わたしはどうやら数字を覚えるのが、 どうしても苦手で、 元々自分に関心のなかった数字は、 暗記することが、 なかなか出来ません 仕事上も、よく恥をかきます 私の致命的な、弱点と思っています   そのせいか逆に、 数字の誤魔化しや感覚のズレについては、 非常に気になります   某社の宣伝で、 「乳酸菌が○○億個」と言っているのは、 決してウソではないでしょう   しかし、調べると、 多くのHPで、 1人の体内の腸内細菌数は、  1,000兆個以上とあります   例えば100億個とすると、 100億÷1,000兆=0.00001=0.001% もちろんどのような効果があるかとは、 全く別な話ですが、 「100億個」を売りにするのは、 見る者に間違った印象を与えかねない、 公正さが疑われても、 仕方ない情報と、 思えてしまうのです   別の話ですが、 ヒト1人の細胞の総数について、 37兆、また60兆という研究結果があり、 そのように差があることについて、 考察した文章もあります   もちろんこれは、 身長体重により細胞の個数が違う、 全体の平均ですので、 時代的にも揺れ動くでしょう また、統計学的な観点からは、 差が2倍以下というのは、 誤差の範囲といっても良いでしょう   でもおそらく私たちは、 数字についての感覚が、 37兆個,60兆個の関係と、 37個,60個の関係を、 同じと受取ってしまうため、 違和感を拭えません  私は、 37兆個か60兆個かが定められないほど、 ヒトがヒトのことを分っていない状況に、 居心地の悪さを感じてしまいます   天文学的数字という、 表現があります 一例として言うなら、 1光年とは、時間の単位でなく、 一定条件下で光が、 1年間に進む距離のことで、 約9.46兆㎞にあたります ただ大きいと言うだけでなく、 物理学的に、 計測可能性のあることについて、 誤差も含めた中で、 正確さを求める数字のことと、

言ってよいでしょう   一方、あまり一般的ではありませんが、 生物学的数字という、 表現もあります   高校時代の受験参考書のコラムに、 生物学的数字は天文学的数字を、 さらに超えた莫大な数量の表現のこと、 という説明がありました それ以来、 はっきりした説明文は見たことがありませんが、 なんとなく考続けています   もし生物学的数字という概念があるなら、 それは、生物には、 数学や力学的な基準では測ることが、 どうしても不可能な部分があること

あるいは、 そこに示された内容を、 ヒトの皮膚感覚、 若しくは生活感覚の中で、 把握することが非常に難しいけれど、 それでもその数字を用いて判断することが、 生きていくために迫られている

そのような事柄について、 あえてその不完全さを、 そのまま数字で示すことで、 伝えている表現なのでは、 と考えています その意味では、 首都圏直下地震や南海トラフ地震などの発生率の、 30年以内に90%あるいは70%という値も、 もしそうなった場合の、 被害量の、天文学的数字を想像しつつ、 広い意味では、 生物学的数字と、 言っても良いのかも知れないと、 思っています(2023.5)