからでは、
ということです
とはいえコオリウオ類は、
他の魚類より遥かに大きく強い心臓と、
大量の血液をもち、
それを維持するため、
多くのエネルギーを消費し続けねばならないそうです
現在解明された中では、
進化上有利とは決して言えないのです
私たちの知っていること、
理性的、科学的に解明できたことは、
本当に一部分でしかないと思うのです
それを例えば、
コオリウオ類は自然に機嫌よく生きているだけで、
私たちに教えてくれると、
思わされるのです(2020.9)