翌日は午前に東京都庭園美術館に行きました。
東京都美術館は1933年に建てられた旧朝香宮邸。朝香宮は夫婦で1920年代のパリに滞在し、当時最先端の流行だったアール・デコ美術に魅せられました。そしてパリの芸術家に装飾などのデザインを依頼して、アール・デコに彩られたお屋敷を建てました。
朝香宮は戦後他のいくつかの宮家と共に皇籍離脱を余儀なくされ、熱海の別荘に移りました。その後このお屋敷は外相公邸、首相公邸として使われ、さらに迎賓館となり、1983年に東京都庭園美術館となりました。
普段は美術館として使われ、展示のためのケースや台座などが設置されています。しかし今回、「素のまま」の朝香宮邸を見せようという企画で、展示関連のものを取り去った状態を見せる企画が行われました。そのためAからZまでのキーワードを考案し、そのキーワードに基づいた解説が書かれたカードを各部屋に配置しました。そのカードを集めながら、朝香宮邸のことを知っていくことができるのです。
印象的だったのは、普段は床の保護のため無地のカーペットが敷き詰められているのですが、この下には寄せ木細工の床が作られていたのです。いくつかの部屋でそのカーペットを一部取り除いて寄せ木細工の模様が見られるようになっていました。これを見ますと、朝香宮邸として使われていた当時の様子がより一層想像しやすくなりました。
また、通常では公開していない3階のウィンターガーデンにも入れました。写真では見たことがあったのですが、白黒の市松模様の床がとてもモダンな部屋です。鉢植えなどを植えていたと思われ、今回入って見ますと小さな蛇口があるのを知りました。ここから水やりをしていたのでしょうか。人が多くて部屋全体を見渡す写真は撮れませんでした。
テーブルにカードが置いてあります。
また、隣接して新館が建てられ、ミュージアムショップや追加の展示室、レストランがあるのですが、展示室に「答え合わせ」がありました。床いっぱいに朝香宮邸の平面図が描かれ、AからZまでのカードの場所が示されていました。そして集めたカードを綴じられるように、穴あけパンチとリボンまたはリングで留めることができるような用意がしてありました。穴を開けたくない人のためにカラフルな輪ゴムも用意されていました。
もちろんカードはコンプリしました。
本当にアール・デコのデザインは素敵です。どこを見てもウットリします。
前に行った時に書いた日記に、庭園美術館について詳しいことが書いてあります。